弘前公園10本勝負

吉野山こぞのしをりの道かへてまだ見ぬかたの花を尋ねむ(西行「新古今集」)

歌意は「去年枝折(しおり)をして道しるべをつけておいた道とは道を変えて、まだ見ていない方面の花をたずね入ろう」である。いま私たちがよく見る染井吉野とはちがって、この時代の山桜の表情は多種多様であっただろう。去年とはちがう桜を目指す気迫に満ちているのは、怖いくらいだ。

私も西行の気持ちに押されて、山桜ではないがまだ見ぬ弘前城の桜を見に行ってきた。そして、弘前に向かわせた理由はもう一つある。

弘前城は、本丸東面の石垣修理工事に伴い、天守を約70m本丸の内側へと曳屋する工事を予定している。工事には約10年間を要し、曳屋した天守を元の位置に戻すまでにも5年以上かかると見込まれている。したがって、しばらくは天守を背景にした桜を見ることができない。

私が訪れた4月の終わりは、通常であれば満開の時期だが、今年はすでに八部散りの状況だった。散った後の桜もそれなりに撮れるのではないか、いや撮らなければいけないと言い聞かせつつ、ライトアップされた公園を歩いた。

薄い紫色をつけた花よりも葉の緑の方が優勢だった。明朝の花はどんな色をつけてくれるか、待つことにした。

この時期、満開を過ぎてからが見ごろとなるのは、弘前中央高校近くの堀に浮かぶ花筏だった。まるるでピンク色の絨毯(じゅうたん) が敷いてあるように見えることからこの名前がつけられたそうだ。ただし、敷き詰められた花びらが新しくないためか、淡いピンク色になっていた。咲いている桜との競演とならなかったのは残念である。

今回の弘前公園で見ごたえのあったのは、まだいっぱいに花を咲かせている枝垂桜である。石垣の上に咲いていた白い花は特に印象に残っている。このほかにも、正徳5年の霞桜や日本最古の染井吉野、日本最大幹周の染井吉野(写真下参照)など、多くの桜の木がある。季節を変えてたずねてみたい。

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          早朝の弘前城

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          ライトアップされた弘前城

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          枝垂桜

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          枝垂桜

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          枝垂桜

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          天守閣から望む岩木山

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          夜の桜道

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          日本一太い染井吉野

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          横たわる桜の木

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          弘前中央高校付近の花筏
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by hasiru123 | 2015-05-04 19:28 | その他  

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