カテゴリ:その他( 180 )

 

台湾を行く - 太魯閣 -

司馬遼太郎の『街道を行く』シリーズの「台湾紀行」は花蓮(かれん)のまちで終わるが、私の旅は花蓮から始まった。

台北から特急列車で2時間半ほど南東方面を行くと花蓮に着く。台湾に入ってはじめて泊まったのがこのまちだった。今年の正月のことである。

花蓮は台湾東北部で最大の都市である。先住民族のアミ族の集落があることで知られている。台湾人の名に「阿」の字で始まることが多いと聞いたが、「アミ(阿美)」と関係があるのかもしれない。アミ族の踊りを楽しむことができる阿美文化村という観光スポットもあることだし――。

翌日は太魯閣(たろこ)へ向かった。侵食によってできた大理石の奇岩怪石が約20キロメートルにわって続く。高さ千メートル以上にも切り立った大渓谷だ。かつては山岳地域に住むいくつかの部族に分かれて狩猟生活を行っていたと伝えられる。
c0051032_2332484.jpg

伊藤潔『台湾』(中公新書)によれば、「ポルトガル人が「発見」した16世紀半ばの台湾には、わずかの漢族系の移住民のほかに、先住民(今日の台湾では高山族という)と総称される、マレー・ポリネシア系の人々が先住していた」とある。この国は、ついに先住民による統一した政権はできずに今日に至っている。

太魯閣の入り口で記念写真を撮ったあと、東西横貫公路の長春トンネルを抜けると、絶壁を背に建てられた中国風の祠が見えた。長春祠だ。公路の建設工事中に亡くなった二百余名の人たちの霊を慰めようと、1958年に建てられたものだ。ただし、現在の長春祠は2度のわたる落石のため97年に再建された。
c0051032_2333228.jpg

それにしても太魯閣の風景は美しい。 川に架けられた吊り橋や絶景を臨むハイキングトレイル、山腹に建つ寺院。断崖をわずかに削っただけの山道を上るためだけに、もう一度来ようと思った。
c0051032_23335081.jpg


(写真上)太魯閣入口
(写真中)長春祠
(写真下)太魯閣の渓谷 
[PR]

by hasiru123 | 2015-03-15 23:36 | その他  

賢い消費者

くらしの豆知識〈2015年版〉特集 消費者トラブルSOS

国民生活センター


国民生活センターが毎年発行していて、2015年版は43冊目となる。くらしに役立つ幅広い分野の知識・情報をわかりやすくまとめたハンドブックだ。

今年は、「消費者トラブルSOS」を特集としている。消費生活トラブルに遭ったときや遭わないための対処方法など、すべて最新の情報で新たに書き下ろされている。

イラストや図表などを交えて理解しやすく工夫されていて、知りたい項目がすぐ見つかるように分野別に構成されているのがありがたい。

目次は、以下のとおりである。

 ●特集 消費者トラブルSOS
 ●契約トラブル注意報
 ●くらしの事故注意報
 ●よくわかる契約
 ●いきいきセカンドライフ
 ●災害に備える
 ●くらしのマネー情報
 ●社会保障と保険・年金
 ●住まいの知識
 ●あんしんネット案内
 ●健やかなくらし
 ●こんな場合は、どうすれば? その他

特集では、「子供の消費者トラブル」(オンラインゲームで高額請求、アダルトサイトからの請求他)や「ねらわれる20歳過ぎ」(繁華街でのキャッチセールス、見知らぬ異性からの誘い他)、「高齢者がねらわれている」(健康食品送りつけ商法、買え買え詐欺他)などが組まれている。

最近は、東京五輪開催に関連した利殖商法のように日々起こるニュースに合わせて次々と新たなだましの手口が作り出されている。消費者がこれらの手口にだまされないためには、新しい消費者被害に深い関心を持ち続けることが「賢い消費者」への近道だ。
[PR]

by hasiru123 | 2015-03-08 23:46 | その他  

ESなくしてCSなし

NACS埼玉分科会の定例活動で、埼玉県川越市にあるK病院を訪問した。消化器を専門に医療活動を行い、消費者志向優良企業表彰(1998年、経済産業省)や日本経営品質賞(2011年、経営品質協議会)など数々の表彰を受けている。

