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夢のマラソン

レースを活用する

4月に行われた長野マラソンで、冬から春にかけてのフルマラソンは一段落というところです。5月から7月にかけての初夏のシーズンは、気温がぐっと上がって、暑さに慣れない身体には長い距離のレースは向きません。全国各地で5キロから10キロのロードレースが多く開催されるのもこの季節です。

学生や実業団の選手たちは、ちょうどトラックシーズンを迎えます。高校生ですとインターハイの地区予選が、大学生ですと地区ごとにインカレ(インターカレッジ/学生選手権大会)行われます。また、6月には国内の陸上競技最大のイベントである日本選手権があります。そして、一段のレベルアップを図るために海外遠征する選手もいます。

マラソンランナーまたはマラソンを目指すランナーにとって、5キロから10キロのロードレースやトラックレースに取り組むことは、大変重要な意味があります。それは、以下のようなトレーニング効果を期待できるからです。

①フルマラソンのスピードを磨くチャンスである
フルマラソンのペースは、5キロや10キロのレースペースと比べるとかなりゆっくりです。マラソンペースを超えたスピードの負荷をかけることによって、心肺機能が鍛えられ、マラソンのペースに余裕が生まれます。この余裕が後半のスタミナ(すなわち粘り)に大きく影響してきます。また、速いペースにチャレンジすることが可能となりますので、記録向上につながります。

②身体的な負荷が少ない
走る距離や時間が短ければ、使うエネルギー量や発汗量、内臓への負担や筋肉へのストレスなどが違ってきます。短い方が長いよりも身体的な負荷が軽いことは事実です。それだけ身体的な回復も早くなります。

③様々なトライアルが可能
スタミナに自信がなければ、前半はセーブして後半に力を出し切るレースをしてみようとか、目標のAさんにつけるところまで並走していこうとか、いろいろな走りを試すことができます。②であげたように、負荷が少ないだけに短期間に回数を重ねて行うことが可能です。

④スピードやスタミナを測ることができる
トレーニングの効果を測るためのタイムトライアルという位置づけで、本番へ向けてのテストができます。たとえば、後半のスタミナがついたかを試したい場合にも、10キロレースの場合でしたら、多くのランナーがペースダウンしやすい7キロ以降でどれだけ踏ん張れるかをチェックする、などです。

練習としてのタイムトライアルは、1人でもできないことはありません。瀬古利彦さんが『マラソンの真髄』の中で書いているように、シリアルランナーであれば日ごろの練習に取り入れることは可能です。しかし、市民ランナーの場合には単独で5000メートル走の計測を行うことは、精神的に厳しいものがあります。レースを利用すれば、楽しみながらタイムトライアルを行えると思います。

5キロから10キロのロードレースの機会は多いのですが、せっかく出場するのですから、いろいろなテストを行って、来るべき本番に備えていただきたいと思います。

ところで、雑誌「ランニングマガジンクリール」7月号では「マラソンランナー的スピード養成法」という特集が組まれています。ビギナー向けの基本的な記事とサブスリー向けの理論的な記事が掲載されています。参考にされるといいと思います。なお、同誌の特集を飾るグラビアに集団走の光景があるのですが、何とWGMのUさんとTさんの軽快に走る姿が写っていました。また、サプリメントの企画記事の中で、長野マラソンをサポートしたDREAMチームの面々が写っていました。私の記事とは直接関係ありませんが付け加えさせていただきます。
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by hasiru123 | 2007-05-27 18:30 | 練習

走るための健康を

埼玉県内にある近隣ランニング団体との情報交換会に出席した。この会合は、98年から毎年1~2回のペースで各クラブの取り組みなどについての情報交換と懇親を兼ねて行ってきたもの。

取り立てて重要テーマがないときでも、各クラブの近況報告や懸案課題などについて定期的にコミュニケーションを図ることに努めてきた。というのは、定期的に集まる機会があれば、共同で取り組みたいイベントや問題があったときに、気軽に相談することができるからである。大会で顔を合わせるだけではなかなかそうはいかない。

この会合に時々参加されていた鶴ヶ島E.R.C代表の関口浩明さんが、昨年の坂戸チャリティーマラソンのレース中に倒れ、その3日後に亡くなるという不幸があった。心筋梗塞だった。関口さんは市民ランナーであるとともに、鶴ヶ島グリーンロードマラソン大会の実行委員長を務めるなど幅広い活動をされた方だった。今回の会合の冒頭で、参加者全員で1分間の黙祷をささげた。ご冥福をお祈りします。

そういったこともあってか、今回は健康に関する話題が多かった。健脚のランナーでも、加齢による体力の衰えは忍び寄る。健康あってのランニング。日ごろから身体の養生に努めたい。

今回は新しく1団体が参加された。DREAMチームといって、かつてホンダで選手や監督を務められた方々が中心になって作った市民ランナーのクラブ。高いレベルで競技を続けたい選手を受け入れるとともに、競技経験を市民ランナー、ジュニア世代に伝え、走る楽しさを伝えるこをコンセプトにしている。走るだけではなく、クラブや学校などへの講師派遣といった地域貢献にも積極的だ。

