本番に備えて行うタイムトライアル

誰が言ったか忘れましたが、「レースは最高のトレーニング方法である」という言葉があります。身体には、トレーニングだけでは推し量れない生命の不思議な魔力のようなものがあって、全力でまたはそれに近い力で、ある程度追い込んで走ってみないと本当の実力や調子の良し悪しが計れないからです。

かといって、レースにばかり出ていては、身体がもちません。時間も、そしてコストもかかります。練習のつもりで出場したレースが、本番と同じようにがんばってしまった、なんてこともよくあるのです。レースの疲労を抜くのには時間がかかるので、本番までに疲労が回復できないと本末転倒になってしまいます。そこで、レースに代わって行う実践的なトレーニングがタイムトライアルです。

<タイムトライアルの目的>c0051032_19492479.jpg
目標とするレースの位置づけや実施時期(どの程度先に行われるのか)などによって異なりますが、一般的には次のようにいえます。
①目標のレースでいい結果を出す(例:○分○秒を切る)
②目標のレースへ向けた仕上がり具合を確認する
③レースの予行演習、度胸試し(本番でなかなか自分の持っている力を出し切れない、プレーッシャーに負けてしまう、といった場合の対策として行う)
④予定されている本格的なトレーニングに先立って、走力を把握する(レース時期の近くになって行うタイムトライアルと比較することに意味がある)

<距離とペース>
一言でいうと、長さは「レースと同じ距離または短めの距離」、ペースは「レースと同じペース配分またはやや遅め」ということになります。以下に取り組み例をあげました。
【実例】レースが10キロ走の場合
①距離は5000mで、本番の5キロ通過地点での目標ラップで走る
②距離は3000mで、本番の3キロ通地過点よりも速いラップで走る
③距離は3000mで、全力で走る(自己新をマークする位の気持ちで)
④距離は5000mで、20分程度の間隔をおいて2本行う。2本の合計タイムが、10キロ走の目標タイムより20~40秒遅く走る。これは、レペティションという練習方法に近い

<取り組む上での心構え>
レースと同じ気持ちで、気合を入れて走ります。言うは易しですが、これはなかなか難しい。というのは、タイムトライアルはあくまでも練習で、本番ではないからです。それから、レースに臨むときのように行う調整をして臨みましょう。ただし、本番と同じように行うのではなくて、ある程度短期間で済ませます。たとえば、本番では10日間かけるところを3日間で仕上げる、というように。

<実施方法>
直前のウォーミングアップはレースと同じやり方で行い、手を抜かないことです。できれば、スタート時間も本番と同じで行えればベストです。また、本番がトラックレースなら、スパイクをつけましょう。一緒に走る人数は多い方がいいでしょう。単独で、マイペースで行うのもいいですが、本番では競争者が自分より前にも後にもいますから、集団の方がより実践的な感覚で走れると思います。

<実施後の課題の検討>
これが一番大切です。結果の良し悪しよりも、内容をよく吟味して、残り少ないレースまでの期間に練習方法や体調管理の修正などに活かします。タイムトライアルを行う時期はトレーニングの途上で、調整も本番のようにしっかり行っているわけではないので、記録に一喜一憂しても意味がありません。一つでも課題が見つかれば、収穫があったと考えてください。

私の所属している若葉グリーンメイトでは、10月末に実施される秋季合宿で、5000mのタイムトライアルを予定しています。今季出場予定のレースに向けての仕上がり具合をチェックすることと、各種駅伝大会のメンバー編成の参考にするというのが主な目的です。課題の発見につながればいいと思います。長いスパンで見れば、レース経験を踏んでいくことによって、レース勘やレース運びなどを学び、結果的に走力をつけていくことになりますから、元に戻るようですが、「レースは最高のトレーニング方法である」ということになるのでしょうね。
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by hasiru123 | 2007-10-21 19:51 | 練習  

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