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日本陸上選手権から(上)

今年の日本陸上選手権は世界陸上選手権ロンドン大会の代表選考会を兼ねて行われた。注目の男子短距離では、サニブラウン・ハキーム(東京陸協)が100mと200mで2冠を達成した。

100m決勝は、今季10秒0台を出して、参加標準記録を持つ選手が5名いて、それぞれが決勝に進んだ。まれにみる激戦となった決勝は、予選と準決勝を10秒06で走ったサニブラウンが2位の多田修平(関学大)を0.11秒の差をつけてゴールイン。

200m決勝でも、サニブラウンは強かった。スタートから飛ばして、本命と思われていた飯塚翔太(ミズノ)を寄せつけなかった。

今年の両種目は一段とレベルが上がり、世界との差がかなり縮まった。また、世界陸上の決勝へ進める選手が現れるのではないかと期待を持たせる結果でもあった。そして、記録面でも100mは9秒台、200mは19秒台への突入が現実味を帯びてきた。

思い起こせば、世界で初めて100mを9秒台に乗せたのは、1968年のジム・ハインズ(米)によってであった。その後も77年に9秒台が出されたが、いずれも高地記録だった(高地は平地よりも酸素が薄いため短距離走には有利とされている)。したがって、平地での初の9秒台は83年にカール・ルイス(米)が樹立した9秒97である。

それから33年がたち、ようやく日本も、というところまで来た。気象条件と競合する選手の条件がそろえばいつでも実現できそうな気がする。その壁が大きいだけにその突破が注目されるが、選手にはこの壁を最終目標にしないで、その先の世界へ目を向けてほしい。

じっくりと待つことにしよう。


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by hasiru123 | 2017-06-26 20:58 | 話題  

今年の日本陸上選手権は

いよいよ6月23日から3日間にわたって、日本陸上競技選手権大会が始まる。今回は、8月に行われる世界陸上のロンドン大会代表選考会を兼ねている。記録的な期待とともにだれが世界陸上の切符を手にするかに関心が集まる。

男子100mを始めとして同200m、同400mH、同棒高跳び、同やり投げ、そして女子10000mなど、楽しみな競技が多い。特に、男子100mでは気象条件が良ければ9秒台への期待が膨らむ。そして同200mも飯塚翔太(ミズノ)が過去に派遣設定記録Aに相当する記録を出していて、参加標準記録を超えている選手が4名いる。加えて、同4×100mリレーの選考も絡んで、短距離は近来にない激しい競争になりそうだ。

長距離種目はどうかというと、いつものように女子5000mと同10000mは力のある選手がそろった。参加標準記録を超えている選手が5000mは7名、10000mは14名もいる。速いペースでの競り合いになれば、複数選手の派遣設定記録Aの突破も夢ではない。ただし、残念なのは昨年の日本選手権で長距離2冠を達成した鈴木亜由子(JP日本郵政G)が故障で出遅れていることだ。

女子に比べると男子の長距離陣は少し寂しい。参加標準記録を切っているのは10000mで1名、3000m障害で2名である。マラソンのレベルアップのためにも、積極的に記録に挑戦してほしい。

ところで、「派遣設定記録A」とか「参加標準記録」などと書いてきたが、これは何を意味するのかについて、少し説明を加えたい。派遣設定記録Aは、世界ランク12位相当(1ヶ国3名)で8位入賞が期待できる記録で、参加標準記録は国際陸上競技連盟が定めた参加標準記録のことである。また、派遣設定記録Sといって、世界ランク6位相当(1ヶ国3名)でメダルが期待できる記録水準というものある。これらの記録と日本選手権の結果を併せて世界陸上の代表選考基準が設定されている。

たとえば、男女の長距離種目だと、「参加標準記録+日本選手権優勝」か「派遣設定記録A+日本選手権8位以内の最上位」に入れば、日本選手権の段階で即内定となる。また、「派遣設定記録A+日本選手権8位以内」か「参加標準記録+日本選手権3位以内」「参加標準記録+日本GP優勝+日本選手権8位以内」に入れば、第1次代表選手発表時(日本選手権の翌日)に内定する。したがって、記録とともに日本選手権の順位が重要となる。

記録と順位をにらみながら、日本選手権の競技を観戦するとより楽しみが増すことだろう。


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by hasiru123 | 2017-06-16 06:14 | 話題  

