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昭和の歌と万葉集

日本老年学会は、現在65歳以上とされている「高齢者」の定義の見直しを進め、年齢を体力的な面などからも75歳以上に引き上げるべきだとする提言をまとめた。提言によると、65歳から74歳までの人たちを新たに「准高齢者」と位置づけるという。長寿社会の一つの到達点だと評価したい。

一方では、若い人たちの年代のシフトというのもあるのではないだろうか。

通勤の車中でいつも聞いている放送に「荒川強啓デイ・キャッチ!」という番組がある。昨年暮れに聞いた、コメンテーターの近藤勝重さん(毎日新聞客員編集委員)のひとことが記憶に残っている。

1975年にヒットした伊勢正三作詞、作曲の「22才の別れ」について、こんなことを言っていた。「22歳といえば、学生と社会人が入り交じる年齢だが、女性にとっては結婚適齢期でもあった。この歌にある感覚は、現在の22歳の女性にはない。30歳くらいにあたるのではないか」と。

近藤さんは、どのあたりの表現を指して今の22歳にはないと言うのだろうか。

古いレコードの歌詞カードを引っ張り出してみると、例えば<わたしには/鏡に映ったあなたの姿が見つけられずに>とあった。また、<あなたは/あなたのままで変わらずにいてください/そのままで>というくだりもある。近藤さんの言葉とシンクロしたのは、これらの詞からだった。

ストレートに言い放つことを抑制し、別離の切なさをいったん飲み込んで言葉にできるのは、結婚適齢期までのいくつかの経験と時間が必要なのではないか。そんな気がする。

私には、以下のような歌詞からも世代の感覚が様変わりしていることが実感できる。

<こんな小春日和の/穏やかな日は/あなたの優しさが/しみてくる>

70年代の名曲で、さだまさし作詞、作曲の「秋桜」だ。明日嫁ぐ娘が母との別れを惜しむ気持ちを歌っている。今の20代の女性からは、そんなフレーズは出てこないだろう。

新幹線や飛行機で簡単に遠隔地と行き来できて、SNSで日常的なやり取りが瞬時にできる時代である。嫁ぐ前の日と後の日は切れ目なくつながっているのだ。

「だが、しかし――」と考える。江戸幕府も、鎌倉幕府も、時の彼方にかすんでしまうくらいの1300年前のこと。万葉集にはこんな歌があった。

<鳴る神の 少し響(とよ)みて さし曇り 雨も降らぬか 君も留めむ>

「雷が少し轟いて空が曇る。雨も降ってくれないだろうか、そうすればあなたがここにとどまってくれるだろうに」という意味である。

柿本人麻呂歌集の中にあるもので、20歳になるかならないかくらいの乙女が恋に思い悩み、そして恋に少しだけ内気な女性の心情を詠んだものだ。今の女子高生、女子大学生たちと何ら変わるところがない。

時が移っても、変わった心模様と変わらない心情とがクロスオーバーしている。だから、人は昭和歌謡を懐かしみつつ、万葉集に共感するのかもしれない。


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by hasiru123 | 2017-01-12 20:45 | その他

謹んで新春のご祝詞を申し上げます


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               林立する蔵王のモンスター(山形県)

  昨年2月中旬に撮影したものです。樹氷・スノーモンスターは、日本ならではの光景といわれますが、特定の地域に限られます。この年は雪が少なく、樹氷も小ぶりでした。


 ニューイヤー駅伝は18年ぶりに旭化成が優勝しました。また、箱根駅伝では青山学院大が3連覇、3冠を達成しました。


 この勢いを追い風にして、坂戸市陸協は埼玉県駅伝に挑みます。

 皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。

 2017年 元旦


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by hasiru123 | 2017-01-05 08:58 | その他

健康を選ぶ

師走に入って、長くおつき合いしていた走友から電話がかかってきた。このごろ、膝がふらつき、走れなくなった。歩くのもままならない。気分にも好不調の波があるようだ。血圧は高めなので薬を服用している。

大好きな酒とたばこはやめた。複数の病院の門をたたいてみたが、特に異常は見当たらなかった。

何かいい改善方法はないか、いい病院はないだろうか、というのである。そんな話が、繰り返され、電話が切れた。

これまで参加していたランニングクラブの忘年会や合宿の懇親会などに出向いて、旧交を温めてみてはどうだろうか。また、定期的に公園で行っている練習会に参加して、走らずにウォーキングで汗を流してはどうか、などと提案してみたが、酒とランニングに慣れ親しんだ走友は、あまり乗り気ではなかった。

