カテゴリ:マラソン( 91 )

猛暑と冬のマラソン

昨年の夏は全国的に高温となり、気象庁が1946年の統計開始以来、最も高い記録を更新した。太平洋高気圧の勢力が日本の南海上から西日本にかけて強く、また北日本まで暖かい空気が流れ込んだためだ。特に西日本では、平均気温の平年差が+1.2℃で、江川崎(高知県四万十市)では日最高気温が歴代全国1位となる41.0℃を記録し、アメダスも含めた125地点で日最高気温の高い記録を更新した(気象庁の「平成25年報道発表資料」による)。

私の住む川越市でも、連日の35度超えの熱い記憶は鮮烈だった。だから日中のランニングは控えて、早朝の練習だけで秋のマラソンへの走り込みを続けた。

「きっと、今シーズンのマラソンの記録は例年よりも落ちるのではないか--」

そんな懸念が脳裏をよぎったのだが、実際には故障でスタートラインに立つことができなかったので、その心配は不要だった。それはさておき、私は日ごろから「猛暑が与えるのマラソンランナーへの記録的な影響はあるのではないか」と思っていた。

先ごろ、雑誌「ランナーズ」は全日本マラソンランキングを発表した。これは、大会別、都道府県別等でシーズン毎の国内フルマラソン完走者の動向を1歳刻みでランキングにしたものだ。これによると、13年度の男性の平均タイムは4時間37分32秒で、前年度に比べて2分1秒遅くなった。一方、比較的涼しかった12年度は2分57秒速くなっている。

気象庁の説明ように統計的な裏づけがあるわけではないが、夏の暑さと冬のマラソンの記録との間には何らかの相関関係がありそうだ。その理由は、暑さのために走り込みが不足すると、マラソンに大切な持久力を養成が手薄になり、しいては秋以降の走力の向上に支障をきたすからだ。そのことを、このデータは示しているような気がする。

ところで、女性の場合には13年度の平均タイムは前年度とさほど変わらない。これも持久力に関係があるのか、ないのか。これについては、もう少し長い時系列で追ってみないと何ともいえない。
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by hasiru123 | 2014-06-07 20:57 | マラソン

計画を立てる

「パブリッシュ・オア・ペリッシュ」と言う言葉がある。「論文を発表するか、消え去るか」という意味だそうである。SATAP細胞の論文騒動に触れて、海原純子さんが毎日新聞のコラムに書いていた。

研究者は論文を次々と発表していかないと評価されず、予算はカットされる。論文を世に問わない研究者は、業績を上げられないことと同義で、消え去るしかない、ということだ。研究者ならずとも、仕事に携わる者には覚えがあるだろう。よく言われる、成果主義である。

この「パブリッシュ・オア・ペリッシュ」と言う言葉。専門の競技者ではない私にも、チクリと刺激を感じる言葉である。それは、こういうことだ。

私が末席をけがしているランニングクラブのホームページに会員が近況を書き込む掲示板がある。マラソンシーズンが幕を閉じる季節になると、大会参加の記事や記録でにぎやかになる。ところが、私にはこの1年間のレースに出場できなかったため、掲示板を飾る記録がなかった。「消え去るか」とは考えないが、ちょっぴり由々しき事態である。

妙薬は一つ。成果は上げられなくても、できるだけ多くの大会に参加して、ランナーとしての存在感を示さなければ・・・。そんなプレッシャーを気持ちよく受け止めたい。

故障続きのふがいない1年だったが、最近行われたクラブや陸協の総会で恒例の計画が披露されたことに背中を押されて、自分の計画を立ててみた。今年は、夏に調子がいいことを生かして、夏のレースに挑んでみたいと思っている。比較的涼しい環境で走れる林間のマラソンはないだろうか。あるいは、陸協登録者部門がある8月の北海道マラソンはどうだろうか、と。

