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夢のマラソン

苦しまずに42.195キロを走る5ヶ条(4)

今回は、「第4条 本番の数か月前には、起伏の富んだコースを走って脚筋力を高める」について。

ゆっくり長く走れるようになれば、少しずつマラソン向きの体ができてきたと考えてよい。本格的な走り込みの準備段階を迎えたとっていえるだろう。まだマラソン本番まで時間のあるこの時に、身体に少し刺激とゆさぶりをかけてより高いレベルの持久力をつけるのがねらいである。

具体的には、①筋力をつけること、②心肺機能を開発すること、③スピードに慣れることが主な目的である。3つの効果を同時に期待するなんて、少し欲張りではいないだろうか、はたして可能だろうか。そんな疑問が脳裏をよぎるかもしれない。しかし、この3つ力がうまくかみ合ってマラソンランナーの身体が作られることを考えるならば、むしろ同時に行って、相乗効果を発揮できるような練習方法があれば、理想的だ。

そのためには、起伏のあるコースでの練習を取り入れるといい。起伏走とか、クロスカントリー走、ヒルトレーニングなどと言われている。起伏走とクロスカントリー走は比較的小刻みに上りと下りを繰り返し、ヒルトレーニングは比較的長めで1キロ以上の距離の上りと下りの連続するコースを走るイメージである。ヒルトレーニングのほうがよりマラソン向きではあるが、残念ながら日本にはヒルトレーニングにふさわしい緩やかで長めの上り下りのコースはあまりない。日常のトレーニングを行うのに遠方まで遠征していくわけにはいかないから、起伏の規模についてはあまり難しく考えないほうがいいだろう。身近なところにある地形を利用してほしい。

近くに野山や林間コースがなければ、川の土手と利用したり、丘陵地に開発された団地や住宅地であればそれなりに起伏のある道路があると思うので、そういう地形を利用するといい。私の住んでいる地域では町なかに小刻みな坂が多いので、ロードを走るときの練習コースの往き帰りにわざわざ回り道して取り入れている。また、幸いにも周辺に川が多く、土手を使ったサイクリングロードには自動車道や橋を横断するのに自然と起伏ができている。土手に上る道が長めにとられているところがあれば、そこを何回か往復するコースをとってもいい。

ちなみに、私はクロスカントリーコースで行う起伏走の代替として、道路から土手に上る約150mの道と土手の向こう側に下る道の約150mとを合わせたコースを設定して練習を行うことがある。上りをほぼ全力で駆け抜け、下りをジョグでつなぐ。上りを利用したインターバルトレーニングで、相当にハードである。練習開始したころは1回で5往復位(上りを2回走る)から、走り慣れてくると14往復トライすることがある。これを、マラソンレースの半年位前から練習に取り入れている。

上りでは腕を大きく振って、膝を上げて駆け上がる。下りでは膝のばねを使って、転倒に気をつけながらがスピードを抑制する。その運動の連続では、肩から足の指先まで身体の多くの部位にある筋肉を使っている。その証拠に、翌日あるいは翌々日に痛みや疲れを感じる部分が体のどこにあるかを確かめてみるといい。きっと、普段の練習では感じない部位に、痛みや疲労が残っているはずだ。たとえば、背中や腰、上腕二頭筋、腰椎、足の裏など、フラットなコースを走っている限りはあまり発生しないような症状である。これが、①の筋力アップの効果」である。

そして、平地よりも上りの方がさらに大きな負荷がかかることから、心肺機能を高める効果がある。また、上りで大きな負荷がかかり、下りでは休息状態に入って楽な呼吸で走ることができるので、それを繰り返すことによってインターバルトレーニングと同様の半休息状態での走りを体感することができる。これは②の心肺機能の開発効果である。

上りでは呼吸が苦しくなり、追い込まれた状態になるが、ピークを過ぎて下りに入ると負荷を落としてもスピードは自然に上がっていく。下りの力を利用して意図的に速い動きをするという、よく短距離選手が行うような練習の感覚である。平地では出せないスピードに慣らすことができる。少ないエネルギーで、普段は出せないスピードを体感するという意味で、これは③スピードに慣れる効果である。

このように、起伏の富んだコースを走ることは、筋力トレーニングとインターバルトレーニング、スピードトレーニングを合わせたような多面的で多様的性を持った練習効果がある。さらに、LSDのような超長距離のランニングの合間に起伏走を織り交ぜると、身体的にいっそうの大きな成長を期待することができる。「1+1+1=3」という足し算の効果ではなくて、5にも10にもなるいわば掛け算の効果が期待できるのだ。

ただし、注意しないといけないのは、このような負荷の高い練習は連続して行うとからだが悲鳴を上げてしまうので、疲労が残っている状態では、絶対に行わないことだ。1週間に1回とか2週間に1回といった緩やかな頻度で計画的に実施してほしい。この疲労を回復させるときも、LSDを使うことは言うまでもない。
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by hasiru123 | 2014-01-14 07:24 | マラソン