夢のマラソン

テグ世界陸上を前にして

来週27日から世界陸上が、韓国・テグを舞台に熱い戦いが展開される。初日は、女子マラソンで幕が開く。

男女マラソンは、北京五輪、前回のベルリン世界陸上に続いて、ケニア、エチオピアに勢いがある。男子は、2010年から2011年にかけての世界10傑の中にケニアが7名、エチオピアが2名入っている。女子は男子ほどの集中度ではないが、同様にケニアが4名、エチオピアが3名いる。 

これらのケニア、エチオピアの上位選手がそのまま世界陸上に出場するわけではないが、選手層が厚いため、代替選手にこと欠くことはなく、両国の選手たちがレースを引っ張ることになるだろう。そんな中で、チーム・ジャパンはどんな戦いを挑むだろうか。

男子で注目するのは、選考大会で最も持ちタイムのいい川内優輝(埼玉県庁)だ。県内の定時制高校に勤務するサラリーマン選手だが、選考会では実業団選手を退けて出場権を獲得した。6月に出場した隠岐のウルトラマラソンで熱中症のため途中棄権という失敗もあったが、その後は順調に体力を回復してきていると聞く。気になるのは、7月3日の札幌国際ハーフでは63位とまったく奮わなかったことだ。

しかし、聞くところによるとこれまでの川内は、ロードレースを練習に組み入れて、レースを繰り返しながら照準を合わせてきたという。実業団選手のように気候の冷涼な地で長期合宿を張ったり、力のある選手たちと切磋琢磨して走力を高めていく手法は取れないからだ。だから、休日を利用して練習代わりに積極的に大会に出場して、実践力を身につけていく。これは、ある意味では私たちの周りにいるシリアスな市民ランナーの取り組みに共通するものがある。

本番では、東京マラソンで見せたようなねばりを発揮して、トップグループにくらいついていってほしい。この時期のテグは日本と同様に蒸し暑く、何が起こるかわからない。

女子は、これも選考大会中最も記録の良かった尾崎好美(第一生命)に期待したい。記録もさることながら、前回で2位に入っているのが強みだ。今回は、選考会の横浜国際女子で見せたように、さらに勝負強さに磨きがかかっている。優勝が狙える位置にいることは間違いない。ケニア、エチオピア勢の見えるところで粘れば、勝機がついてくる。

しかし、ここはあまり勝負を意識し過ぎない方がいいだろう。まずはメダルを取って日本人トップに入り、ロンドン五輪の切符を手中に収めることを第一目標にするくらいのほうが成功する可能性が高いと思う。リラックスして、臨んでほしい。

男女とも東アフリカの選手たちに圧倒的なアドバンテージがあるが、日本人選手がその中に割って入る余地は十分にある。「落ち着いて、そして最後まであきらめないで」とエールを送りたい。
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by hasiru123 | 2011-08-21 23:21 | マラソン
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