2017年 04月 20日 ( 1 )

読売新聞のコラム「編集手帳」は、ホリプロの社長・堀威夫氏の自伝を引いてこう書いた。<人気の瞬間風速ではなく、「人気×歳月」の総量を追うのが、前途ある若い人を預かる経営者の責任である>(2012年7月12日)

マラソン選手についても同じことが言えるだろう。指導者には「記録」と「歳月」の掛け算で前途ある若い選手を育てる責任がある、と。そう応援したくなるくらいの活躍だった。ボストンマラソンで3位に入った大迫傑(ナイキ・オレゴン・プロジェクト)のことである。

タイムは2時間10分18秒。トラックで著しい成長を遂げてきた選手としては、「驚くほどの好記録ではないな」というのがこの第1報に接したときの正直な感想だった。

しかし、後から伝えられた情報によると、レース当日は20度近くまで温度が上昇していて、2時間3分から4分のベスト記録を持つ東アフリカ勢やリオ五輪のメダリストたちとほぼ互角に闘い上位に食い込んだとのことだった。そして、アップダウンの多い厳しいコースにもかかわらず、35キロから40キロを15分7秒でカバーしたことなどを考えると、相当にタフなレースをこなしたといえるのではないか。

マラソンの成長で大事なのは記録ではない。また、順位でもない。優勝を目指してしのぎを削るレースの中で、ライバルたちと四つに組み、どう挑むことができたかである。数字に表わすことのできないアナログ的な成果といえるだろう。そこから、次の大会に向けてつながるものが得られたとすれば、大きな収穫である。

今回の結果が瞬間風速に終わることなく、さらなる高みに向かう一里塚になることを願う。

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by hasiru123 | 2017-04-20 07:43 | マラソン