まだ早いかもしれないが、北海道マラソンの要項を確認しようと主催者のサイトをのぞいてみた。ところが・・・。4月7日に募集を開始し、その日のうちに定員に達し、エントリーは締め切られたことが分かった。この大会に限ったことではないが、マラソン希望者数と大会の受け入れ能力とにミスマッチが生じているようだ。

出鼻をくじかれたが、気にしないことだ。まずは、計画作りを楽しみたい。


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(写真)川越市伊佐沼で。沼の周辺には、1周約2.2キロのランニングができるコースがある。
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by hasiru123 | 2014-04-15 22:07 | マラソン

何に励まされて走るのか

埼玉県にマラソン連続52日間完走のギネス世界記録(当時)を作った男性がいる、という新聞の記事に触れたのは、昨年11月だった。「事業に失敗して莫大な借金を抱え、死も考えて男性が「走ること」で立ち直り、そして大記録を打ち立てた」と。

この男性は、昨年古希(70歳)を迎えた方だ。「できそうにないこともやってみればできる」との談話が紹介されていた。その志の高さに頭が下がる思いだ。この挑戦を決意させたものは何か。何に励まされたのか。

やってみようというきっかけは、イタリア人の男性が持つ51日間連続でフルマラソンを完走した内容の新聞記事を目にしたことだったという。「この状態から脱出するために走るしかない」。フルマラソンを完走したいという希望と、続けて走るという記録に支えられながら、あることを発見したのではないだろうか。その発見とは、「苦しいことを楽しいことに切り替えること」。

歌人の佐佐木幸綱さんは問うている。「私は、何に励まされて<にもかかわらず><ねばならぬ>との情熱をかきたてて、<走る>のか?」と。佐々木さんの著作『人間の声 - 私説現代短歌原論』の一節がしばらく前にある大学の入学試験問題として出題されていた。その資料によると、答はこうである。

「人間の全体の実現、モラヴィア風に言えば、手段としての人間を、目的としての人間にとりもどしたい欲望に支えられて、<にもかかわらず><ねばならぬ>とみずからを励ましつつ、<走る>のである」。また、こうも書いている。「短歌は方法ではない。志である。<走る>志である」と。現代において短歌を創作し続けることは、短歌という形式との闘いであり、千三百年の伝統に圧倒されることなく人々とのつながりを信じながら、自己実現に向かって走り続けるマラソンランナーのような志を持たなければならない、という意味らしい。

私は、何度か佐々木さんの短歌論を読み返してみたが、このくだりがなかなか理解できなかった。ところが、先の記事に触れたとき、するすると組紐が解けたように納得できた(ちょっと怪しいが)。それにしても、これを出題されて素早く文意を読み解かなくてはならない受験生には、脱帽である。
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by hasiru123 | 2014-01-19 23:01 | マラソン

苦しまずに42.195キロを走る5ヶ条(4)

今回は、「第4条 本番の数か月前には、起伏の富んだコースを走って脚筋力を高める」について。

ゆっくり長く走れるようになれば、少しずつマラソン向きの体ができてきたと考えてよい。本格的な走り込みの準備段階を迎えたとっていえるだろう。まだマラソン本番まで時間のあるこの時に、身体に少し刺激とゆさぶりをかけてより高いレベルの持久力をつけるのがねらいである。

具体的には、①筋力をつけること、②心肺機能を開発すること、③スピードに慣れることが主な目的である。3つの効果を同時に期待するなんて、少し欲張りではいないだろうか、はたして可能だろうか。そんな疑問が脳裏をよぎるかもしれない。しかし、この3つ力がうまくかみ合ってマラソンランナーの身体が作られることを考えるならば、むしろ同時に行って、相乗効果を発揮できるような練習方法があれば、理想的だ。