小会の会員でこの病院に勤務するOさんの協力を仰ぎ、企業訪問の一環として実施したものである。

この病院では常日ごろ顧客(患者)を「患者様」と呼んでいる。掲示されていた「患者様権利憲章」には「かけがえのない生命と健康を守る」ために、7項目の理念をうたっている。また、見せていただいた「経営品質報告書」によると、患者のCS(顧客満足)と従業員のES(従業員満足)が病院の全国平均よりもかなり高いことが分かる。

Oさんは「ESを基点にしてから病院の風土が変わった。たとえば、医師は周りの変化に気づき、患者の方向を向いて行動するようになった」と話す。

これらの結果を表す指標に、病院が実施している患者満足度調査がある。20年来継続して行い、経年変化をとらえている。「調査項目はほとんど変えずに、数字よりも質を追うように努めている」という。この種の調査はややもすると、回を重ねるごとに調査項目を追加したり変更したりして、結果として時系列の変化をとらえられなくなるという失敗に陥りがちである。「調査項目を変えない」というベンチマーク調査の基本に徹している姿勢は重要だ。

CSあるいはESの向上については、いま要介護者の増加と介護職員の慢性的な不足に悩む介護事業の取り組みにも示唆を与えるのではないか。Oさんに伺ってみたら、昨年の日本経営品質賞は鳥取県の社会福祉法人が受賞するなど介護産業にも新しい動きが出ているとのことだ。「ESなくしてCSなし」というK病院の経営哲学が、様々なサービスを提供する企業や機関に浸透することを期待したい。

私ごとであるが、この病院とは胃の内視鏡検査で30年来のおつきあいである。内視鏡は日々進歩し、小型化して食道を通りやすくなってきたが、いつになっても好きになれない。食堂や胃に光を投射するなどして、もっと物理的に簡便な投影方法が開発されないだろうかと思っている。
[PR]

by hasiru123 | 2015-03-02 06:48 | その他  

ポスト東京五輪

東京オリンピック・パラリンピック(以下、東京五輪、五輪と表記)の開催については、招致決定にいたる過程に問題があり、さらにその後の行方についても大きな懸念が残っている。また、陸上競技にかかわる者の一人として、国立競技場の建て替え問題についても心配な点が多くある。

問題ずくめの東京五輪だが、大づかみに言えば以下の3点に懸念の内容を整理することができよう。

1 地方で急速に人口減少が進行する一方で、東京へのヒト、モノ、カネの一極集中が止まらない。東京五輪は、一極集中を加速させる役割を担うのではないか

2 50年前の東京五輪後に深刻な経済不況に見舞われた。当時は高度成長の途上であったため、結果として不況を吸収し、さらに成長に転換するエネルギーがあった。しかし、人口減少が進行する五年後は、不況を最小限に抑える手立てはあるのか

3 首都圏で進行する様々な開発に、五輪後を見据えた持続可能性を実現する仕組みがあるか

開催が決まった現在、これらの課題については市民として前向きに、広く議論し向き合っていく必要があると思う。

私の住む埼玉県では、射撃とサッカー、ゴルフが開催される予定になっているため、この問題に無関心ではいられない。ゴルフが行われる川越市では、早くもオリンピック大会準備室が開設された。開発の行方を見守るだけでなく、私たちの周りに作られるハードやソフトについてよく観察し、納得のいかない点があれば声を上げていくことが重要だと考える。ここでは、「3」について考えてみたい。

東京五輪の開発に際して参考になるのは、先に開催されたロンドン五輪だろう。建設から運営、閉会後のすべてに「持続可能性」を優先しているからだ。

2012年に持続可能なイベントのためのマネジメントシステム(国際規格ISO20121)が発行された。この規格のベースとなったのは、BS8901という英国生まれのの環境・社会・経済のバランスの取れた大会を運営するために開発された品質規格である。モノを作ることよりも、レガシー(イベントの後に残される結果)を意識した発想だ。

