2008年 06月 30日 ( 1 )

8強の一角を

梅雨前線の影響で朝から雨だった。日曜日の練習会へは参加せずに、自宅からのロード(マイコースの一つ)でジョグ。練習会なら21キロのビルドアップ走を行うところだが、この日はゆっくり15キロを走った。

今日は北京五輪の代表選考会を兼ねる日本選手権(6月26日~29日)の最終日。28日と今日は等々力陸上競技場で観戦する予定で計画を組んでいたが、事情があってどちも足を運ぶことができず、録画したDVDでの観戦となった。

連日、昨年の大阪世界陸上での惨敗を打ち消すかのような熱い戦いが繰り広げられた。中でも手に汗を握る接戦を展開したのは、女子1万mだ。

あと1周の鐘が鳴っても3人の集団は崩れなかった。第1コーナーを過ぎたところでスパートしたのは赤羽有紀子(ホクレン)だ。それまで先頭を走っていた福士加代子(ワコール)は遅れ、替わって渋井陽子(三井住友海上)が赤羽を追う展開。最後の直線で渋井が赤羽をかわしてゴール。3人とも31分10秒台の好記録だった。

ねばり

このレースの価値は、デッドヒートによる興味もさることながら、長距離走のお手本ののような展開だったことだ。その一つは、長距離走に欠かせない要素の「ねばり」である。

ゴールが近くなればなるほど、スピードを発揮できるスプリントがものをいう。持てるスプリントが奏功するかどうかは、勝負に対する執着性、すなわち食らいついて離れないしつこさではないだろうか。最後まで競い合った渋井と赤羽はスプリント能力においてはほぼ互角だと思うが、渋井の方が赤羽より優勝への欲が少しだけ勝っていたということではないだろうか。この3人の中では一番スプリント力のある福士は、最後に競うだけのねばりが残っていなかった。

スパート

二つ目は戦術的な意味で「スパート」の重要性だ。前半から渋井が先頭を引っ張る展開を破ったのは福士だった。8000mで一気に加速した。一時は渋井との差が10m近くに開いたが、1周すると二人がまた付いた。

福士のスパートは、二人を振り切ろうとしたように見えたが、様子見だったのかもしれない。中途半端なスパートだった。ロングスパートであれ、ラストスパートであれ、今までの福士とは違っていた。先頭に立った分だけ余分に消耗し、最後の1周の切れ味を鈍くした。

渋井は最後の50mまでためて、一発のスパートで勝負を決めた。好調さに加えて、戦略に長けた戦いぶりだった。

フォーム

そして、三つ目はしなやかな走りである赤羽の安定したきれいなフォーム。印象に残る。今年3月に行われた実業団ハーフマラソンでは、独走で優勝した。そのときの中継をテレビで見ていたが、フォームについて特段の記憶はない。この日のトラックレースの映像は、長身にもかかわらず、骨盤付近の重心がしっかり前へ突き出された姿を映し出していた。

赤羽のスピードの源はここにあると思う。ちなみに、彼女は最終日の5千mでも、小林祐梨子(豊田自動織機)に敗れはしたものの、2位に食い込んでいる。

あと40日もすると、北京五輪だ。彼女たちにはぜひ世界の8強の一角を占めてほしいと、願っている。
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by hasiru123 | 2008-06-30 21:29 | 基礎知識