そのためには、起伏のあるコースでの練習を取り入れるといい。起伏走とか、クロスカントリー走、ヒルトレーニングなどと言われている。起伏走とクロスカントリー走は比較的小刻みに上りと下りを繰り返し、ヒルトレーニングは比較的長めで1キロ以上の距離の上りと下りの連続するコースを走るイメージである。ヒルトレーニングのほうがよりマラソン向きではあるが、残念ながら日本にはヒルトレーニングにふさわしい緩やかで長めの上り下りのコースはあまりない。日常のトレーニングを行うのに遠方まで遠征していくわけにはいかないから、起伏の規模についてはあまり難しく考えないほうがいいだろう。身近なところにある地形を利用してほしい。

近くに野山や林間コースがなければ、川の土手と利用したり、丘陵地に開発された団地や住宅地であればそれなりに起伏のある道路があると思うので、そういう地形を利用するといい。私の住んでいる地域では町なかに小刻みな坂が多いので、ロードを走るときの練習コースの往き帰りにわざわざ回り道して取り入れている。また、幸いにも周辺に川が多く、土手を使ったサイクリングロードには自動車道や橋を横断するのに自然と起伏ができている。土手に上る道が長めにとられているところがあれば、そこを何回か往復するコースをとってもいい。

ちなみに、私はクロスカントリーコースで行う起伏走の代替として、道路から土手に上る約150mの道と土手の向こう側に下る道の約150mとを合わせたコースを設定して練習を行うことがある。上りをほぼ全力で駆け抜け、下りをジョグでつなぐ。上りを利用したインターバルトレーニングで、相当にハードである。練習開始したころは1回で5往復位(上りを2回走る)から、走り慣れてくると14往復トライすることがある。これを、マラソンレースの半年位前から練習に取り入れている。

上りでは腕を大きく振って、膝を上げて駆け上がる。下りでは膝のばねを使って、転倒に気をつけながらがスピードを抑制する。その運動の連続では、肩から足の指先まで身体の多くの部位にある筋肉を使っている。その証拠に、翌日あるいは翌々日に痛みや疲れを感じる部分が体のどこにあるかを確かめてみるといい。きっと、普段の練習では感じない部位に、痛みや疲労が残っているはずだ。たとえば、背中や腰、上腕二頭筋、腰椎、足の裏など、フラットなコースを走っている限りはあまり発生しないような症状である。これが、①の筋力アップの効果」である。

そして、平地よりも上りの方がさらに大きな負荷がかかることから、心肺機能を高める効果がある。また、上りで大きな負荷がかかり、下りでは休息状態に入って楽な呼吸で走ることができるので、それを繰り返すことによってインターバルトレーニングと同様の半休息状態での走りを体感することができる。これは②の心肺機能の開発効果である。

上りでは呼吸が苦しくなり、追い込まれた状態になるが、ピークを過ぎて下りに入ると負荷を落としてもスピードは自然に上がっていく。下りの力を利用して意図的に速い動きをするという、よく短距離選手が行うような練習の感覚である。平地では出せないスピードに慣らすことができる。少ないエネルギーで、普段は出せないスピードを体感するという意味で、これは③スピードに慣れる効果である。

このように、起伏の富んだコースを走ることは、筋力トレーニングとインターバルトレーニング、スピードトレーニングを合わせたような多面的で多様的性を持った練習効果がある。さらに、LSDのような超長距離のランニングの合間に起伏走を織り交ぜると、身体的にいっそうの大きな成長を期待することができる。「1+1+1=3」という足し算の効果ではなくて、5にも10にもなるいわば掛け算の効果が期待できるのだ。

ただし、注意しないといけないのは、このような負荷の高い練習は連続して行うとからだが悲鳴を上げてしまうので、疲労が残っている状態では、絶対に行わないことだ。1週間に1回とか2週間に1回といった緩やかな頻度で計画的に実施してほしい。この疲労を回復させるときも、LSDを使うことは言うまでもない。
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by hasiru123 | 2014-01-14 07:24 | マラソン

苦しまずに42.195キロを走る5ヶ条(3)