気候変動や廃棄物、生物多様性などのサステナビリティのための5つの基本テーマを挙げ、このテーマが環境だけでなく、雇用の創出のような経済的側面やライフスタイルの奨励といった社会的側面にもフォーカスしていることが特徴だ。

東京五輪招致委員会が招致活動にあたってIOC(国際オリンピック委員会)に提出した立候補ファイルには、この規格の適用が明記されている。JOC(日本オリンピック委員会)を始め、関連する企業や団体がISO20121を遵守する取り組みが求められ、実行できないときはこの事業から退場するしかない。

五輪に関与する組織がこの規格を利用して持続可能性を向上しようとする場合、規格に従って持続可能なマネジメントシステムを構築し、文書化し、維持しなければならない。証拠に基づいたアプローチが求められるのはこの仕組みの強みである。

私が勤めていた会社では、1SO9001という品質システムを導入していたが、使っていて思わぬ勘違いに陥りやすいことに気がついた。システムを取り入れて製品の質を上げ、顧客満足を高めることが本来の目的であったものが、いつのまにかシステムを維持すること自体が目的となってしまう落とし穴である。五輪が規格維持に名を借りて、目的を見失ってはならない。

ISO20121の積極的活用は、一部の大手企業やシンクタンクにとどまらず、中小企業や市民団体が競争優位を獲得する絶好の機会と考える。持続可能な東京五輪をマネジメントすることは、相当の難問である。五輪終了後の残存物が後の世代の足かせにならないよう、手を尽くしたいものだ。
[PR]

by hasiru123 | 2015-02-23 19:54 | その他  

気分だけは「ケセラセラ」

明けましておめでとうございます。

大晦日は近くの神社のお焚き上げを手伝わせていただいたが、年が明けるかどうかというところで突然の強風に見舞われた。そのため、年明け早々に火消しに回るという想定外の出来事はあったが、私の住む地域の年末年始はおおむね穏やかな天候だった。皆様のお正月はいかがだったでしょうか。

私の方は年末年始の黄金週間も終わって、普通の生活に戻った。今年は少し遠出をしたので、ニューイヤー駅伝の熾烈なトップ争いも箱根駅伝の青学大のぶっちぎりの初優勝も見ることができなかった。それらのことは稿を改めることにしたい。

ところで、記憶に残っている歌が、何かのはずみでよみがえってくる、ということがことがよくある。

昨年観た映画で「アナと雪の女王」というのがあった。その映画の主題歌が「Let It Go」(ありのままで)。とても印象に残っているフレーズで、私は好きだ。私たちは、どうしても「がんばろう」とか「いいところを見てほしい」とか思って背伸びをするが、時として疲れることがある。そう思いませんか。そんなときは、「Let It Go」。

この歌を聴いて、子供のころに街を流れていた「ケセラセラ」を思い出した。「なるようになる、先のことなど解らない」というような意味だ。雪村いずみが日本語で歌っていたのをよく覚えている(古いね!)。

人口減少が始まり、先行きがよく見えない時代。1月8日の新聞各紙には、厚生労働省の推計で認知症の人の数が10年後の2025年に最大で約730万人に上ると報じられていた。12年時点で約460万人で、65歳以上の7人が1人にあたるが、25年には5人に1人に増加するともあった。

今読んでいる本は、増田寛也編著の『地方消滅-東京一極集中が招く人口急減』(中公新書)。地方が消滅し、三大都市圏、特に東京圏のみが生き残る「極点社会」に持続可能性はあるのか、と問うている。巻末につけられた「全国市町村別の将来推計人口」を見て驚いた。都道府県別に、若年女性(20~39歳)人口の減少率(2010年~2040年)が高い順に並べられていて、5割を超える(推計)896自治体が「消滅可能性都市」としている。さらに、2040年に人口1万人未満(推計)の532自治体については「消滅可能性が高い」として網掛けがほどこされている。私の住む県は東京圏に属するが、およそ3分の1の市町村が「消滅可能性都市」で、9町村が「消滅可能性が高い」になっている。

