チームの戦略  07年箱根駅伝(1)

根駅伝は、順大が出場50回目の節目で往路、復路とも完全優勝しました。順大は5区で3年連続区間新の快走を見せた今井を除いてスター選手はいませんが、それぞれの持ち場で確実な走りを見せ、4連勝したときの駒大を思わせる強さを感じました。

レース結果については、下記のサイトをごらんください。
箱根駅伝総合記録 
→ http://www.yomiuri.co.jp/sports/ekiden2007/kiroku.htm

「駅伝は水物」とよくいわれます。順大のように各選手が持てる力を十分に発揮できたチームは少なく、駅伝には必ずと言っていいくらい「誤算」がつきまといます。故障や体調不良、焦りなどいろいろな要素が絡み合い、監督の計算どおりには行きません。昨年の順大は首位を走っていた8区の難波が脱水症状を起こし、あわや途中棄権かと危ぶまれたアクシデントが発生。選手が持っている走力と本番の結果との間にはどのような関係があるのでしょうか。ハーフマラソンの持ちタイムを使って、分析を試みました。

使用したデータは今回の成績(総合順位と区間順位)と、ハーフマラソンのベスト記録とその区間でのランキング(個人別とチーム計)です。また、指標としては順位や記録の平均値だけでなく、バラツキを数値で把握するために標準偏差を使いました。

<区間ごとのハーフマラソンのベスト記録を比較すると>

以下の記録は、20チームの区間ごとにハーフマラソンのベスト記録を平均した結果です。

2区  1:03:15
1区  1:04:03
3区 1:04:03
9区  1:04:05 
5区  1:04:29  
10区 1:04:32 
7区  1:04:40  
4区  1:04:57  
6区  1:05:01  
8区  1:05:09  

20チームの平均では、2区が1:03:15ともっとも記録がよく、「花の2区」であることを裏付けています。1区と3区が同タイムの1:04:03と続きます。このことから、各チームが重視する区間として実力のある選手を投入するのは、「花の2区」以外ではスタートダッシュを期待する1区と2区の勢いをそのままつなげるための3区であることがわかりました。前半で好位置をキープして復路につなげる戦略が見てとれます。

最も長い距離の5区(23.4キロ)が1:04:29で5番目だったのは意外ですが、山上りというコースの特徴をから、選手の適性を考慮しての配置だと思われます。6区の山下りについても同様のことが言えるでしょう。

復路では、終盤の9区と10区に厚い布陣が敷かれていることがわかります。全体としていえることは、往路重視の傾向です。しかし、チーム別にハーフマラソンのベスト記録を比較してみると、一様ではありません。たとえば、集計結果から上位10チームについて特徴をあげると以下のようになります。

1位順大   5区と後半重視
2位日大   1,2,3区の前半重視
3位東海大  前半逃げ切り型(結果は3,5区が誤算)
4位日体大  前半重視(強豪が力を入れる9,10区が弱い)
5位東洋大  後半と1,2区重視
6位早大   前半と9,10区重視
7位駒大   後半(9,10区)重視
8位中大   前半と10区重視
9位専大   1区の勢いをつなげる
10位城西大 後半重視(ハーフ02分台を3人起用)

前半重視が6チーム、後半重視が4チーム。優勝した順大は後者だが、5区にスーパーエースを投入できたことにより、往路でも前半に主力を投入した他チームを圧倒しました。
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by hasiru123 | 2007-01-27 22:05 | 駅伝  

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