さて、「第3条 毎日10キロずつ走る月間300キロよりも、5キロの日もあれば30キロの日もある月間300キロの方が効果が高い」について。

長い距離をくり返し走っていくと、少しずつ走る距離を伸ばしていくこができる。しかし、どこかで「体が重くなり、走ることがいやになってくる」という障害に出会う。この障害が、練習ごとに先へと伸びていけばいいが、いつか毅然と立ちはだかって、乗り越えられないことが出てくるだろう。そうなると、次の練習が負担に感じ、取り組む意欲がなくなってしまう。

そんな時には、気分転換をしてみるとよい。マラソン練習といっても、毎回のように持久的なトレーニングを行う必要はない。短いジョグを入れたり、徐々にスピードを高めていくビルドアップ走をやってみたりと、内容を変えてみる。緩急、距離の長短、強弱、練習頻度の多少、など様々な変化をつけてみる。さらに、発想の転換も必要である。これまで長い距離を走るときにいつも「距離」を意識してきたのであれば、今度は「時間」を意識して走る。

普通の持久的な練習では、公園の周回コースであれば何周しようとか、ロードであればどこまで行って帰ってこようとか、何キロのコースを何往復しようなど、目標を決めてから走るだろう。マラソンは42.195キロという長丁場だから、どうしてもマラソンの距離の半分を走ったとか、3分の2まで走れたとか、「距離」の感覚が頭から離れないのはやむを得ないことかもしれない。しかし、このやり方には「何キロ走った」という距離で満足してしまう限界が潜んでいる。これは、「距離」の発想である。

一方で、トラックの外周を1キロ何分ペースで60分走ろうとか、公園の中をゆっくり2時間は走ろうというのは、「時間」の発想である。同じ60分走でも、歩くよりも少し早いくらいのゆったりペースで走るのと、ペースの変化を入れて走るのと、終盤に追い込むようなペースに上げて終わるのと、ペースを上げたり落としたりしながら全体として徐々に上げていくスピードプレイのような走り方とでは、その練習効果はかなり違う。日頃から練習内容に変化をつけていると、ストップウオッチで正確にペースを計るわけでなくてもペース感覚は自然に身についてくる。ゆっくり走る時間を伸ばしていけば、知らないうちに長い距離が踏めるようになる。

実を言うと、「時間」で走るというのは、ゆったりペースであっても、結構大変なのである。長い時間が経過してくると、ウォッチを見ながら「あと1時間走る」「あと30分走る」などという時間の感覚が負担に感じられることがある。もっと早く走って、あと何周して早く練習を終わらせたいという気持ちになりがちである。単調で退屈かもしれないが、「速く走らない」練習だと思って、ここは我慢のしどころだ。

ある意味で大変ではあるが、「距離」を忘れて長い時間かけてゆっくり走ることは疲労を抜くいい練習になる。この練習を意識的に取り入れて、疲労を蓄積させないようにする。これは、長い目で見るとおおきな効果を発揮する。このプロセスをスキップして距離を伸ばすことはできないからだ。

速く走るためにゆっくり走る。長い距離を踏むために、短い距離の練習も無駄にしない。体のためなると思って、練習に変化をつけるときは「時間」を意識して取り組んでいただきたい。


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by hasiru123 | 2013-12-29 19:22 | マラソン

苦しまずに42.195キロを走る5ヶ条(2)

今回は、「第2条 練習で、エネルギーが枯渇する体験を踏む」について。

前回、「10キロくらいの練習を何回繰り返しても、マラソンに必要な超持久力はなかなかつかない」と書いた。たとえ、1回の走行距離が10キロくらいだったとしても、それを繰り返し行なっていけば、スピード力や持久力がついてきて、10キロどころか15キロや20キロと少しずつ長く走れるようになるのではないか。そう考える方は多いのではないか。

たしかに、トライアル回数を増やしていくと、超回復機能が働いて、10キロ以上の距離を楽に走れるようになっていくことは、多くのランナーが経験的に知っていることだと思う。10キロがしっかり走れるようになれば、1時間以上楽に走れるようになる。しかし、フルマラソンは、10キロの4倍以上の距離がある。3時間から4時間、あるいは5時間以上も走る超長距離の世界だ。

