ブログトップ

夢のマラソン

2017年 03月 02日 ( 1 )

2月26日に行われた東京マラソンの男子は、ウィルソン・キプサング(ケニア)がマラソン国内最高記録の2時間3分58秒で優勝した。そして、井上大仁(MHPS)が2時間8分22秒で日本人トップ、総合8位に入り、世界陸上ロンドン大会の有力な代表候補にに名乗りをあげた。

8人の先頭ランナーが、最初の5キロを14分14秒から16秒で通過した。まれにみるハイペースである。ちなみに、世界的な大会で最初の5キロが最も速かったのは、2009年ロンドンマラソンで走ったサムエル・ワンジル(故人、ケニア)の14分8秒だそうである。ただし、このときのワンジルは終盤に大きく崩れて世界記録にはならなかった。

東京マラソンでは、ケニアの選手たちもペースメーカーの速い入りに引っ張られるかのようにラップを刻んでいた。無理をしている様子は全く見られない。こういうときは、好記録が生まれやすい。テレビ中継のアナウンサーも「2時間を切るハイペース」と絶叫していた。たしかに、速かった。

ただし、驚異的なハイペースだったかというと、そうでもない。というのは、この大会は前半にハイペースで展開することが多いのである。なぜなら、初めの6キロで40メートル近く下るからだ。井上大仁や11位の設楽悠太(Honda)も最初の5キロが14分31秒だったが、これも冒険的ではあるが無謀とはいえないくらいの速さだった。二人は、次の5キロも14分40秒台をキープした。

設楽の走りで私が評価したいのは、15キロまでの5キロをキプサングよりも12秒速い14分32秒に上げたことである。この追い上げで先頭との差を10秒に縮めた。もし、その次の5キロで8人の集団に追いつくことができたとしたら、と期待を膨らませながらテレビに見入った。単独で先頭を追うよりもずっと楽に走れただろうし、後半の減速を抑えることにつながれば日本最高記録もついてくるのではないか、と。

さすがのキプサングらは、15キロ以降の5キロを14分30秒前後に上げ、設楽は少しずつ離れ始めた。設楽の世界トップへの挑戦は、ここで終わった。しかし、20キロまでは先頭の背中が見えるところでレースをしたという経験は大きな意味を持つ。それによって、次は30キロまで、そして35キロまでと、サバイバルレースができる距離を伸ばしていこうという気持ちが生まれてくるからだ。

東京マラソンの直前には、アメリカでトレーニングを積んでいる大迫傑(ナイキ・オレゴンプロジェクト)がボストンマラソンに出場するという記事を目にした。大迫は、昨年の日本選手権で5000mと10000mを制し、リオデジャネイロ五輪に出場したスピードランナーである。

設楽や大迫らの若いマラソンランナーの台頭が待たれる。

[PR]
by hasiru123 | 2017-03-02 20:05 | マラソン