留学生の背中を見て走ること

7月末にある研修会に参加したときのこと。となりの席に、はるばる大分市から参加した女性がいた。ちょうど大分県を始めとする北九州地域でインターハイが始まったばかりだったので、町の雰囲気はどうかと聞いてみた。
 - 昨日も隣近所で飾りつけなど歓迎の準備で大忙しでした -
大分市では、4種目が開催されるそうで、まるでお祭り気分のようだと、その人は話してくれた。

さて、そのインターハイ。私は、2日目と3日目の決勝種目をビデオで見た。いずれも桐生祥秀選手の出場する種目があったので、放映されたのかもしれない。でも、4日目の男子5000m決勝や女子3000mの決勝などの長距離種目も中継で見せてほしかった。戦前の予想では、いずれの種目もケニア人留学生が上位を占めるだろうと報じられていた。そんな中で、日本の高校生たちはどこまで粘り強く食い下がることができるか、そこに注目していたので。

結果は、男子が1位の留学生と日本人トップの選手とでは約30秒の開きが、女子も同様に約18秒の開きがあった。男子の30秒は距離でいうと160mくらいだろうか。トップの選手がゴールしたときに、まだ第4コーナーにさしかかろうかというところである。この種目は、5年前の埼玉インターハイで見たときよりも、さらに水が開いたように思える。これが現実で、日本と世界の力の差だ。

実力差が大きい留学生と、果たしてインターハイという同じ土俵で戦う意味はあるのか。私は、大いにある、と答えたい。というのは、若いときから世界を見ながら走れたという経験は、後の成長に与える影響は計り知れないと考えるからだ。日本選手権で優勝したり、五輪代表になったからといってそれだけで満足したり、舞い上がったりしない高い意識と謙虚な姿勢を身につけることが可能な気がする。

世界を追うモチベーションがないと、今年の日本選手権男子1500mのようなレースになってしまいそうだ。2日目の男女1500mを見て、ニッポンランナーズ代表の金哲彦さんが毎日新聞のコラム欄にこんなことを書いていた。「入賞者のすべての記録と実力、はっきり言えば、全国高校総体の方が日本選手権よりも明らかに競技レベルが勝っていた--」。激しいラストスパートの勝負は見ていて面白いが、記録のレベルが伴わない戦いはどこか物足りない。きっと、走る選手も燃えきれない虚しさのような感覚を持ったかもしれない。

ケニア人留学生の背中を見ながら走ることで、目標を高く持てたとしたら、こんな素晴らしいコーチはいない。日本の高校生は、国内にいながら世界のトップの力を借りることができることの幸運を感じるべきではないか。
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by hasiru123 | 2013-08-07 23:55 | マラソン  

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