箱根駅伝 地方大学の活性化にも貢献を

田中真紀子文部科学大臣が大学設置・学校法人審議会の答申を覆し、3大学の来春開学を「不認可」とした問題は、文科相が撤回したことで、一応は収束した。この問題の発端は、文科相は「大学の数が多すぎ、教育の質が落ちている」ことを指摘し、幅広い分野の有識者で検討会議をつくり、審議会の大学設置可否の審査方法や基準を見直したいということだった。

ことの是非はさておき、教育の質の強化や人気の確保をめぐって大学間の競争は熾烈になっている。確かに、消費者である学生にとっては、ある意味ではありがたいことだ。大学は大いに競争して、将来に役立つ教育を提供してほしいと思う。しかし、大学や教育に携わる者の努力だけではどうにもならない問題も多く存在する。たとえば、地域間の格差である。

東京をはじめとする首都圏には多くの企業が集まり、それに伴って大学も首都圏や大都市部に集中する傾向がある。就職への利便性を考えると当然の結果かもしれない。

地方を活性化するのは、対処療法や都市機能の一部移転などでは到底実現することは難しいだろう。だからといって手をこまねいていていいということにはならない。関係者が努力することで解決が図られそうなことから手をつけたい。

企業や大学の一極集中に輪をかけて進んでいるのが、大学における男子長距離選手の首都圏集中だ。今年行われた全国大学駅伝に出場した関東の12校は、1位から12位までを独占し、地方大学が入り込む隙を見せなかった。これほどの集中は、女子では見られず、高校の男女にも見られない。

正月に行われる箱根駅伝の人気の高まりが影響していることは間違いない。首都圏の大学に入った長距離選手は、そこで頑張ってチームが予選会を突破できれば箱根駅伝に出ることができる。しかし、地方の大学ではいくら力を持った選手が集まっったとしても箱根を走ることはできない。そもそも、競技の環境が地方と首都圏で大きく異なるのだ。

箱根は、実力と伝統、そして人気において日本の大学駅伝の代表格ともいえる。駅伝ファンのみならず、今や国民的関心事となり、全国の視聴者を釘付けにする箱根駅伝は、地方からも参戦できる道を作って、地方を盛り上げる使命があるのではないだろうか。ある意味では、全日本と箱根とのねじれ現象と言えるかもしれないが、この際はそれぞれのプライドや歴史にこだわらないで、検討する時期に来ているように思う。

過日行われた若葉グリーンメイトの忘年会の席上で、顧問でいらっしゃる靑葉昌幸さん(関東学連会長)は、「かつては重松森男さん(福岡大)や高岡寿成さん(龍谷大)のような世界的なランナーが地方から輩出した。もっと、地方の大学は頑張って」とエールを送られていた。

地方の大学がもっと元気になれるよう、箱根駅伝が後押しできるといいのだが。
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by hasiru123 | 2012-12-03 19:21 | 駅伝  

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