2013年 12月 16日
苦しまずに42.195キロを走る5ヶ条(1)
10月から12月にかけて、全国各地でフルマラソン大会が開催された。年末年始は大きなマラソン大会がないため、ちょうどこの時期(12月)は冬のマラソンシーズンの折り返し点といえるだろう。持久力にまだ自信を持てない人のために、マラソンの終盤の苦しみを少しでも取り除く方法はないものだろうか。この秋に少しずつマラソンを走る準備を進め、年明けにはマラソンに挑戦しようという人。また、この秋にマラソンを走って、今シーズンにもう一度走ってみようという人。そんなランナーのために、30キロ以降に失速しないためにはどのような工夫があれば有効か。自戒の念もこめて、頭の中を整理してみた。
それが、以下に挙げる「苦しまずに42.195キロを走る5ヶ条」だ。
第1条 30キロを走ったら35キロ、そして40キロと段階を踏んでに走り込みの距離を伸ばす
第2条 練習で、エネルギーが枯渇する体験を踏む
第3条 毎日10キロずつ走る月間300キロよりも、5キロの日もあれば30キロの日もある月間300キロの方が効果が高い
第4条 本番の数か月前には、起伏の富んだコースを走って脚筋力を高める
第5条 ペースの変化に対応する力を身につける
まず、「第1条 30キロを走ったら35キロ、そして40キロと段階を踏んでに走り込みの距離を伸ばす」について。
「10キロくらいの練習を何回繰り返しても、マラソンに必要な超持久力はなかなかつかない。10キロの練習では、10キロまでしか走れない。1回でハーフ以上の長距離走を何回か繰り返すことで、徐々に持久係数が上がってくる。今日25キロを一人でゆっくり走ることができたら、1週間後は少し距離を伸ばして28キロ位に挑戦してみる。次は30キロを走ってみる。さらに、33キロ、36キロ、・・・という具合に少しずつ距離を伸ばしていく。そうすると、練習の過程で、きっと空腹感やガス欠を経験するに違いない。お腹がすいて走る力がなくなってくるのである。言い換えると、その距離までの持久力しか持ち合わせていなかったということだ。
例えば、30キロ走をやった時に27キロ地点あたりで急に空腹を感じたとしよう。しかし、いつも27キロ地点に来ると空腹を感じるのかというと、そんなことはない。次に走ったときは、30キロまで大丈夫だったとか、その次は32キロまで持ったとか、少しずつ空腹になる地点が先に伸びてくる。これが、すなわち持久力がついてきたということである。
これを繰り返していくうちに、40キロまで走っても空腹を感じなくなるだろう。そこまでくれば、しめたものである。ゆっくりであれば「いつでも40キロくらいは走れる」という感覚がマラソンへの自信につながる。
こういった練習の繰り返しと持久係数のアップは相関関係がとても深い。そして、ステップアップが緩やかであるほど、楽に距離を伸ばすことができる。先を急がないことである。