注文の多い顧客

吉野弘さんに、電車が好きな、身振りをかくさない木立ちを題材にした詩があった。題名は『緑濃い峠の』。

<風をまとった電車にあおられ/ のけぞり、たわみ/葉裏を返し、激しく揉まれていた線路際の木立ち。・・・>
<一度、電車というものを見に来て/綺麗な電車に一目惚れ/ そのまま線路沿いに住みついてしまった・・・>

この詩を読んで、思わずいつも履いているランニングシューズのことを考えてしまった。シューズと木立の一方的な愛とは比べようもないが、毎朝ひたすら私の足を支えくれている。自分でいうのもなんだが、この足は注文の多い顧客で、しかも気難しい。いつも無理を強いるばかりだが、シューズはけして悲鳴を上げることがない。

2か月ほど前に、故障中の左足の外反母趾の痛みが高じてジョグができなくなることがあった。これまで履いていたシューズはワイドなつくりのものであったが、もう一段ワイドな規格に変えてみた。そしたら、ほとんど痛みを感じることがなく走ることができた。

外反母趾が悪化して親指付け根がさらに突起するようになったための痛みだったが、新しいシューズは顧客の要望に見事に応えてくれた。こういう製品のことを「一目惚れ」とはいわない、でしょうね。

c0051032_19235596.jpg

(写真)クスノキが生い茂る日比谷公園 2017年5月上旬

[PR]
by hasiru123 | 2017-05-01 12:34 | 練習