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代表選考は複眼思考で

ロンドン五輪の代表選考会を兼ねたびわ湖毎日マラソンで、一般参加の山本亮(佐川急便)が2時間8分44秒で日本勢トップの4位に入った。山本は陸上競技場に入った直後に中本をとらえ、その差はあっという間に開いた。終盤の激しい追込みも素晴らしかったが、トラックに入ってからのスプリントの切れ味には目を見張るものがあり、42キロを走り終得た選手とは思えないしなやかさがあった。東京マラソンの藤原新とともに当確だと思う。

難しいのは、3人目の代表の選考である。気象条件の異なる4つの選考会を通じて、どこに評価のポイントを置くかで結果は全く違ってくる。日本勢2番手だった中本健太郎(安川電機)と本命視された堀端宏行(旭化成)、そして東京で2時間8分38秒の好タイムを出した前田和浩(九電工)の争いとみられる

2000年のびわ湖毎日で2位となり、シドニー五輪代表に選ばれた川嶋伸次氏(旭化成コーチ)は、3月3日付けの毎日新聞で、「日本人トップではなく優勝を意識していたか」との質問にこう答えていた。「勝たなきゃいけないというのがあった。4年前のアトランタ五輪は補欠だったが、代表と補欠では全然違う。(代表の)撮影の時に「絵づらが悪いのでどいてくれ」と言われた。あれはずっと覚えていた」。

川嶋氏は、30キロ過ぎのマルティン・フィス(スペイン)との激しい競り合いで惜しくも2位となったが、そのレース展開が評価されて晴れて五輪代表に選ばれている。日本陸連は選考基準に「五輪で活躍が期待できる選手」とうたうだけで、特に具体的な注文はつけていない。本番の五輪でやってくれるのではないかとの期待を抱かせる何かを見せた選手が、代表の座を射止めることは間違いない。

複数の大会から代表を選考する方式は日本に限らず、多くの国と地域で採用されている。もう少し納得性の高いやり方はないものかと思うが、あのケニアでさえも一発選考方式は採っていない。

選手を見る眼を養うつもりで、複眼思考で12日の選考会の行方を見守りたい。
by hasiru123 | 2012-03-05 00:10 | マラソン