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高校生たちに期待するもの

レースの組み合わせや結果をタッチパネル式の画面で確認し、選手を誘導する。これまでは必要な情報は紙で配布していたが、iPadなら無線LANで情報を瞬時に受信できる。沖縄県沖縄市で7月29日から開催されているインターハイの陸上競技で、新たな取り組みが始まった。

30日の共同通信の報道によると、「トラックとフィールドで競技が同時進行し、煩雑な運営に追われてきた。iPadの導入は、印刷や配布の手間を省いただけでなく、環境への配慮にもつながる」。陸上競技の運営は煩雑で、競技役員には豊富な経験と判断力が求められる。情報の伝わるスピードの向上が、競技の円滑な進行と観戦の興味を促進することを期待したい。

さて、今年のインターハイは風に悩まされた。テレビ中継を見ていると、ホームストレートに常時4,5メートルの向かい風が吹き荒れていて、短距離や跳躍種目の選手を悩ませた。運動公園周辺を地図で確認してみると、競技場のすぐ南東に海があり、これが向かい風の元凶だったのかと合点がいく。沖縄県中部エリアの沖縄市にある。

テレビが映し出す画像からは、光と影のコントラストが強い風景と沖縄特有の強烈な日差しが伝わってくる。メインスタンドには屋根がなく、暑さを避けるようなものはほとんどなさそうである。選手だけでなく観客にとっても、まさに「熱闘」だったにちがいない。

長距離種目には暑さは過酷だが、男女ともにケニヤ人留学生を相手にいいレースを見せてくれた。男子1500m決勝では、メイケル・キチンジ(青森山田)が3分48秒48の好タイムで優勝したが、ホームストレートで八木沢元樹(那須拓陽)が激しく追い込み、100分の2秒差で2位に入った。ラストが強いということは聞いていたが、この競り合いは見事だった。男子5000mでもギチンジが13分59秒86で制したが、2位に入った西池和人(須磨学園)が0秒68差で粘った。男子3000mSCでも、1位のスティーブン・カルノ(仙台育英)に遅れること0秒22差で芝山智紀(西脇工)が2位に食い込んでいる。

女子では、赤松眞弘(興譲館)の健闘が光った。1500mは序盤から先頭を引っ張り、2位以下の選手に影を踏ませることなく独走で優勝した。2年前の埼玉・熊谷インターハイで、女子800mの真下まなみ(当時深谷商)が見せた積極的な走りを彷彿とさせる。赤松は、3000mでは残念ながら0秒09差でワイナイナ・ビート(豊川)に譲ったが、これからが楽しみな選手である。

男女の長距離種目を通して言えるのは、留学生の出場した種目では日本人選手は後塵を拝したが、上位に入った選手はほぼ互角に闘っているということだ。一時期は、留学生と日本人選手との力の差が開いて、いっしょに競う意味がないのではないかとさえ、言われたことがあった。しかし、今ではしっかり留学生について、そしてそれを越えようとする意欲さえうかがえるようになってきた。

高校生たちが次のステージに進んだ時も、この高い目標意識を持ち続けてほしい。それは、「やればできる」という気持ちを持ち続けることが、必ず世界との距離を埋める第1歩につながると考えるからだ。何事も「やればできる」と思うところからスタートする。 
by hasiru123 | 2010-08-07 16:28 | その他