それぞれのクラブが培ってきた運営のノウハウや経験と、DREAMチームのランニング技術がうまくかみ合っていけば、いろいろな試みができそうだ。1+1は2の足し算ではなく、掛け算の世界で、まさにDREAMが実現できるものと期待している。

6月に行われる恒例の合同練習会(鳩山RTRCと坂戸走友会共催)では、駅伝チームを作って参加するという。どんな走りを見せてくれるか楽しみだ。ちなみに、DREAMチームは「今日のDREAMチーム」というホームページをお持ちだ(ここをクリック → http://blogs.yahoo.co.jp/dream_menber)。

健康のために走るのではなく、走るために健康を持続させ、DREAMを現実のものにすることが、ランニングの目標である、ということを改めて認識した次第である。
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by hasiru123 | 2007-05-19 16:37 | その他

スポーツ写真

c0051032_11443344.jpg大型連休最後の日、スポーツと風景を撮った写真展を見た。100メートル走のゴールシーン。3000メートル障害でしぶきを浴びて水郷を越えるシーン。いずれも全国スポーツ写真コンクールで優秀賞に輝いた作品ばかり。

中でも目を引いたのは、高校女子100メートル走のスタートの一瞬を捉えた一枚だ。選手たちは右から左へ走ろうとしている。メーンスタンドから見るスタートは右へ向かうが、これはその反対。バックスタンドから望遠レンスで見る角度とも少し違う。クラウチングスタンドから飛び出す選手の目線なのだ。

これには後日談がある。撮影者は競技役員としてフィールド内にいて、たまたまスターターのそばでシャッターを切るチャンスに出会えた。上尾陸上競技場で行われたインターハイ北関東予選会でのこと。

「スタートの写真は第一歩が地面につく直前を狙うのがコツです」

春日部市に住む井上一さんが教えてくれた。井上さんは元埼玉県陸上競技協会会長で、24年間県立越ヶ谷高校の陸上部を指導した。円盤投げ日本記録保持者の八木下てる子さんを育て、同校の黄金期を築いた方だ。

写真歴は長いが、スポーツ写真は60歳から始めたそうだ。全国スポーツ写真コンクールは、毎年国体開催地で受賞作品が展示される。井上さんは選手・監督としてだけでなく出品者としても国体にかかわってきたことになる。「スポーツ写真よりも風景写真の方がよく見てもらえるので、今回は風景写真を中心に展示しました」

井上さんが上梓した『スポーツの技と心』(さきたま出版会)をいただいた。その中で、円谷幸吉選手(故人)の礼儀正しい生活態度について触れている。「勝負は技プラス心が備わらなければ勝てない」と、選手には厳しい生活態度を求め続けた指導者でもある。
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by hasiru123 | 2007-05-12 11:03 | その他

雑誌についてのコメントが続きます。

今年大阪で行われる世界陸上男子マラソンの日本代表5名は、すでに決定しています。しかし、選考レースの内定基準(日本人選手トップで、2時間29秒以内のタイムをマークした者)をクリアしたのは、福岡国際マラソンに出場した奥谷亘(SUBARU)ただ1人でした。1980年代から90年代にかけて、日本人選手が世界の男子マラソンをリードしている時期がありました。そのことを思うと、ちょっと寂しいですね。
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なぜ、このような事態になったのか。今後、日本人ランナーはどう戦うべきか。元マラソン五輪代表が一堂に会してディスカッションを行った内容が、「月間陸上競技」5月号で収録されていました。参加したのは、宇佐美彰朗氏、瀬古利彦氏、宗茂氏、中山竹通氏、谷口浩美氏、森下広一氏と司会の河野匡氏(陸連強化委員会男子マラソン部長)の7名です。

大変辛らつなな発言で気を引いたのは中山氏で、監督になってからの最近の印象として「選手は練習ができない、すぐ壊れる、治らない。さらに、見ない、聞かない、考えない」。また、「今の日本のマラソンで学ぶものはない。日本人選手は海外レースにどんどん出ていくべき」で、海外レースも代表選考にしてはどうかと問いかけています。

また、各氏が口々に語っていたのは、ペースメーカーがレースを誘導することによる弊害でした。森下氏は「30kmからのレースになってしまって、選手が考えなくなる」と指摘しています。30kmまではペースメーカーが引っ張っていってくれるわけですから、記録的には有利になるが、勝負所での強さが育たないというのです。同感です。

そのほかにも、ライバルの存在、選手と指導者の関係、「変えるのも」と「変わらないのも」など、多くの示唆に富んだトレーニング方法が語れれています。このディスカッションは日本陸連の男子長距離・マラソン研修会として行われたものだそうですか、ぜひ若いランナーに学んでほしいと思うことばかりでした。
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by hasiru123 | 2007-05-07 06:41 |