10キロ前後を走るだけでは、その4倍以上の距離を走り続ける力は生まれない。エネルギーの限界を超える苦しさを体験することでマラソンに必要な超持久力が身につく。これを、1度でもいいから経験して本番に臨む必要がある。練習でこの苦しさを体験しておけば、本番への自信につながるし、オーバーペースを防ぐのに大いに役立つ。

マラソンは短距離走と違って、後天的な要素が大きい競技だ。初めから、42.195キロよりも先にエネルギーが枯渇する地点があればいいが、ふつうはそれよりも前の地点に障害として立ちはだかっていることが多い。練習で、障害物を超える体験をしておくことはとても大切なことだ。そして、その地点を少しでも先に持っていく。

ただし、決してスピードを負わないことである。マラソンに必要な持久力は、スピードからは生まれないだからだ。ゆっくり、長い時間をかけて、長距離を踏むことである。

それでは、その障害はどの辺にあるのか。長い距離を走った経験のない人にはどの地点を指すのか見当がつかないかもしれない。ある人はマラソンのおよそ半分、すなわちハーフ(約21キロ)の地点だったり、ある人はハーフを少し過ぎた25キロあたりだったりと、人によって様々だ。

初めて、障害となる地点を捜すにはこんな方法がある。友達とおしゃべりしながら走れるくらいのペースでゆっくり走り出してみよう。歩くよりも少し速いくらいのペースだ。徐々に体が暖かくなり、うっすらと汗がにじんでくる。それでも、まだ話しながら走り続けることができる。もしかしたら、このペースならいつまでも走り続けられるのではないか・・・。そんな気分にさせる、ゆったりしたペース。よく言われる「ランニングハイ」だ。

しかし、そんな幸せな気分もいつまでも続かない。だんだん、発汗量が増えて、友達との会話が少なくなる。そのうち、互いに黙ってしまう。徐々に、体が重くなり、走ることがいやになってくる。呼吸が苦しいわけではないが、空腹を感じて、力がなくなってくる。そんな地点が、この障害である。

それでは、この地点を先延ばしするにはどうしたらいいだろうか。先延ばしすることは、走力の向上につながる。それを、これから考えてみたい。


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by hasiru123 | 2013-12-23 20:22 | マラソン

苦しまずに42.195キロを走る5ヶ条(1)

10月から12月にかけて、全国各地でフルマラソン大会が開催された。年末年始は大きなマラソン大会がないため、ちょうどこの時期(12月)は冬のマラソンシーズンの折り返し点といえるだろう。持久力にまだ自信を持てない人のために、マラソンの終盤の苦しみを少しでも取り除く方法はないものだろうか。この秋に少しずつマラソンを走る準備を進め、年明けにはマラソンに挑戦しようという人。また、この秋にマラソンを走って、今シーズンにもう一度走ってみようという人。そんなランナーのために、30キロ以降に失速しないためにはどのような工夫があれば有効か。自戒の念もこめて、頭の中を整理してみた。

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それが、以下に挙げる「苦しまずに42.195キロを走る5ヶ条」だ。

第1条 30キロを走ったら35キロ、そして40キロと段階を踏んでに走り込みの距離を伸ばす
第2条 練習で、エネルギーが枯渇する体験を踏む
第3条 毎日10キロずつ走る月間300キロよりも、5キロの日もあれば30キロの日もある月間300キロの方が効果が高い
第4条 本番の数か月前には、起伏の富んだコースを走って脚筋力を高める
第5条 ペースの変化に対応する力を身につける

