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餓鬼岳~燕岳縦走

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                      (写真1)
8月の第2土曜日と日曜日は、1年間を通して北アルプスでもっとも入山者数の多い時期である。夏休みであることと梅雨明け後の太平洋高気圧が勢力を強めて好天に恵まれるやすいこと、そして多くの夏の高山植物が咲き誇っていることなどがその理由と考えられる。今年も、各地で多くの登山者で賑わったのではないか。

私は、この週末に北アルプスの餓鬼岳から東沢岳・燕岳への縦走をしてきた。燕岳は学生時代から何度か登ってきたが、餓鬼岳には足を伸ばすことはなかった。静かな山域であるとは聞いたいたので、いつか行ってみたいと思っていた。

餓鬼岳へは、白沢コース、中房温泉コース、燕岳からのコースの3本がある。私が選んだのは白沢コースだ。白沢登山口から林道に入り、沢の左岸と右岸とを行ったり来たりしながら、上り詰めていく。沢の上部の最終水場の標識のある地点で水をたっぷり汲んで、クサリやハシゴのかかる道を何度か越えて、大凪山(おおなぎやま)へたどり着く。そこからがとてつも長く感じられた。すれ違う登山者が3人と少々心細かったが、休憩を含めて約8時間登りつめたところで、突然餓鬼岳小屋の屋根が見えたときはほっとした。

餓鬼岳小屋は定員70名で、小ぢんまりとして清潔な小屋である。この日は30人くらいが宿泊しただろうか。夕食に出されたちらしご飯には感激した。使っている材料は保存食ばかりだが、山小屋でちらしを食べたのはこれが初めてである。素晴らしいアイデアだと思った。小屋に着いた時間が遅かったため、急いで夕食を食べて就寝した。ビールで乾杯する時間もなく、宿泊客たちとゆっくり会話する時間がなかったのは、残念だった。
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                      (写真2)

2日目は、一路燕岳へ向かって足を進めた。先日の白沢登山口から餓鬼岳への登山道と同様に燕岳から東沢岳を経由する縦走路は行き交う登山者が少なかった。稜線よりも樹林帯が多く、クサリやハシゴが続く厳しいコースが登山者を避けているのかもしれない。ところが、北燕岳あたりから様相が一転する。北燕岳を下る稜線から見えるのは燕岳頂上立つの登山者のシルエットだ。ほとんどのの登山者が燕山荘に荷物を置いてこの頂へ向かう。
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                      (写真3)

餓鬼岳の登山者と異なるのは、その数だけでなく若い年代の人たちが多いことだ。中房温泉を基点とし燕岳、大天井岳、東鎌尾根を経て槍ヶ岳へ至るコースを「表銀座コース」というが、「銀座」の名にふさわしい賑わいぶりである。中高年世代に集中していた登山者の姿がここで少し変わった感じがする。
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                      (写真4)

北アルプスは、今冬の大雪と梅雨の長雨で水分が豊富なため、例年になく高山植物が多く見られるそうだ。燕岳周辺では昨年はまったく見られなかったコバイケイソウが今年はたくさん咲いています」と話すのは燕山荘の支配人の赤沼健至さんだ。燕山荘から燕岳へ向かう砂礫の斜面には多くの高山植物が咲き誇ったいた。青紫色のチシマギキョウを始め、薄紫のハクサンフーロ、濃いピンクのコマクサ、そして一段と鮮やかなオレンジ色で濃紅色の斑点があるクルマユリなど。
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                      (写真5)

3日目は、日の出とともに燕山荘のデッキから大天井岳や槍ヶ岳を見た。やや雲とガスがかかって、モルゲントートの輝きを見ることができなかったが、好天に恵まれたことを感謝しながら、合戦小屋方面へ下った。
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                      (写真6)

(写真1)餓鬼岳から望む東沢岳
(写真2)コマクサ
(写真3)朝日があたる槍ヶ岳方面
(写真4)燕山荘南側の花崗岩
(写真5)燕山荘支配人によるアルペンホルンの演奏
(写真2)燕山荘から眺望する燕岳
by hasiru123 | 2013-08-12 13:57 | その他