ワーク・ライフ・バランスとランニング

仕事と生活のバランスをどう図るかは、働く人々が常に直面している難題です。

これまでは、「ワーク・ライフ・バランス」を、従業員の福祉施策としてとらえる傾向が強く、組織の効率性をそぎ、追加コストがかかると考えられがちでした。しかし、最近は「企業にとっての意義」という視点からとらえ直そうとするようになってきました。

背景には以下の2つが考えられます。まず、働く人の生活や意識が変化し、仕事も重要だが自分の生活を大切にしたいと考える人が増え、企業もそうした変化に対応しなければ、人材が流出するという危機意識が生まれたこと。もう一つは、経済の発展やITの進展が労働時間の短縮に向かわずに、労働が強化される事態になっているという社会の変化です。

最近の働く人々の意識を見ると、仕事優先になっている(特に正社員の)状況を見直して、もっと生活に軸足をおいた働き方をしたいと考えるようになってきました。

内閣府が行った「男女共同参画に関する市民意識調査」(平成18年度)では、生活の中で「仕事・家事・プライベートの両立」を望む人が32%に上ったのに対し、「仕事優先」としたのは2%にすぎません。仕事優先の現実に直面して、希望と現実の間に大きな乖離を生んでいることが見てとれます。

また神戸新聞の社説では、男女を問わず現役世代の多くが、ボランティアや地域活動への参加意欲を持ちながら、「時間がない」との理由で参加していないという結果を伝えています。

そこで本題ですが、働くランナーの場合には、「ワーク・ライフ・バランス」の「ワーク」と「ライフ」に加えて、「ラン」があります。市民ランナーは専門の競技者と違って、もちろん「ラン」は「ライフ」の一部でです。しかし、走ることに多くの時間を割いているランナーにとっては(特にフルマラソンを目指すような場合は)、この3つを独立させて考えた方がいいのではないかと、私は考えます。すなわち、「ワーク・ライフ&ラン・バランス」です。

限られた生活時間の中で走る時間を捻出することは、何かをあきらめるとか、無駄に過ごしている(と思われる)時間を有効に使うかなどの、生活時間の取り方の見直しが必要です。「ワーク」と「ライフ」に支障をきたさないようにうまく調整しないといけません。これらのバランスのとり方は個人によって多様であると同時に、おかれた状況やライフステージによっても異なるでしょう。生活時間とどう向き合うかということでもあります。そして、当然のことながら、自分と家族の健康が前提となります。

仕事と生活のバランスを図ることだけでも難しいところに、走ることを加えるのはもっと難しそうです。生活の一部を犠牲にして走る時間を作り出す、と考えるとそういう難題に突き当たります。荷が重くて、肩が凝りそうですね。

少し視点を変えてみてはどうでしょうか。「ワーク」や「ライフ」に支障をきたさないようにと考えるのではなく、「ワーク」や「ライフ」を充実させるために走る、という方向に発想を転換させることです。すなわち、生活の中にランニングを取り入れることによって、プラス効果をもたらすことです。たとえば、休日にテレビのながら視聴がなくなったとか、ちょっとした移動には車を使わずに歩いたリ自転車を使うようになったとなれば、身体的な面だけでなく、家庭におけるCO2の排出削減という相乗効果も期待できるでしょう。

そう考えれば、生活時間の舵取りもまた楽し、です。
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by hasiru123 | 2008-02-10 14:42 | その他