まず、「第1条 30キロを走ったら35キロ、そして40キロと段階を踏んでに走り込みの距離を伸ばす」について。

「10キロくらいの練習を何回繰り返しても、マラソンに必要な超持久力はなかなかつかない。10キロの練習では、10キロまでしか走れない。1回でハーフ以上の長距離走を何回か繰り返すことで、徐々に持久係数が上がってくる。今日25キロを一人でゆっくり走ることができたら、1週間後は少し距離を伸ばして28キロ位に挑戦してみる。次は30キロを走ってみる。さらに、33キロ、36キロ、・・・という具合に少しずつ距離を伸ばしていく。そうすると、練習の過程で、きっと空腹感やガス欠を経験するに違いない。お腹がすいて走る力がなくなってくるのである。言い換えると、その距離までの持久力しか持ち合わせていなかったということだ。

例えば、30キロ走をやった時に27キロ地点あたりで急に空腹を感じたとしよう。しかし、いつも27キロ地点に来ると空腹を感じるのかというと、そんなことはない。次に走ったときは、30キロまで大丈夫だったとか、その次は32キロまで持ったとか、少しずつ空腹になる地点が先に伸びてくる。これが、すなわち持久力がついてきたということである。

これを繰り返していくうちに、40キロまで走っても空腹を感じなくなるだろう。そこまでくれば、しめたものである。ゆっくりであれば「いつでも40キロくらいは走れる」という感覚がマラソンへの自信につながる。

こういった練習の繰り返しと持久係数のアップは相関関係がとても深い。そして、ステップアップが緩やかであるほど、楽に距離を伸ばすことができる。先を急がないことである。


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by hasiru123 | 2013-12-16 21:08 | マラソン

旅の途中に

数々の警句で知られるサミュエル・ジョンソが残した言葉に「幸福とは旅の終わりに行き着くものではない。むしろ、旅の途中のことである」と言うのがある。これを読んだ私はこう言い換えてみた。「走る喜びとはレースの結果に行き着くものではない。むしろ、日々走る途中のことである」と。プロとアマとを問わず、走った結果にから生まれた記録よりも、結果を生み出した過程に意味があり、振り返えったときにわくわくするのはこちらの方である。

記録の満足は一時的で、他者の記録と比較することによって簡単に陳腐化してしまう。しかし、過程(旅の途中)の満足は持続性があり、想像力を働かせることによって拡大再生産される可能性も十分にある。そして何よりも、どんな過程であっても一人ひとり違う満足がある。日ごろ走り続けることができるのは、このような満足に支えられているからではないだろうか。

走ることはとの過程を楽しむこと。そう、何か、人生と似ていないだろうか。

昨日と今日は、全国で多くのランニング大会が開かれた。RUNNETから集計したみたら、この2日間で41大会あって、そのうちフルマラソン(リレー方式を含む)は12大会あった。来週の12月1日も34大会あって、フルマラソンが4大会。

 

私の住む川越市でも、今日は第4回川越小江戸マラソン大会が開かれ、1万人のランナーが蔵造りの街並みを走り抜けた。いつもなら、大会運営のお手伝いをさせていただくところだが、23日に福知山マラソン(今年は中止)への出場を予定していたため、今回は失礼させていただいた。旅の途中に、少し寄り道。 

秋たけなわ、大会ラッシュの季節でもある。


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by hasiru123 | 2013-11-24 23:45 | マラソン

市民マラソンの活用

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11月17日(日)に、第13回坂戸市民チャリティマラソン大会が坂戸市市民総合運動公園を発着点として行われた。この日の気温は約15度、無風に近く、ランニングには絶好のコンディションとなった。10キロをはじめとする5種目で合わせて約2600名のランナーたちが汗を流した。

私の所属している若葉グリーンメイトや坂戸陸協の選手たちも多くこれに参加し、中には優勝した選手もおられた。今年の特徴は、多くの大会記録が生まれたことだ。ロードレースシーズンンは開幕したばかりである。来年の4月上旬位までは、各地で市民マラソン大会や駅伝大会が開催される。楽しく、そして安全にこの半年間を乗り切っていただきたい。

