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左足の故障から(3)

  指圧とインソールの2人3脚

昨年の10月から、妻が肩こりや腰痛を治すために長年通っていた指圧のM治療院を訪ねることにしました。私がこれまでにマッサージを受けた経験から、腰や背中を圧(お)されることに対して快感を覚えることがなかったので、指圧を受けることには消極的でしたが、妻の強い勧めでドアをたたくことに。

M治療院は浪越流の指圧を専門にしているところです。筋肉マッサージと異なり、直接筋肉を緩めることはしません。前頚部や鼠頚骨靱帯などの生体を指で圧して体の悪い部分の根本に治療を施す方針を採っています。ホームページには「身体を圧すことで身も緩み、心もほぐれ、特に圧し方によってその効果はさまざまな出方をします」とありました。

私の場合は、前頚部や右側の鼠頚骨靱帯が硬く、圧すと反発してほとんど指が入らない状況でした。そこで、M先生は、左足の痛みは腰椎の歪みから生じているのではないかとの仮説を立てられました。早速、指定の医院で腰のレントゲン写真を撮ってもらったところ、第4腰椎と第5腰椎の間隔が狭まっているということがわかりました。これまで腰が痛いという実感がなかったので意外でしたが、このことが膝や足に影響を与えているのではないかというのです。

そのほかに圧してもらってわかったことは、以下のとおりです。
・左側の胸郭と肩甲骨の間が狭く、圧してもほとんど指が入らない。俗に言う「五十肩」であるが、痛みがなくなっていても、回復したわけではない
・鼠頚骨靱帯(股関節近くにある靭帯)が硬く、圧すと反発してほとんど指が入らない。これは、左より右の方が顕著である
・肩から背中にかけてやや丸みを帯びている
・ 足背部(足の裏の反対にあたる部分で、いわゆる足の甲)が丸く変形している

ちなみに、足背部と鼠頚骨靱帯および前頚部は深く関連し、左足の状況を見るための重要な手がかりになるそうです(私はこれをランナーの「トリプルライフライン」と命名しました)。これらが改善されれば、左足の痛みも治まってくるだろう。反対に、これらが放置された状態であれば、いつまでたっても左足の回復はままならない、と。M先生の仮説を信頼して、検証できる日を待つことにしました。

2005年2月に、私の妻が膝の診察を受けるためにZ病院を訪ねることになりました。妻はすでに地元の大学病院で半月版の手術が必要であることを宣告されていましたが、左右の膝を同時に手術するという治療方針に疑問を持ち、念のためセカンドオピニオンとして他県にあるZ病院が膝の手術に定評があると聞いて、診てもらうことになったものです。私も診察に付き添うために訪問したところ、Z病院には整形外科のほかにスポーツ整形外科が設けられていることがわかり、私もついでに、というか念のため、昨年かかっていたKクリニックのセカンドオピニオンとして左足を診てもらうことにしました。

レントゲン撮影の結果「開帳足起因の外反母趾」(写真1)であることが判明しました。足には縦のアーチと横のアーチがあるが、指先の付け根を支える横のアーチが落ちて低く平らになり、落ちた付け根部分が着地時に当たって痛む、という症状が開張足。靴の中で左右から押されて、親指はつま先に対して「く」の字型に変形し、靴とこすれて痛みが発生するのです。

  写真1 2005年6月現在の左足の様子
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K医師の話では、走ることを続けたいのであれば外反母趾用のインソール(写真2)をシューズに装着して様子をみるとよい、ということでした。インソールについている突起物(3ミリ程度のふくらみがある)で、落ちている横アーチを少し持ち上げる効果が期待できるのだそうです。インソールをつけたからといって、痛みがなくなるわけではないが、緩和させることはできるので、痛みが発生しない範囲で走ってみてはどうかと。そのほかには手術という手段もあるが、完治するかどうかはケースバイケースで、私の場合には手術が必要かどうかは今ある情報だけでは判定しかねる、との説明でした。私は即座に、前者の方法を選択しました。さっそくビジネスシューズ用とランニングシューズ用の2つのインソール(ソルボ製)を作ってもらい、効果を見ることに。

  写真2 上がインソールの裏側、下が表側
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インソールを使用したことによる効果とその後の回復状況は、稿を改めてご報告します。
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by hasiru123 | 2005-07-23 22:17 | その他  