また翌日も電話があったので、今度は膝のレントゲンやMRIなどで精密検査を受けてみてはどうかと、私が通院したことのあるスポーツ整形外科を案内した。「そのことには気がつかなかった。とりあえず、行ってみる」といって、話が終わった。

この走友は、娘さんが嫁ぎ、2年前には最愛の配偶者に先立たれた。目下、独り身である。
思い返せば、本当は情報を求めて電話してきたのではなく、話を聞いてほしかっただけなのかもしれない。

一助になるようなメッセージを送ることができなかった。そのことが頭の片隅に残っていたからだろう。今年読んだ中で、とても刺激を受けた本があったことを思い出した。

五木寛之氏が書いた『選ぶ力』である。中でも、「健康を選ぶ」の一章に力がこもっていたように思う。「選びながら迷い、迷いながら選びつつ生きる」私的なモノローグに、目に見えない運命の力を感じたのは私だけではないだろう。

「むやみやたらと歩くことを進める健康法というのは、いまや古いのではあるまいか」という一言にはっとさせられた。「本来、人間の姿勢というものは、やや猫背で、ちょっと膝がゆるんだくらいが自然ではないだろうか」とも、あった。

走れなくなったらウォーキングを、というのは、少し短絡的な物言いだったかな、と反省している。

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by hasiru123 | 2016-12-15 21:47 | その他

地域で元気な高齢者10人

9月11日(金)に厚生労働省が発表した統計によると、住民基本台帳に基づく100歳以上の高齢者の総数は61,568人(前年差+2,748人)いることが分かった。また、100歳以上の高齢者のうち女性は53,728人(全体の約87%)だった。

人口10万人当たりの100歳以上高齢者数では、私が住んでいる埼玉県は、最も少ない47位だった。その理由については言及していないが、埼玉県の人口の増え方の事情に関係がありそうだ。というのは、埼玉県は戦後になって他の地域からの人口流入が増え、移り住んできた人たちの多くがまだ100歳の域に達していないからではないかと私は推測している。したがって、ある時期からその年代に達する人たちが一挙に増えるのではないかと思っている。

ところで、同省のホームページには、各地域で活躍されている100歳以上のご高齢の方々のエピソードが紹介されていた。その一言一言に驚き、はっとさせられることがたくさんあった。その中から10名の一言の一部を紹介させていただく。

□ 60年前からゴルフをはじめ、現在も週に1回ゴルフに通っている(100歳・男)

□ 一番の楽しみは、友人との麻雀(101歳・女)

□ 介護サービスを利用せず、毎日、筋力トレーニングを行うほど元気(100歳・男)

□ 歌詞を見なくても50曲以上の歌が歌える(100歳・男)

□ 夫婦とも100歳で、2人とも杖を使わずに歩けて、会話もできる(100歳・男、女)

□ 今も自転車に乗って買い物をしている(100歳・男)

□ 世界最高齢のスプリンター。100歳超の100m世界記録保持者(29秒83)(104歳・男)

□ 現役の幼稚園の先生として活躍中(100歳・女)

□ 今でもぶどうの袋掛けやかぶの出荷箱の組み立てなど行い、身だしなみに気を遣う大変おしゃれな高齢者(102歳・男)

□ 30年前から高年大学に通い、100歳の女学生としてマスコミから引っ張りだこ(100歳・女)

これらのエピソードを読んで、これから100歳に向かおうとしている方々は、どのようにお感じになっただろうか。今すでにこれらのことができないでいるという方もおられよう。また、もしかして自分にもできるかもしれないとほくそ笑んでいる方もいらっしゃるかもしれない。

今日行われたある団体の世代間交流会で、こんな話をさせていただいた。


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by hasiru123 | 2016-09-26 06:24 | その他

第三の場所

アメリカの社会学者レイ・オールドパークは出会いや語り合い、情報を交換する場所のことを「サードプレイス」と呼んだ。家と職場(学校)の中間点で、公的でもあり私的でもある「第三の場所」の必要性を説いている。