例年この大会は役員として参加しているが、今回は決勝審判員を務めさせていただいた。同じ決勝審判員としてご一緒したある役員は、地元の高校で教鞭をとっておられる方だった。その学校では、毎年校内ロードレース大会としてこの大会を利用しているそうだ。なかなかうまい方法だと思う。

町なかの学校は、交通事情で独自のロードレース大会を行うのが難しくなっている。道路を使用するからには警察の協力を仰がなくてはならないし、先生たちも準備や安全対応に追われ、大変である。既存の大会を利用できれば、交通の安全問題は解消できる。そして、校外のランナーと一緒に走ることにより、日頃走っていない生徒にとっては、長距離レースに親しむいい機会となるだろう。長距離を専門にやっている生徒にとっては、力試しにもなる。

何千人ものランナーが一斉にスタートするビッグな大会は、この趣旨に応えることは難しいと思うが、坂戸マラソン程度の中小規模の大会は好都合だ。これをきっかけに走る楽しさを発見し、生活の一部になってもらえればうれしい。

町のロードレース大会は、たいてい5キロ前後の比較的短い距離の部門を設けていることが多い。大いに活用して、マラソンの雰囲気を満喫してもらいたい。


(写真)10キロ部門のゴール
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by hasiru123 | 2013-11-19 07:09 | マラソン

新谷の走りは日本の長距離界に光をあてた

8月18日でモスクワの世界陸上が終わった。暑い日があり、肌寒い日がありで、選手たちにとってはコンディション作りに相当苦労したのではないかと思う。寒暖の差が大きく影響するマラソンは、女子が30度を超える猛暑だったし、男子は22度ではあったが直接日差しを受けた選手たちには、これまた暑いレースだったようだ。

日本の選手たちの活躍ぶりは毎日のテレビを通して見させてもらった。全体としては、女子マラソンで福士加代子が銅メダルを獲得し、木崎良子が4位に入り、女子1万メートルで新谷仁美が5位入賞したのが光った。男子マラソンも、女子の活躍に刺激を受けてか、中本健太郎が5位入賞を果たした。

女子マラソンは、昨年のロンドン五輪で入賞者ゼロという大惨敗を喫したことを受けて、今大会では復活を期すべく、参加可能出場枠である5枠を使わず、「入賞を狙える精鋭」3人が選ばれた。女子1万メートルの方は、選考会である日本選手権で新谷の圧勝で、それに続く選手が見当たらず、これも参加可能出場枠の3枠を使えなかった。それがどんな結果をもたらすのかと期待もし、不安な点でもあった。

フタを開けてみれば、不安を晴らす活躍ぶりだった。福士はこれまでトラックで五輪3回、世界選手権も4回出場しているが、2009年世界選手権1万メートルの9位が最高だった。5000メートル、ハーフマラソンの日本記録保持者だが、国内のマラソンではなかなか結果を出すことができなかった。世界のマラソンに初めて挑戦し、念願の初メダルをつかんだ。

女子1万メートルの新谷の走りは、見事だった。ラスト500メートまで集団を引っ張り続けるレース展開には、これまでの日本人選手にはなかった積極さにあふれるものがあった。東アフリカ勢の選手に追いつくにはこれしかないというお手本を見せてもらったような気がする。4人のアフリカ勢にはかわされはしたが、新谷に振り落とされた選手が14人いたということだ(出場者数が19名だったので)。

日本人選手はスピードやスプリントにおいて、世界のトップとは大きな開きがあるのは歴然とした事実である。その土俵で戦うには、ついて行けるところまでつくしかない。そこから先は、つけるようになった段階で戦術を考えればいいことだ。今回の結果から、がんばり次第でラスト500メートまではつけることが分かった。これもまた事実である。

新谷へのインタビューで「メダルが取れなければ、この世界にいる必要がない」というコメントが紹介されていたが(8月12日付毎日新聞)、悲観するには当たらない。出口はまだ先かもしれないが、新谷の走りは将来の日本の長距離界に光をあてたという意味で、その功績は大きい。
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by hasiru123 | 2013-08-19 18:58 | マラソン