左足の故障から(2)

  インフォームドコンセント

2003年から2004年9月までに行っていたケアは、2003年夏に通った整体(3ヶ月間)と、その後に受けた手もみマッサージ(民間の一般向けマッサージ)、そしてスポーツジムのトレーナーから紹介されて、受診したS整形外科の3つです。

整体は、後身の指導にもあたっておられる先生で、新しい取り組みにも研究熱心な方でした。腰と背中の手当てが中心だったことから、足の裏の痛みを改善するには向かないのではないかと勝手に解釈して、5回の通院で中止してしまいました(このことについて現在は、軽率な判断であったと反省しています)。手もみマッサージは、整体とちがい、筋肉を中心としたマッサージですので、受診後は大変に壮快です。練習後の疲労回復効果も大いにありです。しかし、その時点の自分の足の状態は筋肉疲労を通り越して、どこかが病んでいる。手もみマッサージで対処できる領域を超えている、という思いを強くし、いつの間にか整体治療に足が遠のいてしまいました。

S整形外科は、整体と同時期の2003年夏に診断を仰ぎました。レントゲン診断では、取り立てて異常は認められず、リハビリと湿布薬を受けたのですが、ランニングとの関連での状態と治療方針についての説明がほとんどありません。効果を実感できなかったので(これもまた、勝手に解釈して)3ヶ月で通院を中止しました。

9月下旬の完全休養に入ってから、知人から複数の治療機関の紹介をいただいたので、その一つのKクリニックの診察を受けることにした。Kクリニックは大学病院付属のスポーツ整形外科として同年4月に新設されたばかりです。スポーツ整形外科を看板にするだけあって、最新のリハビリの施設と専門スタッフを揃え、ハード面の充実には目を見張るものがありました。

Kクリニックの診断では「偏平足」(足の親指の付け根や小指の付け根と踵を結ぶ線が弧を描いてふくらむ立体的な骨格を形成しているアーチがあるが、これらが落ちてきた状態)と言われ、しばらくは走ることをやめて、湿布薬をつけることと毎週1回のリハビリ(レッグカールやタオルギャザー等の機能強化訓練)を行うようにとの指示でした。ここも、前述のS整形外科と同様、足の状態やどうすれば痛みがなくなるのか、などについての説明はまったくなく、いきなりリハビリというのは引っかかるものがあったのですが、まずは取り組むことが大切と思い、通院することに。

治療を受けながら考えたのは、痛みがなくならないうちにリハビリを続けていっていいものだろうか、という素朴な疑問です。私の場合は、長年は走り続けてきた金属疲労が重なっていろいろなところに痛みが生じてきたと思うので、「走る」ことに何かしらの原因があることは間違いがないのでしょうが、どのくらいの期間練習を休めば回復してくるのか、休むだけではだめで発症した根本的な原因を突き止めて、それに沿った治療を施す必要があるとか、そういった具体的な医師からの状況説明がないのです。

長期間にわたる治療は覚悟していましたが、何の見通しも示されないと言うのは患者にとって大変不安です。Kクリニックで受けているリハビリならば、メニューの説明を受ければ、通院しなくても毎週のように通っているスポーツジムで一人でもできそうなきがします。治療費もかかることだし・・・。なによりも、回復期ではないこのときに、あえてリハビリを行う必要性を理解することができませんでした。したがって、この治療も1ヶ月半でやめることになります。

患者はどうしても性急に治療効果を期待してしまうもので、外部情報に惑わされやすく、じっくり治そうとする意思と自己責任が必要であることを忘れがちです。一方、医師は患者に対して、もっとわかりやすい言葉できちんとした情報を提供し、見通しについての説明をする義務があるでしょう。「病は気から」といいますが、患者と医師との円滑なコミュニケーションは、体の回復に大きな役割を果たしているように思います。医師は、自分の言葉でわかりやすい説明をするべきだ、という思いを強くしました。それから、発症の原因がランニングですから(と推測されますから)、ランニングによる障害の治療経験や知識がどのくらいあるかについて情報を集めたうえで、医療機関を訪ねることが大切であると思います。
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by hasiru123 | 2005-07-19 23:23 | その他  

左足の故障から(1)