たとえば、サラリーマンにとっての赤ちょうちんや女性の郊外型レストランで食べるランチなどがこれに当たるだろうか。私だったら、月イチくらいで行くやきとり屋かな。

川越市内には豚のかしら肉を食べさせるやきとり屋がある。最近は女性客が増えたためだろうか、サラダをはじめとする各種メニューがそろうようになった。それでも、この店の稼ぎ頭は肉とネギを交互に串刺ししたやきとりだろう。これがとてもおいしくて、生ビールとの相性が抜群にいい。私が「サードプレイス」としているゆえんである。

そうした場所は、高齢になった人にとっても大切にしなければいけないと思って書いたのが、以下の小文である。ある地元の会報に寄せたもので、例によってここに転載する。

 

□ ■ □ ■ □ ■

よく、自治会は高齢者福祉に寄りすぎているのではないかという声を聞く。その当否は別にして、世代間のバランスがとれた課題を設定して活動するためには、会員の年代構成と自治会役員のそれとにギャップが生じないよう配慮することが求められる。そのことを踏まえた上で、ここではあえて高齢者について書かせていただく。

話は変わるが、川越市を拠点に発行している文芸誌「文芸川越」がある。図書館などでご覧になった方もおられよう。いつも、巻末に投稿者の属性を紹介した記事がついている。

10歳刻みの年齢層では、70代が最も多い38.7%で、80代が27.4%、60代が14.6%と続く。若い年代では10代(15-19歳)が9%で、その他の年代は20代から40代まで合せて10%にしかならなかった。

若年層が少ない要因を想像するに、働き盛りの世代は短歌や詩をものする時間的な余裕がないのだろう。しかし、いちばん層が厚い団塊の世代を含む60代で投稿が少ないのも気にかかる。それにしても、70代、80代のエネルギーに脱帽である。そういえば、私の義母は生前俳句を作っては精力的に雑誌や新聞へ投稿していた。

幸いなことに、この町にはいい自治会館がある。ここを拠点として、高齢者のエネルギーをもっと熱いものにできないか、と考えている。


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by hasiru123 | 2016-09-06 20:49 | その他

礼文島を訪ねる

利尻島から北へ船で約1時間行くと、そこは礼文島だ。

日本海に位置する最北の離島である。その東海岸は穏やかな丘陵地が広がり、海へと続く。一方、冬の厳しい季節風を受けやすい西海岸は切り立った岩場が続いている。その山容は、大地溝帯の影響を受けた北アルプスの東斜面の鋭利さとその西側のおだやかな斜面に似ている。

ここも、夏には約300種の高山植物が咲き乱れ、本州の2000メートル以上の山でなければ見られない姿がある。

静かな町である。地元の人に聞くと、島には信号が1台しかないそうだ。そういえば、私が朝走った海岸沿いの道路には信号機を目にすることがなかった。もしかしたら、信号機の青を見落としただけかもしれないが。

早朝のせいか、街を歩いている人も見かけない。聞こえるのは、打ち寄せる波の音とウミドリの鳴き声だけだ。この日も、昨日と同じ80分をかけてゆっくりジョグをした。


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          アザミ
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          エゾニュウ
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          チシマワレモコウ
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          レブンシオガマ
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          ハマナス
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          ハマヒルガオ
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          スカイ岬
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          礼文島からの利尻富士
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          桃台猫台
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by hasiru123 | 2016-08-03 20:42 | その他

利尻島を訪ねる

朝6時。

鴛泊港の宿舎を飛び出すと、港町を山側に向かって走り出した。湿った風が吹きつける。関東地方の木枯らしを思い起こさせる、冷たい風だ。10分ほど市街地を走ると、中学校の近くに運動公園があるのを見つけた。幸い、400メートルのトラックがあった。ここで、ゆっくりジョグをすることにした。

日本海に浮かぶ島、稚内から約20キロ離れたところにある丸形の島は利尻島だ。この島の象徴といえるのが利尻山である。きれいな円錐形の形をしたその山は「利尻富士」と呼ばれ、日本百名山にもなっている。この山は固有の多種多様な高山植物が見られることから、初夏から夏にかけて多くの登山者やハイカーでにぎわう。

