スピードよりも粘りの箱根駅伝

今年の箱根駅伝は、昨年にも増して面白い展開となった。スピードランナーを揃えた学校がどこまで力を発揮できるか、誰が5区の山登りを制するのか、今年も5区を制した大学が優勝するのか、さらに埼玉県内の高校出身者が多数参加することについてなど、戦前の興味はつきなかった。

それにしても往路は折からの強風で、どの区間も大変だったと思う。特に5区ではコースが上るにしたがって気温が急降下し、城西大と中大の2人の選手が低体温と脱水症で棄権するというアクシデントが起きた。中大は2区の終盤でも脱水症状の影響かと思えるブレーキがあった。また、明大も9区で脱水症状のため失速し、3位から6位に順位を落とすアクシデントがあった。

そんな中で、5区で優勝候補の早大と東洋大を2分以上離す健闘を見せた日体大の服部翔大の快走は見応えがあった。その勢いは復路にも影響して、東洋大との差を4分54秒離して、結果として日体大の独走を許してしまった。

レースを振り返ってみると、エースと言われた選手が苦しむ中、悪天候下でも力を発揮できる粘り強い選手の活躍が光った。5000mや10000mの平均タイムでは20チームのうち6番目に過ぎない日体大が優勝したのに対し、最速チームの駒大が往路が9位と出遅れたことから、復路での好走をもってしても日体大に届かなかったことがそのことを裏付けている。

今年も、5区を制したチームが総合優勝を果たした。5区が現在の距離(23.4k)に伸びた2006年以降の8回のうち5回について、5区を制したチームが優勝している。復路の最長区間である9区は、8回中3回しか優勝していない。今や、最も優勝の鍵を握っている区間は5区といえるだろう。各大学は、今以上に5区のスペシャリストの養成に力を注ぐだろうし、往路により強力な選手を配置する戦略をとってくるだろう。

埼玉県内の高校出身者は15名が走っていたが、その活躍ぶりも素晴らしかった(注)。1都道府県からの参加者数としては、兵庫県と並ぶ最大である。埼玉県を練習の拠点にしている箱根駅伝出場大学が3校あったことも影響しているかもしれない。さらに、埼玉県の長距離・駅伝が盛んになることを期待したい。


(注) 「箱根駅伝公式ガイドブック」(講談社)と「箱根駅伝公式webサイト」を参考にカウントした。
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by hasiru123 | 2013-01-06 23:57 | 駅伝