左足痛が出てから2年、外反母趾と診断されて5ヶ月が経ちます。約半年の休養期間を経て、「よちよち歩き」ならぬ「よちよち走り」で、ジョッグからLSDへと、少しずつ距離を踏めるようになってきました。ブレーキとアクセルを使い分けながら、慎重に歩を進めて行きたいと思っています。故障に取り組みながら考えたこととその途中経過について、3回に分けてご報告いたします。

  左足痛の発症経緯

「ヒトには約650種類の筋肉があり、その3分の2は腰から下についている」とおっしゃるのは『足の裏からみた体』の著者、野田雄二さんです。特に筋肉の集中している足には、多くの血管がはりめぐらされていて、第2の心臓ともいわれるそうです。その足を酷使するランニングが、故障のデパートといわれるのはここに起因しているのでしょう。小ブログのオーサーも、ランニングから生じた足の故障に悩まされています。
足の裏からみた体―脳と足の裏は直結している
野田 雄二 / 講談社
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2年位前から左足の裏(いわゆる土踏まず)に痛みが発生しました。さらに、昨年の初めからは左足の内踝が痛みだし、踵を地面につけたままでしゃがみこむ姿勢がとりにくくなりました。同年6月には、それらの痛みに加えて左膝の内側が痛くなり、ウィンドスプリント(慣性走)などの素早い走りができなくなってきました。それでも、ゆっくりの走りにはほとんど影響がなく、レースでもラストスパートのような早い動きをしない限りどうにか走れたので、6月下旬まではレースにも出場していました。ウォーミングアップでスピードアップさせたりするととても痛いのですが、レースでの1キロ4分くらいのペースで走る分には、何とか走れてしまうので、正直なところ走ることを中止しようという気持ちにはなれなかったのです。

7月になっても、一向に回復が見られず、正座もままならないことから、3週間完全休養をとることに。しかし、休養しても痛みが和らぐ兆しが見られません。そこで、軽いジョッグを行いながら様子を見ることに方針を変えました。8月から9月にかけての練習「量」は普段の7割程度で、「質」は半分以下。

9月中旬にランニングクラブの練習会で20キロ走を行ったところ、スローペースだったにもかかわらず7キロ地点で左膝の痛みが増して、走れなくなりました。歩きながら、近道をしてスタート地点まで戻ることに。レースか練習かを問わず、途中で走ることをやめたのは、私の記憶にない体験です。念のため、翌朝、様子を見るために80分のジョッグを行ってみたが、走れる状態ではありません。膝と内踝と親指の根元の3拍子そろった痛みには耐えることができずに、しばらくは完全休養が必要と判断しました。
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by hasiru123 | 2005-07-18 17:14 | その他  

第17回ランニング学会大会から


c0051032_20445048.jpg福岡市は、福岡国際マラソンをはじめ、ジョギングのメッカである大濠公園や、来年開催予定の世界クロスカントリー大会など、ランニングとは大変縁の深い都市です。その福岡市で、第17回ランニング学会大会が4月に開催されました。

ランニング学会から送られてきた資料を読んで思ったのは、今回の研究発表の特徴として、ランニングと脳との関連を取り上げたものが目立った、ということです。報告の中から、3つの論文についてその概要をご紹介します。

●ニコニコペースのジョギングが前頭葉機能を高める(脳を鍛える)ことが明らかになった。運動習慣のない高齢者が、マラソンのトレーニングと同等のことをでき、かつ同等の効果が得られる。加えて脚力が上がり、生活習慣病の危険因子が改善される。衰えた前頭葉機能と認知機能が高まることが証明されつつある。Nature誌で発表された「長距離走と人類の進化」をいう論文でも、人類は他の動物に比べて遥かにマラソンのような持久運動に向いていて、このような行動が人類の進化に貢献していることが論じられている。(田中宏曉「賢く走るフルマラソン」/福岡大学スポーツ科学部運動生理)

●ランニングによる神経栄養因子(BDNF)の変化が脳内で観察され始めたのは、今から10年前。自発的ランニングを行ったラットの海馬で、BDNFのメッセンジャーRNAを調べたところ、ランニングの継続期間や距離に比例して、増加が見られた。このことから、ランニングは記憶能力を向上させると考えられる。脊髄でも海馬と同様の傾向が観察され、脊髄と記憶との関連も興味深い。
BDNFは軽度発達障害の病院の一つであるセロトニン(5-HT)とも関心が深いことから、ランニングが軽度発達障害緩和への可能性を示唆している。(中野裕史「運動による神経栄養因子の変化」/中村学園短期大学人間発達学部)