今回の旅行では、ランニングはほどほどにして、ひたすら島の自然にレンズを向けることにした。


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          ウミネコ
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          エゾニュウ
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          オオバユリ
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          オニシモジ
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          タチギボウシ
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          ハマナス
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          ヤマグア
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          ヨツバヒヨドリ
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          姫沼
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          富士見野園地
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by hasiru123 | 2016-08-03 20:29 | その他

青葉昌幸さんの受賞記念パーティー

箱根駅伝を主催する関東学生陸上競技連盟(関東学連)の青葉昌幸名誉会長が、昨年10月に日本陸連から2014年度功労章を受賞された。過日、東松山市陸協主催で青葉さんの受賞を祝う会が開かれ、参列させていただいた。
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青葉さんは、埼玉県秩父市出身で、高校から大学にかけて長距離ランナーとして輝かしい成績を収められた。私が強く印象に残っているのは、青葉さんが日大の最終学年で走った箱根駅伝のことだ。当時私は高校1年生だった。ラジオのNHK第2放送から流れる箱根駅伝の中継で、青葉さんが1区を区間3位で走り、2区の宇佐美彰朗さん(4年)にタスキが渡った(第42回大会)。この年の1区はスピードランナーが揃い、3位までが区間新記録だった。大会では、日大が順大を激しく追う展開となったが、順大はエース沢木啓祐さん(4年)を始めとする5名の区間新記録が奏功し、往路、復路とも征した。日大は、2位に入った。

まれにみる強豪がひしめいた年だった。同じ4年には、後にスポーツ科学の研究者となった細川博さん(順大)やランニング学会会長、群馬大教授などを務めた山西哲郎さん(東京教育大)などがいた。また、ダイハツ陸上部監督として女子マラソン選手を育てた鈴木従道さん(日大2年)や日電HE監督として浅井えり子さんなどを育てた佐々木功さん(東洋大1年、故人) 、須田秀夫さん(立大2年、故人※)などの名前も懐かしい。

青葉さんは、大学卒業後埼玉県庁を経て、昭和43年に25歳という若さで大東大陸上競技部監督となり、昭和61年から大東大教授を務められた。監督時代には、全日本大学駅伝で4連覇を含む7回の優勝や箱根駅伝では4回(2連覇を2回)優勝に輝いている。また、その間に大久保初男さん(元仙台大助教授)や只隈伸也さん(大東大准教授)、奈良修さん(大東大陸上部監督)、実井謙二郎さん(城西大城西高長距離コーチ)などの名選手を育てられた。
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日大の選手、大東大の監督、そして、関東学連の会長として箱根駅伝に直接、関わった時間は長い(2016年4月13日スポーツ報知)。そして、9年間務めた関東学連の任期を今年3月で退任された。前掲紙によると、「会長最後の大仕事として2月25日、来年の第93回大会から4区を18・5キロから20・9キロに、5区を23・2キロから20・8キロに、それぞれ2・4キロの延長、短縮を代表委員総会で決議した」とある。現在は、埼玉陸協会長として活躍されている。

今後ともご健康で、さらなるご活躍を祈念申し上げたい。


※ 私の高校陸上部の大先輩で、このとき2区を区間5位で走っている。

(写真上)あいさつする青葉さん
(写真下)締め
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by hasiru123 | 2016-07-30 15:40 | その他

陸上ファンの熱気につつまれた日本選手権

陸上の日本選手権は、いつになく見ごたえのあるものだった。リオデジャネイロ五輪の代表選考会を兼ねていることに加え、記録的な期待が大きかったように思う。

(公財)名古屋市教育スポーツ協会によると、男子100mが行われた6月25日(土)は、雨の中を会場のパロマ瑞穂スタジアムに26,800人の観客数を集めたそうだ。サッカーや最近人気上昇中のラグビーではこの数字は珍しいことではないが、陸上競技ではそう見られる数ではない。

さて、男女の中長距離。短距離陣に負けじと、手に汗を握る熱戦を繰り広げた。男子10000mは大迫傑(ナイキ・オレゴンプロジェクト)が素晴らしいロングスパートで五輪内定を射止めた。これまでの日本選手権では、終盤にトップを奪いながらも最後の直線のスパードで競り負けるケースが続いていた。しかし、今年は違っていた。設楽悠太(Honda)と村山紘太(旭化成)と競り合いながら、残り600mで仕掛け、その後もスピードを緩めることなく、ゴールイン。思い切りのよさが勝敗を決したといえよう。