シューズの紐

「むすび」について孫に話しかける。
<三葉、四葉、むすびって知っとるか?>
<むすび?>
<土地の氏神様をな、古い言葉でむすびって呼ぶんやさ>

この言葉にはふかーい意味があって、糸を繋げることもむすび、人を繋げることもむすび、時間が流れることもむすび。全部神様の力や、と。

遅まきながら、5月の連休に入って見た映画『君の名は。』に出てくる、ヒロイン三葉のおばあちゃん一葉が語る一コマである。

<縒(よ)り集まってかたちを作り、ねじれて、絡まって、時には戻って、途切れて、また繋がり...>
<それがむすび。それが時間>
と淡々と話は続く。架空の地方の山間部に住む女子高生と、東京に住む男子高生が、夢の中で入れ替わるファンタジーである。

シューズは、その用途により多種多様であるが、その紐もいろいろな結び方がある。右と左の紐を縒り合わせては離し、また縒り合わせる。最後にしっかり結ぶ・・・。脱ぐときは結んだ紐を必ず解き、履くときはまた結ぶ。シューズの紐も、走ることをとおして行く先々の人たちや未来の物語と繋がるむすびだろう。

私がレースで履くシューズは、紐が解けないよう両方に輪を作って交差させるやり方で結ぶようにしている。「イアン結び」という方法で、ご存知の方もおられよう。ちょっとだけ手間を要すことから、普段の練習で履くときは蝶結びが多い。

先ごろ、ランニング中に解けた靴紐を反対の足に引っ掛けて転倒するという事故があった。幸い軽い打撲で済んだが、解けた靴紐に気づかなかった自分にショックを受けた。川柳に<つまづいて身より心が傷ついて>という句がある。

せっかく足の状態が回復に向かい、継続的なランニングができるようになったこの時期である。シューズの紐の緩みで再び治療-回復の物語に繋がらないよう、注意を怠るまい。

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   (写真)現在練習で履いているシューズ

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by hasiru123 | 2017-05-07 19:28 | 話題  

3月の大絶賛

五木寛之さんの『深夜草紙』の中に「今週の大絶賛」というエッセイがある。このタイトルを借りて、思わず「3月の大絶賛!」と叫びたくなった。

「ほっとけば治る」「そんなに痛みもない。検査をしてみないと何ともいえないが、大丈夫だと思う」。先の大相撲春場所で優勝した稀勢の里が、千秋楽の夜にテレビ番組で語った感想である。

凡庸な私には、そんなはずはないと思えたが、この横綱は言い訳をしなかった。

稀勢の里は12連勝していたが、13日目に日馬富士に敗れて左肩を痛めた。翌日は出場したものの、鶴竜にあっけなく押し込まれ2敗となった。千秋楽に1敗の照ノ富士と対戦した。

稀勢の里が逆転で優勝するめには、本割と優勝決定戦の2番とも勝たなければならない。鶴竜との取組から見て、だれもが稀勢の里の優勝はないと思っていたはずだ。ところが、2番とも制したのだから勝負はわからない。

白鵬が休場する中で、最後まで綱を張った稀勢の里だった。よく「荒れる春場所」といわれるが、これほど荒れて、感動を与えた場所も少ないのではなかったか。「大絶賛」するゆえんである。

気がかりなことが一つ。平成13年の夏場所で貴乃花が武蔵丸との優勝決定戦を制した大一番を思い出す。左ひざの故障を押しての逆転優勝だった。しかし、貴乃花はその後7場所続けて休場し、再び土俵に上がることなく引退に追い込まれた。稀勢の里には、じっくり故障を治してこれからも土俵を沸かせてもらいたい。  

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by hasiru123 | 2017-04-01 18:01 | 話題  

川越まつり


今年も、川越市内では豪華絢爛な山車の競演が繰りだした。国指定重要無形民俗文化財の「川越まつり」である。


もともと川越氷川神社の秋の祭礼は隔年に行われ、田楽や相撲などが奉納されていたようだ。慶安元年(1648)に当時の川越藩主松平伊豆守信綱が、氷川神社に獅子頭や神興などの祭礼道具を寄進したのが川越まつりの始まりとされる。


川越まつりは、10月14日に氷川神社が執行する例大祭を根源として直接行われる神幸祭と、氏子町衆が催す山車行事(祭礼)から成り立っている。その後徐々に規模を拡大し、関東の代表的な都市祭礼となった。そして、山車も形態を変えて現在に受け継がれている。


