夢のマラソン

しっかり走るための栄養とは何か(8)                 たんぱく質 -その3-

前回、食パンのように必須アミノ酸のリジンなどが少ない食品と、いわしや肉類のようにリジンが多く含まれている食品をいっしょに食べると栄養価が高まることを書きました(これをアミノ酸の補足効果といいます)。パンや米などの穀類と、魚や肉などとの組み合わせはトータル的な栄養バランス(炭水化物、脂肪、たんぱく質など)としてフィットしているだけでなく、たんぱく質だけの栄養価としても望ましいといえます。

そして、ランナーの場合には特に、筋肉の疲労を防いだり、回復させたりするための効果を持つといわれるアミノ酸スコアの高い食品が大切です。アスリートがよく摂るサプリメントには、分岐鎖アミノ酸(ロイシン、イソロイシン、バリン)が多く含まれているのはこのためかと思います。

ビギナーの場合には、トレーニングによる細胞の崩壊が顕著で、その修復のためにたんぱく質の需要が増えます。また、一流ランナーでも、インターバル・トレーニングような強度の高いトレーニングが繰り返される場合には、体重1kg当たり2g以上の良質のたんぱく質の摂取が必要とされています。体重が60kgの大人であれば120g以上のたんぱく質が必要だということです。

そのような背景からか、最近はアミノ酸の時代といわれるほど、アミノ酸ブームです。それでは、たんぱく質の主成分であるアミノ酸はどのように摂取したらよいのでしょうか。

小ブログの「トレーニング効果を考える-その1-」(2005年9月11日)で、「他のアミノ酸が充足率を満たしていたとしても、1つでも低いアミノ酸があれば、必須アミノ酸は低いアミノ酸のレベルまでしか補給されない、すなわち栄養価は、充足率の最低の成分によって決まる」というリービッヒの最小律の考え方を例示しました。アミノ酸なら(あるいは、たんぱく質なら)何でもたくさんとればいいというものではありません。必須であるがゆえにせっかく摂ったアミノ酸が、満タンの樽からこぼれ落ちてしまったのでは何にもなりません。

たんぱく質の代謝には、ビタミンB群が必要です。また、たんぱく質を必要以上に摂ることは、筋肉の合成やホルモン、酵素の働きなどに効果がないどころか、消化吸収の役割を持つ腎臓に負担をかけることにもなります。それでは、分岐鎖アミノ酸を多く含んだサプリメントを積極的に摂ればいいのでしょうか。サプリメントは、食品からアミノ酸を摂るよりも胃に負担がかからないことから、「消化吸収がいい」とされています。しかし、速やかな疲労の回復には有効ですが、行った運動量に対しての必要量を超えると体脂肪として蓄積されやすいというデメリットがあります。過剰な摂取は逆効果です。人それぞれに体力や体質、エネルギー消費量などが異なります。したがって、アミノ酸の適量も人それぞれです。そのスコアを計れるのは、管理栄養士や医師など栄養の専門家です。

ではどうしたらよいのでしょうか。私は、毎食いろいろな食品を摂りつつも摂りすぎない、ということがもっとも大事だと思っています。昼食でそばを食べるなら、単品のもりそばよりは、できるだけ多くの副食を盛り込んだそば定食にする。そんな加減がいいと思います。そして、量はほどほどに。体が求める声を耳を傾けながら、何事も中庸の精神で。サプリメントは、医薬品ではありませんが、医師の指示のもとに利用するのがいいでしょう。
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by hasiru123 | 2008-09-21 22:40 | その他
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