夢のマラソン

2013年びわ湖毎日マラソンを見て

びわ湖毎日マラソンを見た。陸上世界選手権の男子代表選考会を兼ねた国内最後の大会だ。日本人のトップは藤原正和(Honda)で、4位の2時間8分51秒だった。藤原は10年前の同大会で2時間8分12秒で走り、学生の日本最高記録をマークしたことで記憶に残る選手だった。当時の記録はまだ破られていない。

その後、故障などで必ずしも順調ではなかった。ようやく復調の兆しが見えたのが2010年の東京での優勝だ。その藤原が、大学の後輩でもあるロンドン五輪代表の山本亮(佐川急便)を退けて4位に入ったのは立派というほかない。

テレビで見ているとよくわからないが、北西からの冷たい風が選手のペース配分に影響を及ぼしたようである。25キロまでの5キロごとのペースは15分10秒前後で推移していたが、1キロごとのペースは上げ下げが激しかった。特に20キロから25キロの1キロごとのペースは2分52秒から3分10秒まで18秒の幅があった。ペースメーカー泣かせの気象コンディションだったといえるだろう。

10位に入った日本選手6名のうち招待選手は山本だけで、あとは一般参加だったことからも、厳しいレースだったことがうかがい知れる。たしかに1位から3位までは外国人選手が占めた。しかし、トップから藤原までの差が17秒の間におさまっていたことは、将来にある意味で期待を抱かせた。それは、日本選手の今後の戦い方しだいで、トップに近づくことは不可能ではないということを示せたからだ。

私は、ロンドン五輪代表の山本と大学3年生で初マラソンの窪田忍(駒大)の走りに注目していた。山本はロンドン五輪で40位と振るわなかったが、今回その雪辱を果たしてくれるのではないかという期待があった。また、窪田は全日本大学駅伝などを見ていて、長距離のロードを走るセンスを持った選手だと思っていた。そして、インタビューなどからも、志の高さが感じられる。どんな展開になったにせよ、次のマラソンにつながるものを引き寄せてほしいと願っていた。

7人の先頭集団の中で、その二人が30キロすぎに見せた表情は好対照だった。集団の中で安定した走りに徹していた山本の顔が少しゆれ、厳しい表情となって、藤原や石川末廣(Honda)から離れ始めた。それよりも少し前に、精悍な表情だった窪田は顔をしかめるようになり、ズルズルと順位を落とした。

ところが、山本は遅れ始めてからが強かった。粘りにねばって、藤原の後を追った。窪田は大きく遅れ、ゴール時には28位まで後退した。優勝争いから脱落したとしても、最後まで粘ることが、次のレースにつながる。この二人の対決は、今後も何度かあるだろう。成長の跡を見たいと思う。
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by hasiru123 | 2013-03-03 23:57 | マラソン
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