自然との二人三脚で

トーストの焼きあがりよく我が部屋の空気 ようよう夏になりゆく

俵万智は詠んだ。自身の書いた『短歌をよむ』(岩波新書)によると、歌意は以下のようである。朝食のためにパンを焼いていて「あっ」と思った。それまでは平均して5分かかっていたトーストが、今朝は4分半でいい。しかもぱりっと焼けている。こんなところにも夏は来ているんだなあ、という心の揺れ。

今日、関東地方から四国にかけて梅雨明けしたと報じられた。日本各地は7月初めから猛暑が続き、九州北部を始めとする地域では記録的な大雨が降り、被害が拡大している。心の揺れというよりも、夏への不安すら感じさせる梅雨明けである。

今朝、走りながら近くの小学校の校庭に足を運んだ。大きなヒマラヤスギの奥からセミの初鳴きを聞いた。いつもの時期のいつものようなセミの声を聞いて、ふと心が安らぐ思いがした。

先に挙げた歌の「ようよう」は、もしかしたら『枕草子』の「春はあけぼの。やうやう白くなりゆく・・・」の本歌取りかもしれない(『枕草子』は歌ではないから、「本歌取り」とは言わないネ)。いつも走っている早朝は、思わず「夏はあけぼの!」と言いたくなるくらいの爽快な気分だ。この先はどうか「記録にならない」程度のふつうの夏であってほしい。

つくづく思う。私たちは自然からエネルギーをもらい、助けられながら生きているということを。自然との二人三脚で、この夏を走りとおしたい。


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by hasiru123 | 2017-07-19 20:25 | 練習