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大崎選手について

国内の代表的なマラソン大会の新聞記事を切り抜いて保存するようになってから、かれこれ20年になる。ネット社会の今日でも、切り抜いた記事の見やすさは抜群である。また、詳細性においてもネット記事の比ではない。五輪や世界選手権の場合も同様だ。また、できる限り主催新聞社の記事も含めるようにしている。

今日のびわ湖毎日マラソンをテレビで見た。大崎悟史(NTT西日本)が2時間8分36秒で3位に入った。30キロから二人の外人選手には離されてしまったが、日本人トップで、東京マラソン2位の藤原新(JR東日本)の2時間8分40秒をクリアしたことから、有力な北京五輪候補となった。北京五輪の選考では、昨年の大阪世界陸上、福岡国際、東京国際、びわ湖の4大会が対象になっているが、基準を満たした内定者は現れていない。したがって10日の陸連の検討会に諮られることとなる。

大崎はこれまでに何度か大きな大会で入賞してきたベテラン選手だ。大阪世界陸上にも出場して、6位入賞を果たしている。彼の名前を知ったのは、4年前の東京である。早速、当時の切り抜きファイルを出して、調べてみた。04年2月9日の読売新聞スポーツ欄の見出しはこんな具合だ。「大崎3秒差2位」「驚異のサラリーマンランナー」「アテネへ猛アピール」「有力候補に浮上」。

「サラリーマンランナー」とあるのは、陸上部に所属しているものの会社からの支援はほとんどなく、営業マンとしてフルタイムで働き、残業もこなしていたことを指す。月間走行距離は500-600キロだったというから、市民ランナーでもシリアスランナーならこなしている量である。結果的にはアテネ代表にはなれなかったが、その後、「北京まで」という形で会社の支援を受けられるようになった。

同紙の記事にはこう書かれている。「(練習時間がとれないことで)大きかったのは、情熱を取り戻したことだった。仕事中は競技のことを考える余裕がない。それがリフレッシュとなり、陸上が楽しくなった」。市民ランナーには、サラリーマンが多い。集中して練習する姿勢には、学ぶもの
が少なくない。

04年東京以降の大崎は、確実に実績を残している。04年福岡2位、06年びわ湖3位、08年アジア大会3位、そして07年世界陸上6位。「大崩れしない」と評価される理由はここにある。北京代表の座を勝ち取ったあかつきには、今日のような終盤の粘りで、さらに大きな花をさかせてほしい。
by hasiru123 | 2008-03-02 21:26 | 話題