地方消滅 - 東京一極集中が招く人口急減 (中公新書)

増田 寛也 / 中央公論新社


「人口減少」という近い将来の危機にどう向き合うか。私たちに残されている時間は少ない。だからといって、悲観論に陥ることは弊害をたくさん生むばかりで、良いことは一つもない。限られた地域の中ではあるが、多くの人たちと知恵を出し合い、行動に移す一年にしたい。

気分だけは、「ケセラセラ」で行こうと思っている。
[PR]

by hasiru123 | 2015-01-11 20:31 | その他  

スカウト力と育成力

箱根駅伝でこの6年間に4回の優勝を果たした東洋大学は、高校長距離界のトップクラスではなく素質を重視した選手獲得で奏功した。将来性のある選手を獲得するスカウト力とその後の選手の育成力はつとに有名である。今年は1万メートルで28分台の選手が6名エントリーしていると聞く。連覇に期待がかかるところだ。

ところで、プロ野球にも東洋大と同様にスカウト力と育成力に定評のあるチームがある。広島東洋カープだ。ともに「東洋」がつくのは単なる偶然だ。12球団の中で最も平均年俸が低いチームでありながら、2年連続で3位を確保したことからもその力は確かなものがある。

その広島に「年俸15億円減で黒田が電撃復帰 広島オーナー「驚き」」という見出しが今朝の新聞に載っていた。大リーグのヤンキースからフリーエージェントとなった黒田博樹投手が、8季ぶりに広島に復帰することが27日に決まったというのである。

黒田はもともと広島が好きで、球団も背番号「15」を空けてラブコールを送っていたくらい黒田にぞっこん惚れているという関係である。黒田がもしかして広島に戻るのではないかということは、うすうす感じていた。それは、この秋の「週刊現代」に「最後は広島カープで」という黒田の気持ちを伝えるルポを目にしたからである。そこには、「カープはFAで選手が出て行くばかりで、帰ってきてくれる選手なんていない。それだけに、黒田が帰ってきてくれたら涙が出るくらい嬉しい」という松田オーナーのメッセージが紹介されていた。年俸ではなく心で動く男。彼ならきっと、カープに帰ってきてくれるだろう。これを読んで、そう確信した。

出身の上宮高校(大阪府)ではエース投手ではなかったようだし、進学先の専修大学はそのころ東都大学リーグの2部だった。そんな中で黒田の才能に目をつけたスカウトの眼力も大したものだが、入団後しばらく結果が出なかったにもかかわらずじっくり育てた広島の首脳陣も偉かった。こんな懐の広い球団もそうないだろう。前週書いたブログに続けて、黒田と広島カープに「あっぱれ!」と言いたい。

来季は、前田との二枚看板でファンを沸かせてほしい。できれば、優勝も--。
[PR]

by hasiru123 | 2014-12-28 19:34 | その他  

学び直そう 三芳野神社の今昔

c0051032_20325963.jpg

「遊歴雑記」という江戸時代後期の地誌がある。江戸市中、近郊のほか常陸、下総、安房、武蔵、相模、伊豆、駿河、遠江、三河、尾張といった地域を実地踏査したいわばルポルタージュである。この中に川越市の三芳野神社についての記述があることを埼玉大学名誉教授の山野清二郎氏による講演会から教わった。

江戸から何日もかけて参詣にやってきた著者の隠居の僧十方庵大浄敬順は、こう書いている。

「僅かに宮居幅弐間奥行三間余見えたれども 朱塗のいろあざやかに扉を初め惣体の彫りもの美麗にして 金具又今と異也 厚さおのおの三四分づつもあらんかし 内陣の壮厳又きらびやかに 時既に辰の半刻にも及ばん」