今年の新しい取り組みは、スマートフォンで山車情報を得られるようになったことである。スマホ用のアプリ「川越なつりナビ」が無料で公開された。


このナビは、運行しているすべての山車の現在位置を表示し、山車は実際に地図上を移動する。スマホを持っている人の現在位置も表示されるので、簡単に山車を見つけることができる。また、「曳(ひ)っかわせ」等の山車行事やイベント情報などを生で見られる「川越まつりLIVE」と山車の現在位置をリアルタイムに確認できる「山車ナビハイスピード版」が有料で提供された。札の辻などの主要な交差点では、山車が来ないときはスマホをかざしている人の姿が多く見られた。

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写真は、10月16日(日)の夕刻に見たシーンで、山車同士がおはやしを競演する「曳っかわせ」である。


なお、全国33件の祭りを一括した「山・鉾ほこ・屋台行事」として、国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産への登録を目指して提案されていて、このなかに「川越氷川祭の山車行事」も含まれている。


川越まつりの起こりについては、平成11年発行の「川越市立博物館だより」第28号を参考にした。




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by hasiru123 | 2016-10-22 11:57 | 話題  

ファイナルステージが始まった

いよいよ、というか、ようやくプロ野球クライマックスシリーズのファイナルステージが始まった。


やはり、広島カープの行方が気にかかる。きっと広島は、やりにくいだろうなあ。というのも、対戦相手はあの巨人かと思っていたところが、横浜DeNAベイスターズだったからである。


こう言っては横浜に失礼かもしれないが、私には何としてでも倒そうという気になれないのだ。巨人とちがい、横浜には少なからぬ親和性を感じているからである。広島も横浜も、日本一になったのは遠い過去のことだ。その意味では、どちらが勝ってもうれしいステージである。


何も私が戦うわけではないのだから、そこまで心配する必要はないのだが・・・。広島がペナントレースを制覇したあたりから、今年はここまでよく戦ったのだから、これ以上望むのは欲張りかな、と思うようになった。よく言う「先憂後楽」である。楽しみは、来年に取っておこう、と。


しかし、広島の選手たちは、そんなことは微塵も考えていないにちがいない。第一、若手とベテランがうまくかみ合っていて、死角がない。それに、選手たちには勢いがあり、チームワークも抜群だ。打ってよし、投げてよし、走ってよし。闘志に燃えているはずである。


もし緒方監督に心配することがあるとすれば、それは優勝が早く決まって、実践から遠ざかっていることだろう。その点、横浜はファーストステージの余韻が残っていて、戦いやすいはずだ。ペナントレースで圧勝した広島としては、今年一番の胸突き八丁にさしかかっているといえるだろう。手に汗を握る熱戦を期待している。




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by hasiru123 | 2016-10-12 19:12 | 話題  

「勝敗」ではなく、「記録」を

今年の秋季国体(国民体育大会)は岩手県の開催で、陸上競技は北上市で実施されている。NHKでは、毎年100mが行われる日に中継されるのが定番になっているようだ。

10月8日(土)の成年男子100m決勝には、山縣亮太(セイコーホールディングス)とケンブリッジ飛鳥(ドーム)が出場するとあって、留守録したビデオを後で見たら、二人の姿はなかった。山縣は準決勝を棄権、ケンブリッジは欠場とのことである。冷たい雨が降りしきる気象コンディションを考慮して、安全を優先したのかもしれない。

同じ日、成年女子100mでは福島千里(北海道ハイテクAC)が見事7連覇を果たした。走ったレーンの番号「7」の腰ナンバーをかざして写真におさまる姿は、今後も現役を継続する意向があるのかなと思わせるシーンだった。なにしろ、日本女子の短距離陣では福島の後を追う選手が見当たらないだけに、来年の世界選手権でリオ五輪の雪辱を期したいところだ。

ところで、最近の陸上の国体を見て思うのは、長距離種目が少ないことである。国体の種目は男女ともに少年A、少年B、成年に分かれるが、1500mは少年女子共通、5000mは成年女子と少年男子A、3000mは少年男子Bと少年女子Aがあるだけである。成年男子は1500mや5000mがなく、10000mは男女ともない。

