夢のマラソン

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「ランニング学研究」から(2)

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平成18年4月から介護保険制度が変わりました。改正ポイントの一つに「介護予防」を重視する仕組みへの変更があります。介護状態が軽度の人に対しては、介護予防を重視して介護度が進まないように状態の維持・改善に努めようという施策です。背景には、高齢化が加速し、介護保険の利用が急速に拡大してきたことがあります。

介護保険制度の財政的な事情以前の問題として、介護状態になってからの対応よりも介護状態にならないように(あるいは少しでも遅らせるように)事前の手立てを行う方が少ない労力で済みます。また、その方が前向きに取り組めます。そんな超高齢化社会が進行する中で、ランニングをはじめとする運動が介護予防の鍵であるという提言がまとめられました。

「超高齢化社会へ、ランナーからの提言 鍵は運動習慣にあり!」というタイトルで高齢者体力測定をベースに報告されています(報告者は京都府立医科大学の木村みさかさん)。

東京オリンピック以後、壮年体力テストが標準化されましたが、これは60歳未満が対象。「一般の高齢者の体力測定法に関する資料は皆無であった」ことが背景にあって、高齢者向けのバッテリーテストの事例に多くが割かれています。

簡便な持久性評価方法として紹介されているものに「シャトル・スタミナ・ウォークテスト(SSTw)」というのがあります。10mの置き床に立てられた2本のポールの間を、3分間にどれだけ速く歩けるかを測定するものですが、これは最大酸素摂取量との高い相関が認められるとのことで、安全性の問題から高齢者への測定が難しい最大酸素摂取量に代わる指標に使えそうです。

私が注目したのは、片足立ちで平衡性を評価するのに使用している「閉眼および開眼片足テスト」でした。閉眼で10秒以上、開眼で30秒以上できるのが一つの目安だそうですが、ほとんどの高齢者はそれぞれ5秒以下、20秒以下に分布しています。試しに自分でもやってみたのですが、閉眼片足立ちの10秒以上というのは、なかなか難しいのです(特に故障している左足)。これまでのデータからは、閉眼片足立ちは散歩程度の運動習慣を持つ者がない者よりも有意に優れ、、また開眼片足立ちは太極拳や気功、社交ダンスなどを行っている者はそれ以外のスポーツを行っている者よりも有意に優れているとのことです。平衡性は歩行能力と相関が高いのですので、継続的な運動が大事です。

7月28日の各紙の報道によると、日本人の平均寿命は、男性79.00歳、女性85.81歳で過去最高を更新したとありました。男性の20.6%、女性の43.9%が、90歳まで生きる計算になるそうです。長く生きられることは結構なことですが、健康で暮らせなければ意味がありません。適度な運動の継続で、前向きに生きたいものです。

私の所属している若葉グリーンメイトでは、今朝も約21キロのビルドアップ走を行いました。若い人は20代から上は60歳を越える人まで、みなさんよく走ります。こんな元気な集団でも、いずれは介護保険のお世話になる日が来ると思います。できれば介護状態になる日を少しでも先へ延ばせるならば、それにこしたことはありません。ランニングが高齢者の介護予防に役立てればありがたいことです。
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by hasiru123 | 2007-07-29 22:21 | 基礎知識

「ランニング学研究」から(1)

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「ランニング学研究第9巻第1号」が発行されました。年2回ペースでランニング学会が発行している研究誌です。その中から興味深い研究成果について、その一部をご紹介させていただきます。

ところで、今回の研究誌は108ページに及んでぎっしり論文が詰まっています。とても通勤の電車の中でさっと(執筆者に失礼)読み切れる代物ではない――。まず、巻頭に掲載されている論文「国内長距離ランナーにおけるクロストレーニングの実践状況」(吉岡利貢、鍋倉賢治)が眼を引きました。

クロストレーニングとは専門競技以外の競技を行うことにより、専門競技のパフォーマン ス向上を目的として行うことです。たとえば、プロ野球の選手がキャンプでの走り込みと称して長距離走を行ったりすることです。この論文では、国内の長距離ランナーのクロストレーニングの実践状況とその目的、さらに実践状況と障害の関係について分析がなされています。