大迫は、最終日の男子5000mでも500m手前でスパートして、優勝をもぎ取った。米国での練習効果が実を結び、切れ味の鋭いロングスパートをものにした。五輪の予選では、決勝進出に向けた順位争いが熾烈になると思われるが、この力は必ずや生かせるものと思う。あとは、ペースの変化にいかに対応できるかだ。決勝が楽しみである。

女子10000mは、予想どおり鈴木亜由子(日本郵政グループ)が優勝した。同僚の関根花観との競り合いとなったが、残り約1000mでスパートし、最後までスピードを緩めなかった。今年2度目の派遣設定記録をクリアしたのは立派である。関根も自己記録を大きく更新した。五輪本番では、二人のチームワークで同時入賞につなげてほしい。

女子5000mでは、ラストに強い尾西美咲(積水化学)が、鈴木の2冠を阻んだ。この種目は、五輪ではなかなか東アフリカ勢の中に割って入るのが難しいが、ぜひとも複数の選手に決勝に残ってもらいたい。

また、最近は五輪や世界選手権に出場がかなわなかった女子3000mSCでは、高見沢安珠(松山大)が本大会で参加標準記録を出して優勝した。森智香子(積水化学)と競り合っていた高見沢は約600m手前の障害をひっかけて転倒したが、最後の直線で巻き返し、わずか0.78秒参加標準記録を上回って、代表内定にこぎつけた。印象的なシーンであった。


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by hasiru123 | 2016-06-27 23:16 | その他

第100回日本選手権の行方

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6月24日(金)から26日(日)にかけて陸上競技の日本選手権が開催される。今年は第100回という節目を迎えることに加えて、リオ五輪の代表選考会の一番重要な大会を兼ねている。今回は、男子100mを始めとして、同200m、同棒高跳、同やり投など期待される種目が目白押しである。
 
まずは、日本選手権で代表決定に至る条件を押さえておきたい。この大会で即内定となるのは次の2つのケースである。派遣設定記録突破+日本選手権8位以内(最上位)と参加標準記録突破+日本選手権優勝だ。それ以外だと、日本選手権後に選考会議で審議されるが、これも優先順位等について要項に細かく規定されている。また、7月11日までは日本選手権以降の大会の結果を考慮して追加の決定ができるようになっている(日本陸連「トラック&フィールド種目代表選手考要項」による)。どのような基準を満たせば日本選手権のレース後に「即内定」となるかを理解しておくと、観戦の興味がいっそう増すと思う。

このことからして、派遣設定記録突破者は日本選手権を戦う上で圧倒的に優位な立場にあることは間違いない。派遣設定記録突破者と参加標準記録突破者、いずれにも未達の者とで、戦い方が異なる。この辺の駆け引きも見どころだ。

さて、長距離種目はどうだろうか。男女の10000mは1日目に行われる。男子の参加標準記録突破者は10人以上、女子は20人以上いる。男子は、村山紘太(旭化成)と鎧坂哲哉(同)の派遣設定記録突破者を中心にレースが展開されるだろう。高温多湿が予想されるこの時期は、好記録をねらった意欲的な展開にはなりにくい。最後まで駆け引きが続くため、10000mの走力よりも最後のスプリント力がモノを言う意外な結果になる可能性もある。

その意味では、必ずしも優勝に固執する必要のない派遣設定記録突破選手は有利である。

女子はどうだろうか。鈴木亜由子(日本郵政グループ)だけが派遣設定記録を突破していて、最近のレースぶりからも抜きんでた存在となっている。鈴木に続く選手としては、今年になって好記録を出した上原美幸(第一生命)と関根花観(日本郵政グループ)、そしてマラソンの最終選考会だ1秒差で涙をのんだ小原怜(天満屋)あたりに期待したい。特に小原は、マラソンの疲労がどの程度回復しているかがカギとなりそうだ。女子も、終盤のスピードが勝敗の行方を左右しそうで、だれが上位に入ってもおかしくない。

男女5000mの方は、10000mの結果を見てからでないと見当がつかない。いずれも派遣設定記録突破者はなく、参加標準記録突破者も少ない。記録をねらって意欲的なレースを進める選手がいると面白くなりそうだ。

(写真)庭に咲いたユリ


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by hasiru123 | 2016-06-19 23:15 | その他