長距離ファンとしては、もう少し種目数を増やしてもらいたいところである。というのも、10月という時期は、晴れると空気が乾きやすいことから、長距離種目で好記録が望めるからだ。日本選手権が開かれる6月は高温多湿なため、長距離には向いていない。駅伝シーズンに入る前のこの時期は長距離走に最適なのである。52年前は、東京五輪が開催された10月だ。長距離種目で活躍の機会が少ないのは残念である。

一方で、国体の種目が多岐にわたっている中で、多くの種目数を抱える陸上競技にこれ以上の追加が望めないことも事実である。2020年の東京五輪の開催費用が膨れ上がる折、国体としても同様の問題を抱えている。

ここは、国体ではなくて、新たに全国規模の中長距離記録会のような取り組みを望みたい。「勝敗」を競うのではなく、「記録」を競うのだ。

秋の夜長に、ふと考えた夢である。


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by hasiru123 | 2016-10-11 07:49 | 話題  

広島カープに乾杯!

「農村は都市を包囲する」といった人がいる。中国革命を勝利に導いた毛沢東である。この言葉を借りて、私は「女性は市場を包囲する」と考えている。女性がオピニオンリーダーとなって市場を席巻させた例は、枚挙に暇がない。



先のブログで、川越市内のやきとり屋では「最近は女性客が増えた」と書いたが、一昨日この店で久しぶりにやきとりを食べた。調理場を囲むカウンターは、半分以上がカップルだった。女性の来店がお店を活性化させる好例ではないだろうか。



山ガールが増えたことが高齢者の登山人口増の引き金になったのは記憶に新しい。そして、25年ぶりのセリーグ優勝を果たした広島カープ。ここ数年で神宮球場でのカープ戦の動員は倍近くにまで増加し、これも赤色をこよなく愛する「カープ女子」の影響といわれる。特に球団が仕掛けたわけでなく、全国的にみられる自然発生的な現象らしい。



1975年に初優勝したときも、そして91年に優勝したときもこのような現象は見られなかった。ただし、例外として「広島カープを優勝させる会」をつくって応援していた雑誌「酒」の編集長の佐々木久子(故人)がいた。75年にカープが初優勝に向けて快進撃を続けていたときに「憎いカープめといわれてもいいから、早く一人前の女としてパーッと開花してほしい」と檄をとばしていた人である(大隈秀雄『日本のプロ野球をダメにした75人』)。



この日、くだんのやきとり屋では優勝のかかった巨人・広島戦の中継を放映していた。私は、5回表に鈴木誠也の2打席連続2ランを放って巨人を突き放したところから見はじめた。鈴木が打ち、松山が打った。黒田が投げ、中崎が締めくくった。今年のカープを象徴しているような見事な試合展開だった。



交流戦で勝ち越したころから、「今年こそ優勝できる」と確信するようになった。一方で、長期にわたって下位チームに追われる立場が続き、選手やスタッフのプレッシャーは並大抵ではなかったに違いない。ファンの熱い視線の中、横綱相撲で乗り切った広島カープに乾杯! 鋭気を養って、クライマックスシリーズとそれに続く日本シリーズでも大いにファンを沸かせてほしい。





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by hasiru123 | 2016-09-12 23:02 | 話題  

私のトップスリー 北京世界陸上を見て

今年の世界陸上の見どころはたくさんあって、近年になくレベルの高い面白い大会だった。そして、会場の北京国家体育場(通称:鳥の巣)は連日多くの陸上ファンで埋め尽くしていた。アジアでも、陸上競技でこれだけのお客さんを呼べることを実証したのは喜ばしい。

競技の中身では、何と言ってもロンドン五輪や2年前のモスクワ世界陸上の再現かと思わせるようなボルトやファラーの強さが目立ったことだ。来年のリオ五輪でもこの二人を中心にレースが動くだろう。

私の印象に残った競技を3つ選んでみた。

まず、男子十種競技でアシュトン・イートン(米国)が世界記録で優勝したことを挙げたい。最後の1500mこそ2位だったが、それ以外の9種目はすべてトップだった。こんなにも強く、しかも種目間のバランスのとれた競技者を見たことがない。特に、1500mは圧巻だった。4分18秒25を切ると世界記録が成る。先頭の選手から引き離され、なかなかペースが上がらない。疲れがだいぶたまっていて、足が重そうだ。あと1周の鐘が鳴ると見違えるようにペースを加速させ、4分17秒52でゴールイン。10種目にしてこの記録も大したものだが、計ったかのようなスパートは長距離ランナーのデッドヒートを見ているようだった。