来年度から塗装改修工事が行われようとしているその社殿について、江戸時代の様子を伝える記述がここにあった。

また、講演の中では三芳野神社へ奉納した「河越千句」(第壱朝何賦物)という連歌にも触れ、その発句に「梅園に草木をなせる匂いかな」(心敬)というのがあったという。江戸時代の三芳野神社には、「梅園」と呼べるほどの梅ノ木が植林されていたことをうかがわせる記録といえるだろう。実は、社殿の南側にある大木(楠2本と白樫1本)が建物の保護のため伐採されることが決まっている。一部の緑が消失することは残念だが、これを機に社殿に影響を及ぼさない範囲で境内とその周辺に梅の木を植えていってはどうだろうか。天神様には梅がふさわしいように思う。

ところで、この講演会は「学び直そう三芳野神社の今昔」と題して、三芳野神社の氏子総代と地元の3つの自治会が共催したものだ。長く自治会活動に携わっているある役員によると、3つの町は氏子総代として常に活動を共にしてきたが、これらの自治会が協同で事に当たることはなかったという。画期的なことだと思う。


(写真)講演する山野清二郎氏(川越市立博物館で)
[PR]

by hasiru123 | 2014-11-09 20:34 | その他  

健康寿命

最近、「健康寿命」が話題になることが多い。寿命を伸ばすだけでなく、いかににして健康に生活できる期間を伸ばすか、ということに関心が高まっているからだろう。2000年にWHO(世界保健機関)が健康寿命を提唱したことに端を発したと言われる。

平均寿命は人がなくなるまでの期間をいうが、健康寿命は「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定義されている(厚生労働省)。また、平均寿命と健康寿命との差は、日常生活に制限のある「健康ではない期間」を意味する。同省の調査によると、2010年においてこの差が男性9.13年、女性12.68年だった。

今後、平均寿命が延びるにつれてこの差が拡大すれば、健康上の問題だけではなく、医療費や介護費の増加による家計へのさらなる影響も心配だ。反対に、平均寿命の延びよりも健康寿命の延びがが上回るようになれば、医療費や介護費を低く抑えられて、生活の質を高めることが可能となる。

どうしたら健康寿命を延ばすことができるか、に大きな関心が寄せられる所以である。同省のデータを見ると、健康寿命にはかなりの地域格差があることも分かった。最長と最短の差は、男性で2.79年、女性が2.95年となっていて、最も長いのが男性で愛知県、女性が静岡県、もっとも短いのが男性が青森県で、女性が滋賀県となっている。ちなみに、埼玉県は男性が19位で、女性が38位だった。地域格差の要因はよく分かっていないらしい。

私の母は96歳で泉下の客となったが、日常生活に制限のある「健康ではない期間」は女性の平均よりもかなり短かった。よく食べ、よく睡眠をとっていたことは確かだが、特に健康によいことをやっていたとは思えない。家に長いこと一人でいると落ち込むこともあったが、外へ出て人と会ったり話をしたりした時は快活だった。心の持ち方と健康とは大いに関係がありそうだ。

日野原重明さんや三浦敬三さんのようなスーパー老人を引き合いに出すまでもなく、「男性9.13年、女性12.68年」という差を少しでも縮めることは不可能ではないような気がする。あくまでも私見だが、健康寿命を長くするためには食事のバランスや適度な運動を行うなど健康管理面に気をつけることに加えて、楽しいことを考えたり、楽しいことをしたり、そしてそういうことを続けることが大切なのではないか。

もっともこれは理想であって、本当は苦痛で泣きたいことや健康への不安、対人関係の悩みなど笑えないことばかりが人生かもしれないが、「つとめて」楽しいことを考える自覚は持ち続けたいものだ。母の三回忌に、ふとそんなことを考えた。
[PR]

by hasiru123 | 2014-11-01 22:49 | その他  

川越祭り2014

小江戸・川越の恒例の秋の祭りである「川越まつり」が昨日(10月18日)から、川越市内で始まった。

この川越祭りは慶安元年(1649)に当時の川越城主の松平信綱が氷川神社へ神輿や獅子頭を寄進し、祭礼を奨励したのが起源といわれている※。現在では、江戸の天下祭りを引き継いだ祭りとされ、市を挙げてのビッグイベントとして定着している。
c0051032_2074796.jpg

