2006年箱根駅伝を見て

元日の全日本実業団駅伝では、コニカミノルタが出遅れた中国電力を力でねじ伏せました。一方、2-3日の箱根駅伝では、優勝候補チームが総崩れで、もてる力を発揮した亜細亜大学が初優勝しました。

箱根駅伝が完全テレビ中継されるようになったのは1987年からですが、全区間を通して見たのは今年が初めてです。いつもの年ですと、往路は1区と2区、5区、そして復路は6区とゴールシーンを見るくらいで、それ以外の区間はテレビを消して自分の練習時間にあてていました。ところが、今回は1区から波乱含みで目の離せない展開となり、箱根のゴールまで中継に釘付けになってしまいました。好走が期待されていた選手のブレーキが随所で見られたからです。翌日の復路では、早朝に走っておいて、じっくりテレビ観戦の体制を整えました。

今回は平均視聴率も高く、往路が27.9%、復路が29.7%で、箱根駅伝の歴代3位とのことでした(ビデオリサーチの公表による)。8区の順天堂大学の選手が脱水症状をこらえながらタスキを渡した戸塚中継所での瞬間視聴率は34.8%に上ったそうです。

かつてのプロ野球は「人気のセ、実力のパ」と言われた時代がありましたが、今や駅伝は「人気の学生、実力の実業団」といえそうです。成長途上にある10人の学生選手たちが1人平均21.8キロを走る箱根駅伝は、距離が長いだけにアクシデントの起きる可能性が高く、見る人をはらはらさせます。また、学校対抗という形式をとっていることと、82回の歴史があることも人気の一因でしょう。

これまでに五輪や重要な五輪代表選考会があると、自分以外のマラソンファンはどのようににレース観戦を楽しんだのかが知りたくて、その翌日に知人によく感想を求めたものでした。ところが今回の箱根駅伝のあとには、電車の中や職場のエレベーター、昼食時の隣の席などから、こちらから話しかけなくても駅伝の話題が自然に聞こえてくるのです。平均視聴率の歴代3位という数字を超えて、それだけ観戦者に大きなインパクトを残したということではないでしょうか。

今年の大会は近年になく1、2年生に優れた選手がそろい、ハイレベルの争いが展開されるだろうと期待していました。下表を見てください。出場選手は全部で200名(20チーム×10名)いますが、その中で5000mを13分台で走る選手が9名、10000mを28分台で走る選手が20名、そしてそのうちで両方をクリアする選手が6名参加していました。これらの記録は、学生としてはトップアスリートといえるものです。箱根駅伝では、どこを走っても区間上位が望める実力です。
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    ↑ 上表はクリックして開くと見やすくなります

そのような選手たちが大会でどういう働きをしたかというと、区間11位以下だった人がおよそ4割いました。なんと、5000mを13分台かつ10000mが28分台の両方をクリアするスーパーアスリートの5割が、区間11位以下に沈んでいます。優勝候補のチームが総崩れした背景には、本来活躍するべき選手の不調があると思います。これはいったいどういうことなのでしょうか。

この問題は、選手をよく知らない部外者が軽々に論じられることではありません。しかし、駅伝ファンとしては大変気になるのも事実です。関係者間でぜひ真剣に総括して、汚名挽回に取り組んでほしいと老婆心ながら思っています。

それから、上表を作っていて気づいたのですが、往路に多くのスピードランナーを投入していることです。前半で遅れをとらないために好位置をキープしたいという戦術の現れでしょうが、これほど極端だとは思いませんでした。
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by hasiru123 | 2006-01-08 19:40 | 駅伝  

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