夢のマラソン

2011年日本陸上競技選手権を見て

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世界陸上の代表選考会を兼ねた日本陸上競技選手権が、6月10日(金)から3日間にわたって開催された。今年は、会場が熊谷スポーツ文化公園陸上競技場(埼玉県)で、私は第1日目を観戦してきた。この日は予選種目が多く組まれていたが、私のお目当ての男女1万メートル決勝がそろって行われた。

まず、女子1万メートル。当日の朝刊各紙で、出場者中最高の記録を持つ福士加代子(ワコール)が故障のため欠場すると報じられていた。昨年優勝した赤羽有紀子や一昨年の世界陸上で7位入賞した中村友梨香(天満屋)らが出場しない中で、若い選手が台頭するチャンスである。結果は、3人のデッドヒートの末、杉原加代(デンソー)が優勝した。杉原はすでにA標準を切っているので、即代表に内定した。
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トップグループは、早い段階から吉本ひかり(仏教大)と中里麗美(ダイハツ)、杉原に絞られていた。3人の中では最もいい記録を持つ吉本が終始引っ張る展開だったが、残り300メートルで中里がスパートし、力をためていた杉原がラスト200メートルで抜き返し、鮮やかな逆転だった。三者三様のスピードの特徴が現れ、見ごたえのあるレースだった。2位には入った中里は、すでにマラソンの代表に決まっていて、トラックで見せたスピードはマラソンにも生かされよう。

続いて、男子1万メートル。A標準の27分40秒をクリアした選手はまだいないが、もう少しで切れそうな選手が何人かいる。女子と同様に、優勝者がA標準を突破して自動的に内定してほしいと願っていた。最初の1000メートルは2分45秒と、早いラップを刻んだが、2000メートル以降を2分48秒、2分48秒、2分51秒と徐々に落ちていった。5000メートルが14分ちょうど。これで、A標準の期待は薄れ、選手たちの目標が順位狙いに移っていった。
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序盤は、宇賀地強(コニカミノルタ)、ポール・クイラ(同)、村澤明伸(東海大)らが引っ張り、目まぐるしくトップが替わる展開だった。クイラが5000メートル付近で棄権すると、宇賀地、村澤、佐藤悠基(日清食品グループ)らに絞られ、ラスト300メートルで佐藤が始めてトップに立つと、あっという間に後続を引き離しゴール。スパートするまで一度も前へ出ることがなかった分だけ、エネルギーをためることができた。佐藤は、B標準を切っているので、今後の選考で代表になれる可能性が高い。

このように、初日の長距離2種目は大変見ごたえのある、面白いレースだった。女子は優勝即内定となったが、男子は後日の選考を待つことになる。内定についての男女の対照は、最終日の今日行われた5千メートル決勝でも見られた。女子の5千メートルは、絹川愛(ミズノ)がA標準を突破する力走で優勝。男子は、渡邊和也(四国電力)がスプリントを生かして優勝したが、A標準は切っていない(B標準はクリアしているが)。Aを出さないことには、同一種目で複数(最大3名まで)の代表を送り出すことができない。長距離種目はチームプレイ的な要素が大きいので、同じ種目でも複数の日本人選手がそれぞれ上を目指して競い合うことは励みになる。代表として世界を相手に戦う上で、この違いは大きいのではないか。

8月の世界陸上まではまだ間がある。日本選手権優勝に満足することなく(そんなことはないと思うが)、B標準の選手は早くA標準を、まだB標準を持っていない場合には早くB標準を越えてほしい。そして、世界陸上のテレビ中継に私たちを釘付けにしてもらいたい。

(写真上) 男子110メートル障害予選
(写真中) 女子1万メートル決勝で先頭を行く吉本
(写真下) 男子1万メートル決勝で先頭を行く宇賀地
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by hasiru123 | 2011-06-12 23:07 | その他
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