川越祭りの二重鉾台型の山車(だし)による行列はじつに華麗で、勇壮である。高さが8メートルにも及ぶ豪華な山車がずらりと並ぶ「山車ぞろい」や山車同士が祭りばやしを奏でる「曳(ひ)っかわせ」などがあり、多くの観光客を呼ぶようになった。

ところで、現在の川越祭りは江戸時代の氷川祭礼とはかなり様子が違っているようである。江戸時代の山車は、四角形の箱を台にして4人で担ぐ程度の大きさで、箱に竿を立てて上には大黒の人形が取り付けられていた。その後ろに盆栽を載せた花駕籠と飾り立てた母衣(ほう)武者が続く。きわめてシンブルな姿である。
c0051032_2084495.jpg

このことを伝える絵図はニューヨークにあった。ニューヨーク・パブリック・ライブラリーに保存されていたのである。このことを教えていただいたのは、平成9年に川越市立博物館で開催された「川越氷川祭礼の展開」という企画展の折に講演をされた東京大学史料編纂所所長(当時)の黒田日出男先生からであった。

川越氷川祭礼についてこれまでに知られていた絵図で最も古いものは氷川神社蔵「文政9年(1826)氷川祭礼絵巻」だった。なぜニューヨークにあったのか。絵巻の構成と内容はどんなものか。そして、絵巻はいつ描かれたものか。謎の解明に興味は尽きない。歴史的にも、氷川祭礼の成立期を考える上では貴重な史料である。当時同博物館の学芸員だった田中敦子氏の「新発見の氷川祭礼絵巻」(「博物館だより」20号)と「川越氷川祭礼の展開」(同23号)、企画展の図録等で詳しく解説されている。川越祭りが開かれているこの時期に、ぜひあたってみることをお勧めしたい。
c0051032_2091087.jpg


※ 「榎本弥左衛門覚書」の「万之覚」で知ることができる。

(写真上)幸町の山車
(写真中)六軒町の山車
(写真下)元町一丁目の山車
[PR]

by hasiru123 | 2014-10-19 20:14 | その他  

ビール工場見学

ビールを注がれたときに、ついグラスを傾けてしまう。注いだ勢いで泡が立ちすぎないために、思わずそうしてしまう。その方がよりたくさんのビール(黄金色の部分)が入るからということもあるかもしれない。この注ぎ方(注がれ方)は、正しいだろうか。

結論から言うと、「ビールと泡が7対3」が理想だそうである。そのためには、始めにグラスをまっすぐに立て、グラスの底の中央部に向けて徐々にビールを高い位置に上げながら注いで、きめ細かい泡をつくる。グラスの半分くらいまで泡をつくり、上のほうの大きな泡が落ち着いたら、2回目はグラスを45度くらいに傾けて、グラスの側面を伝わらせて注ぐ。泡をグラスの縁から約1.5センチ盛り上げたら完成。
c0051032_20495248.jpg

なお、使用するグラスはよく洗い、自然乾燥させたものを、とのことだった。

先ごろ、ある消費者団体の定例会で都内のビール工場を見学した際に教わったものである。難しい顔をつき合わせた会議から抜け出して、「たまには街に出て、ものつくりの現場を見よう」という試みである。
c0051032_20501817.jpg

飲んでみると、たしかにうまい。細かい泡がほどよく口のまわりに触れ、ソフトクリームのような滑らかさだった。さすがはプロフェッショナルに注いでいただいたビールだけのことはある。
c0051032_20513493.jpg

試飲の前に、このビール工場で稼働中の製造現場を見せていただいた。製麦から、仕込、発酵、貯酒、ろ過、缶・樽詰の6つの工程である。
c0051032_20515123.jpg

ビールに仕込まれる水はすべて天然水で、水はビールの90%を占めると伺った。自然の地層によってろ過されたきれいな深層地下水。日本は自然に恵まれた森林の国だ。とはいっても、深層水には限りがあろう。いつまで、いい水でビールを作り続けることができるのだろうかと、何世代か先のことを遠目で眺めてみる。
[PR]

by hasiru123 | 2014-08-26 21:20 | その他