ブログトップ

夢のマラソン

花の”1区”  全国高校駅伝を見て

男子高校駅伝の花の1区は10キロという最長区間距離であることから、力のある選手が競合する。その華やかさは以下の選手の記録を見てもうなずけるところだ。今回出場した57チーム399名の中で5000mのベストタイム13分以内が7名いるが、1区に3名が出場している。7名の中には13分以内の外国人留学生は3名いるが、いずれも競技規定により1区以外(3区と4区)を走った。また、同種目の14分1桁台は10名いて、そのうち8名が1区に出場している。

今日の京都地方は風が弱く湿度が高かったため、駅伝には絶好のコンディションとなった。1区では28分台の好記録が続出するのではないかと期待していたが、トップグループの1キロの通過記録が2分57秒と超スローペースで展開したため、その可能性はついえた。2キロを過ぎても全体が大きな集団を形成している。5キロの中間点は15分10秒で互いにけん制する形は崩れず、トップと2秒以内の選手が48名もいた。集団は横に広がり、2車線をいっぱいに使っている。5000m14分前後の走力を持つ選手がひしめく今の高校長距離界の姿がここにある、といていいだろう。優勝を狙うチームが少しでもいい形でつなげたいと互いの顔色をうかがう。各チームがエース級を投入する1区だからこそ見られる、いつもながらの展開である。

9キロを過ぎたあたりから縦長の形になり、下史典(伊賀白鳳)と橋詰大慧(和歌山北)が抜け出し、下が大きなストライドとしなやかなフォームを活かして1位でタスキをつないだ。区間記録は29分39秒だったから、後半の5キロを14分29秒でカバーしたことになり、大幅にペースアップした。2位の橋詰は、下と3秒差だった。

話は少し横道にそれるが、橋詰について書く。彼の通う和歌山北は2年前に和歌山西と統合され、施設設備が遅れ、陸上用トラックが完成していなくて、もっぱら起伏のある公園で練習をしているそうだ。3日前の毎日新聞にレポートされていた。もともとこの2つの高校は8キロ離れたところにあって、橋詰が在籍している学科は北校舎にあり、練習会場のある西校舎への移動にはバスで20分以上かけていた。今年度から学科が西校舎に移ったという。少子化で学校の統廃合が進む中、この駅伝のような学校単位の部活動には、不便を強いられる高校生がこれから増えていくのではないか。そんな懸念が脳裏をよぎった。

それにしても、「練習が例年の半分くらいしかできなかった」(指導監督の話)という環境下で、この成績は素晴らしい。「あっぱれ!」と言いたい。全体では、2時間10分17秒の41位でゴールした。

優勝は1区でトップと11秒差でつないだ世羅で、歴代4位の2時間2分39秒だった。3区を走ったP.カマイシの好走もあるが、どの区間にもスキがない横綱相撲だった。わが埼玉県代表の埼玉栄も健闘して3位に食い込んだ。県予選で出した47都道府県最速の2時間5分48秒がフロックでなかったことを示したことはうれしい。アンカーの佐久長聖との2位争いも見ごたえのあるものだった。

今日走った399名は予選を通過したチームの選手であって、ほかのチームにもシリアスな高校生ランナーは大勢いる。これらの高校生の中から一人でも多くの、世界を目指すアスリートが誕生することを期待したい。
[PR]
by hasiru123 | 2014-12-21 18:38 | 駅伝