2013年 09月 16日
世論調査から見る東京五輪
思う 68%
思わない 9%
どちらとも言えない 23%
また、五輪開催による経済効果については記事をそのまま引用すると「経済効果を「期待する」と答えた人の79%が開催決定を「良かったと思う」と回答しており、五輪効果による景気回復への期待が歓迎ムードにつながっている」。この質問には回答肢が4つあって、以下のとおりである。
大いに期待する 31%
ある程度期待する 47%
あまり期待しない 16%
まったく期待しない 4%
大きな声では言えないが、「五輪で儲かるものならあやかりたい」と考えるのは、普通の生活者の感覚だ。最も回答率が高かった「ある程度期待する」はこの感覚に近い。それを含めて79%が回答したからといって「五輪効果による景気回復への期待が歓迎ムードにつながっている」といえるだろうか。今後予想される建設ラッシュで、東京には人や資材が集中することになるだろう。それでも手が足りないかもしれない。このことで、むしろ東北の被災地に人や資材を投入できなくなり、復興が遅れてしまうことの方が心配だ。
世論調査には、初物は高く反応しやすいといういわゆる「ご祝儀相場」がつきものだ。今回の結果は瞬間風速で、今後の推移を見ないと、本当のところの支持率はわからないのではないか。
ただし、日本は税収の17年分もの借金を抱えている国である。国の財政負担が大きくなれば、国民にツケが回わってくる可能性もある。東京五輪での税金の使い方について。
思い切って費用をかけるべきだ 25%
できるだけ支出を抑えるべきだ 72%
過度な税金の投入には反対。小規模の施設を望んでいるといえるだろう。たとえば選手村は、急速に開発が進んでいる晴海ふ頭に建設予定だが、49年前に使用した代々木の選手村跡地を再利用する手はないだろうか。現在は、独立行政法人国立オリンピック記念青少年総合センター(注)などの施設としてそのまま引き継がれている。研修やスポーツイベント、宿泊などに使用されていて、リフォーム次第ではそのまま選手村として使えそうな気がする。上を見ればきりがない。できるだけ再利用するなどして、費用を抑えてコンパクトな運営をお願いしたい。
この調査結果で私が一番注目したのは、次の質問だった。「五輪での日本の金メダルは16個が過去最高。東京大会では何個を目標にしたらいいか」。
10個以上 7%
16個以上 15%
20個以上 19%
30個以上 6%
数にはこだわらなくていい 51%
「数にはこだわらなくていい」が51%で最も多かった。開催が決まった国の半数以上の回答者がメダルの「数にはこだわらなくていい」と答えているのだ。このような醒めたというか、成熟した国民感情を持つ国は、おそらく日本をおいて、ない。五輪をお祭り気分で楽しみ、世界初の「メダル競争をしない開催国」に向けて舵を切ってほしいと思う。
また、安倍晋三首相は五輪招致を訴える演説で、東京電力福島第一原発の汚染水について「港湾内で完全にブロックされている」と発言したことについて。「そうは思わなかった」が66%、「発言通りだと思った」が8%だった。当然のことだと思う。
(注)独立行政法人国立オリンピック記念青少年総合センターのURL
http://nyc.niye.go.jp/outline/b1.html