二つ目は、男子やり投げ。上位二人の90mの攻防は見ごたえのあるものだった。優勝したのはケニアのジュリアス・イエゴ。2投目までは入賞ラインぎりぎりの8位だったが、3投目に92m72を投げて勝負を決めた。ハイレベルの争いに思わず鳥肌が立った。日本の新井良平(スズキ浜松AC)も83mを超えたが9位に終わり、上位8人が進める4投目以降には進出できなかった。

常に82m以上を投げたら入賞が見えてくるという日本の常識が通用しなくなった。3位だったテロ・ピトカマキ(フィンランド)が87m64を投げていることから、この種目のレベルは確実に上がったといえるだろう。

もう一つは、残念だったという気持ちも込めて男子マラソンを挙げたい。以前にも書いたが、優勝したG・ゲブレスラシエ(エりとりア)は19歳の伏兵だった。また、2位と4位に入った選手は、北京の暑さにもかかわらずシーズンベストを更新している。ケニアの実力選手が上位に入ることができなかったのは意外だった。そういう意味では、日本人選手だけでなく、走力のある選手も力を出し切れなかった男子マラソンだったと言えるのではないか。ただし、力を出せなかったその中身はだいぶ違うと思うが。

今回初めてエりとりアから優勝者を出したが、外務省のホームページから同国に入ってみると、西にスーダン、南にエチオピア、南東部にジブチと国境を接し、北は紅海に面していることが分かる。宗教は、キリスト教、イスラム教他が同居しているらしい。そのことからも複雑な政治情勢だとがうかがわれる。人口が約560万人で、面積は北海道と九州とを併せた広さとほぼ同じだそうである。

そのエリトリアのゲブレスラシエが「金メダルを獲得した陰には、日本の支援があった」と毎日新聞が報じていた(8月28日朝刊)。ボランティアで20年以上、同国を支援する宮沢保夫さんと日本のスポーツメーカーの協力に加えて、今後は大学の医学部門の支援を得て、陸上の高地トレーニングの効果を検証するとのことだ。金銭面での支援だけでなく、選手強化というソフト面での支援は、これからのスポーツ交流には欠かせない。箱モノを作ることや日本人選手の強化よりもこちらの方が、五輪の価値を高めることにつながるのではないかと思う。
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by hasiru123 | 2015-09-07 18:16 | 話題  

スポーツを国民の手に取り戻す

総工費が膨らみ、強い批判が集中していた新国立競技場の建設計画を、安倍首相は白紙に戻すと表明した。ここは、民意を汲んで「負の遺産」となるようなことのないよう、スリムな競技場作りに取り組んでもらいたい。

ここまでは、あくまで建前としての期待であって、本音ではない。

というのも、今回の計画の見直しには拍手喝さいのようなものが聞こえてこないからだ。「ゼロベースで計画を見直し、できる限りコストを抑制したい」というのだから、反対の立場からすれば大変結構なことで、互いにハイタッチや握手をしてもいいのではないか、と思うくらいである。だが、しかし――。

この問題に限らず、首相はこれまで国民の反対の声に耳を貸すどころか、無視し続けてきた。にわかに信じられないのは無理もないだろう。国民の体感温度がすでに下がっているのである。

私も、競技場問題についての体温が相当に低下している。その理由の一つが、白紙に戻すということだけれども、現時点では大きな選択肢を一つ失っているからだ。

「過去の」国立競技場を含む神宮の森の歴史に向き合いながら改修工事を行う視点が欠落しているのだ。今年3月から、競技場はあわただしく入札を行って解体されてしまい、すでにない。もちろん、解体して作り直すという方法は大きな選択肢の一つにはちがいないだろうが、冷静になって競技場について考える機会を根こそぎ奪ってしまったという罪は軽からぬものがある。どうしようもなく、重たい白紙撤回の一連の報道である。

どのようにしてこの迷路を脱出したらいいだろうか。この失態を機に、オリンピックの適正規模の検討を始めとし、招致のあり方や実施頻度などの見直しを進めるしかないのではないか。到底、一つの国家や地域で決められるものではないが、5年後にオリンピックを迎えようとしているニッポンが率先して取り組むべき課題であり、実現させるチャンスだ。そして、その先にあるものは、「スポーツを国民の手に取り戻す」ことだと思う。
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by hasiru123 | 2015-07-19 23:49 | 話題