駅伝はこれでいいということがない  07年箱根駅伝(3)

<区間による実力のバラツキ>

区間 ハーフマラソンのベスト記録平均 同標準偏差 順位差の標準偏差
2区     1:03:15            0:00:44   5.3
1区     1:04:03            0:00:54   6.4
3区     1:04:03            0:01:00   6.1
9区     1:04:05            0:01:11   3.8
5区     1:04:29            0:01:10   6.8
10区     1:04:32            0:01:26  6.1
7区     1:04:40            0:01:04   6.6
4区  1:04:57            0:01:14   7.6
6区     1:05:01            0:01:06   8.3
8区     1:05:09            0:01:26   6.2

ハーフのベスト記録平均がいい区間ほど標準偏差が小さい傾向が見られます(2、1、3区)。これらの区間では、どのチームもスピードランナーを投入し、高いレベルでの競合になっていることがわかります。また、復路(特に8、9、10区)の勝負どころで標準偏差が大きいのですが、ここではどうしても力のある選手を使えるチームとそうでないチームとの格差が出てしまい、興味深いものがあります。

ハーフの順位差の標準偏差では、8、9、10区が小さい。これは、安定して実力を発揮できる上級生ランナーが配置されている影響かと考えられます。また、5区と6区で大きいのは、フラットなコースの記録だけでは坂道コースにおける選手の適性は計れないということではないでしょうか。

<まとめ>

戦前では、各チームの力が接近していて「戦国時代」といわれていましたが、結果は思った以上に力の差が開きました。それは、持てる力を十分に発揮できた選手とそうでない選手とのバラツキが大きいためで、本番を戦うことの難しさを教えてくれたように思います。苦杯をなめたチームは、潜在的な力を持っていながら、なぜパフォーマンスを発揮することができなかったのか、これから1年間かけてじっくり取り組んでいただきたい。そして、今回の結果は前向きに自分自身を評価してほしいと思います。

選手の力を総合して結果を出す駅伝では、これでいいということがない過酷な競技です。それでいて、上を向いたらきりがない。選手のみなさんは全力で戦ったことを評価し、いっときは休息を与え、そして静かに鋭気を養うことも大切だと思います。優勝候補の筆頭に上げられていた亜大は往路、復路ともいいところがなく10位に沈みました。往路では14位まで落ちた中大は、何とか8位に食い込みました。これらのチームは、シード権をキープしただけ運があったと考えるべきでしょう。「腐っても鯛」ではありませんが、7区以降の粘りは絶対にシード落ちだけはしたくないという執念があったように思います。伊達に伝統校の名前がついていたのではなかったことを証明してくれました。また、2年連続で11位だった城西大はシード権の壁をいやおうなく知らされたわけですが、シード落ちしたチームではナンバーワンの力があることの証ですので、来年は優勝争いに絡む気持ちで、自信を持って次の予選会に臨んでほしいものです。

* ハーフマラソンの記録は「箱根駅伝公式ガイドブック」(講談社)を使用した。ハーフマラソンの記録のない選手は、同書の10000Mの記録から「(10000Mの記録×2)+4分」で試算した。
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by hasiru123 | 2007-01-27 22:37 | 駅伝