●近年、赤外線を頭蓋を通じて脳の活動を調べる装置が開発され(fNIRS法)、頭部を動かしても記録できるようになった。これにより、ランニングと脳の関係が分かってきた。
1)2004年11月に、トレッドミル上で時速9kmで走っているときの前頭連合野が働いていることを初めて確認。
2)2004年11月発行のNature誌に発表された論文によると、ヒトが200万年前ころから、小動物を持久走で追いかけて横取りして食べるようになった。歩くことで、手が体が移動することから解放されて、脳と体が大きくなった。持久走ができるよう、体温調節能力を獲得した結果である。
3)前頭連合野は、ヒトが持つ機能で、複雑な課題を遂行することがわかってきた。習慣的ジョギングをすることで、最大酸素摂取量が高まるとともに、前頭極課題の成績が向上した。(久保田競「ランニングと脳」/日本福祉大学)

急速な高齢化社会を迎えていますが、長寿と脳の活性化は車の両輪のような関係にあると考えます。身体的な面だけが健康ということはありえません。健康は、脳の活発な働きとの相互支援の中で実現するものだからです。最近欧米で、脳の前頭連合野(前頭前野)機能は「Working Memory」と呼ばれ、この機能の低下が認知症を引き起こす大きな要因であることがわかってきました。言い換えれば、前頭連合野を活性化すれば、認知症を防ぐことができるということでもあります。

ランニングを継続的に行うことが、運動能力を規定する「最大酸素摂取量」と脳の「前頭連合野」の働きに関係するとなれば、大いに関心を抱かざるを得ません。ランニング方法(強度、頻度、年数など)や初期認知症予防などとの関連で、研究が深化することを期待したいと思います。
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by hasiru123 | 2005-07-14 00:18 | 話題  

若葉グリーンメイト夏季合宿に参加して

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酒宴の席で「以前に白河市で合宿を行ったのはいつだったか」が話題になりました。「8年前」と言う人がいれば、「10年前だったかな」と言う人もいました。 

そこで私は、過去に想いをめぐらせながら「前に白河へ来たときは、確か足底筋膜炎を患っていたから、96年の夏。つまり、9年前だよ」と。その場では何となく9年前ということになりました。

後で自分の「練習日誌」で確認してみたら、「9年前」が正しいことがわかかりました。足底筋を痛めていたときに、治療のことやら練習内容などの詳細を書きとめていたことから、過去の記憶を手繰り寄せることができたのでしょう。 

さて、本題です。今回の合宿の目玉は、1日目の持久走と2日目のマイルリレー(1600Mリレー)だったのではないでしょうか。1日目は晴れ上がり、酷暑の中でのランニングとなりました。30K走か3時間走、山岳RUNの中からの選択でしたが、各メンバーとも思い思いのねらいを達成できたのではないでしょうか。特に、熟年ランナーの粘り強い走りが光りました。 
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2日目の午前中は、インターバル走または60分JOGを行い、全天候のトラックを使ってのマイルリレーで合宿の最後を締めくくりました。1チーム4人が6チームに分かれて競いましたが、1位から6位までが17秒差と、大接戦でした。特に、1位のAチームはゴール直前で逆転し、3位と4位が同タイムとなるなど、緊迫したレース展開となりました。 

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これには、後日談があります。できるだけ切磋琢磨した展開にするために、前夜にKコーチと綿密なメンバー編成を行ないました。持久力、スピード、練習の疲労度、そして酒席での飲酒量などを勘案して、レベルの均等化を図りました。このことも、接戦の理由の1つに挙げてもいいのではないかと、自画自賛(?)しています。 

今合宿の運営には、Kコーチの全面的な協力を仰ぎました。また、メンバーをまとめてくれた幹事の方々には、計画作りからマネジメントまで、大変お世話になりました。お礼申し上げます。 来年は、さらに新しいメンバーを加えて、今年以上に楽しい集いとなることを期待しております。  
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by hasiru123 | 2005-07-07 07:52 | 練習