台湾を行く - 太魯閣 -

司馬遼太郎の『街道を行く』シリーズの「台湾紀行」は花蓮(かれん)のまちで終わるが、私の旅は花蓮から始まった。

台北から特急列車で2時間半ほど南東方面を行くと花蓮に着く。台湾に入ってはじめて泊まったのがこのまちだった。今年の正月のことである。

花蓮は台湾東北部で最大の都市である。先住民族のアミ族の集落があることで知られている。台湾人の名に「阿」の字で始まることが多いと聞いたが、「アミ(阿美)」と関係があるのかもしれない。アミ族の踊りを楽しむことができる阿美文化村という観光スポットもあることだし――。

翌日は太魯閣(たろこ)へ向かった。侵食によってできた大理石の奇岩怪石が約20キロメートルにわって続く。高さ千メートル以上にも切り立った大渓谷だ。かつては山岳地域に住むいくつかの部族に分かれて狩猟生活を行っていたと伝えられる。
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伊藤潔『台湾』(中公新書)によれば、「ポルトガル人が「発見」した16世紀半ばの台湾には、わずかの漢族系の移住民のほかに、先住民(今日の台湾では高山族という)と総称される、マレー・ポリネシア系の人々が先住していた」とある。この国は、ついに先住民による統一した政権はできずに今日に至っている。

太魯閣の入り口で記念写真を撮ったあと、東西横貫公路の長春トンネルを抜けると、絶壁を背に建てられた中国風の祠が見えた。長春祠だ。公路の建設工事中に亡くなった二百余名の人たちの霊を慰めようと、1958年に建てられたものだ。ただし、現在の長春祠は2度のわたる落石のため97年に再建された。
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それにしても太魯閣の風景は美しい。 川に架けられた吊り橋や絶景を臨むハイキングトレイル、山腹に建つ寺院。断崖をわずかに削っただけの山道を上るためだけに、もう一度来ようと思った。
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(写真上)太魯閣入口
(写真中)長春祠
(写真下)太魯閣の渓谷 
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by hasiru123 | 2015-03-15 23:36 | その他