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夏こそチャンス(3)  体調を把握する

夏を克服する方法としては、次の3つを挙げたい。

(1)十分な睡眠をとる
(2)しっかり食べて、たっぷり栄養を補給する
(3)暑さに強い体質に改善する

(1)十分な睡眠をとること。誰にとっても快い睡眠は、年間を通してベストな体調を維持するために必要不可欠である。あえてここで挙げたのは、夏の暑さは睡眠の大敵となるからだ。寝ていて汗をかくとどうしても眠りが浅くなったり、寝つきが悪くなったり、そして目が覚めやすくなったりする。窓を開けて風を通りやすくするとか、扇風機を緩やかに回して風を送るとか、就寝前に冷房のタイマーをかけるなどの、工夫が必要だ。軽めの冷房と弱い扇風機を併用するのもいいかもしれない。

温度管理で注意したいのは、冷房に頼りすぎないことだ。冷房を長時間かけたり、扇風機を強くかけ続けることで、からだを過度に冷やすからだ。本来なら汗をかくことで体内に備わっている冷却機能が働くところを、強制的に冷やされてしまうのは、自律神経の働きを弱めることになる。倦怠感や食欲不振につながりやすい。

ついでながら、郊外に住んでいると蚊も安眠の妨げになる。夜に鳴くセミが気になる人もいるかもしれない。窓を開けることによって、ふだん気にならなかった車の騒音が気になるということもあるだろう。

これ以外にも静かな眠りを妨害するものはいろいろありそうだ。したがって、複数の対策を適切に組み合わせる「夏の夜のベストミックス」をぜひ見つけていただきたい。

(2)しっかり食べて、たっぷり栄養を補給すること。これも言わずもがなであるが、夏に特に不足しがちな栄養素がある。それは、汗をかくことによって失われるナトリウムやカリウム、鉄などのミネラルである。水分やナトリウムはスポーツドリンクなどを適切に補給することでしっかりとれても、カリウムはうっかり見落としがちである。カリウムは、健康食品などから特別に補給する必要はなく、多様な食品を十分にとることで可能となる。だから、食欲不振に陥らない限りそれほど気にかける必要はない。

いろいろな食品を組み合わせて、毎日の食事に生かす。たとえば、そうめんなど軽めの食事に偏らないで、たんぱく質をバランスよく摂ることだ。じつは、麺類などの糖質にはあまりミネラルは含まれていない。肉類、魚類、乳製品、卵、豆類などのたんぱく質を組み合わせた食事になるよう心がけたい。
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(3)暑さに強い体質に改善すること。梅雨明けから2週間が経過した。立秋(今年は8月7日)ももうすぐだ。暑い中にも、当初の猛暑の厳しさに比べて、ほんの少しだけ楽になったような気がしないだろうか。同じような気象条件でも、7月よりも走る距離を伸ばせるようになったり、スピードを加えられるようになったりしないだろうか。もし、そう感じたとしたら、それは思い違いではなく、秋の気配のためでもなくて、体が暑さに慣れてきたためである。私たちの中には、暑さに弱いランナーと暑さに強いランナーとが同居していて、このことは後者に変身しつつある兆しだといえるのではないか。かいた汗がからだを冷やすように循環し始めた証拠である。

しかし、暑さに慣れたからといって急激に練習量を増やしたり負荷を大きくしたりすることは禁物だ。本来なら今よりも走れるはずの秋口に、疲労が蓄積したり、故障したりしては元も子もない。この時期は、気持ちよく走って上がることができたら上出来と考えよう。

日ごろから走っている人であれば、猛暑になったからといっていきなり体調を崩すわけでない。むしろ、さまざまな要素が重なり、繰り返されることによって、気がつかないうちに徐々に体調が落ちていくことが、最悪のシナリオだ。暑い→食欲がない→食べられない→栄養不足・栄養のアンバランス→何とか練習を続ける→疲労が抜けない→食べられない→体調が悪化。風が吹けば桶屋が儲かる式の悪循環である。

始めから暑さに強いランナーはいない。ぜひこの夏は、睡眠と栄養のバランスをうまくとりながら、体が発するひとり言に耳を傾けていただきたい。
by hasiru123 | 2014-08-05 21:20 | 練習