調査対象は、実業団および大学で中長距離走を専門とする選手で、実業団2チーム、大学15チームの合計167名です。質問紙形式で、調査内容は、競技プロフィール、トレーニング内容、クロストレーニングに関する知識、調査時点での過去1年間の障害の有無など。

諸外国のトップランナーがクロストレーニングを用いてトレーニングプログラムを最適化することによって、障害の危険性を軽減しながら、かつ高いパフォーマンスを発揮しているのに対して、国内の状況はかなり異なるようです。今回の調査からは筋肉トレーニングを除いたランニング以外のトレーニング実践者は3割程度で、内容は自転車運動と水泳が多い。しかも、障害罹患期、リハビリテーション期での実践が多いと報告されています。通常のトレーニング期に行う方法としては取り組まれていないのが実態のようです。

また、クロストレーニングの意義についてはほぼ全員が認識しているものの、積極的に実践している者がほとんどいなかったとも報告されています。著者も触れていますが、クロストレーニング導入のメリットや方法が明確になっていないことが大きいようです。まずは、本研究のような本格的なデータと検証がいろいろな角度から行われる必要があるでしょう。今回は、実業団2チーム、大学15チームで行われましたが、標本を形成するグループにはかなりの偏りがあります。

それでは、私の場合はどうかというと――

外反母趾を患うまでは、ウエイトトレーニングを積極的に取り入れていました(過去形です)。目的は、長距離走に必要な遅筋繊維の強化と故障の予防です。また、疲労回復と故障したときのリハビリを目的にプールで水中歩行をしたり、自転車運動を行ったりしていました。このレベルでの取り組みは、競技者はもちろんのこと、市民ランナーでも珍しいことではないと思います。ところが、諸外国のトップランナーが行っているクロストレーニングの実践というのは、量、質ともにかなり異なるように思えます。その中身をよく吟味する必要があるでしょう。日本の競技者の意識やスポーツ振興のあり方にも関わることかもしれません。この辺にも、日本の長距離種目のレベルを引き上げるヒントが隠されているような気がします。

さらに踏み込んだ研究を進めると共に、ランニング専門誌でも積極的に実践例を紹介するなど、普及を図る必要があるというのが私の感想です。
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by hasiru123 | 2007-07-22 18:59 | 基礎知識

第一回DREAM記録会

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DREAM主催による初めての記録会(ここをクリック  )が開催されました。種目は5000mで、申告タイムによって5組にわかれました。キャッチフレーズは「箱根駅伝でおなじみの東洋大学で、真夏の夜を走ってみませんか」です。

台風4号の影響によるあいにくの大雨にもかかわらず、申し込みをされた方はほとんど出場したのではないかと思います。大変盛況なレースだったといえましょう。まずは、運営にあたられたDREAMのみさんと会場を提供してくださった東洋大学さんに対してお礼を申し上げます。

この記録会の目玉は何といっても浦田春生さんや早田俊幸さん(いずれもHONDA)をはじめとする往年の名ランナーがペースメーカー役を務めてくれたことでしょう。また、照明灯の下を走るナイターでのレースというのも市民ランナーにはあまり経験のないことだと思います。市民ランナーは概してトラックレースを敬遠する傾向が見られますが、長距離走の楽しみはロードレースだけじゃない、ということを知ってもらうためにも大変いい試みだったと思います。

私も久しぶりにレースに参加しました。故障した左足の回復はまだまだですが、少しずつスピードに馴化させていく一環の取り組みとしてちょうといいタイミングでした。前半抑え気味に入ったにしては後半伸びなかったな、というのが感想です。途中、早田さんに引っ張っていただきましたが、最後まで付くことはできませんでした。ここは、欲張らないで、ゴールまで走りきれたことで合格点をつけたいと思っています。

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WGMからは8名が参加しました。気象コンディションからすると、みなさん大変いい記録だったと思います。自己新を出した人が1名いましたし、15分台で走った2名は大変立派でした。また、4組目は東洋大学の選手たちによる3000mタイムトライアルでしたが、スピード感あふれる走りを見せてくれました。

WGMメンバーの結果は以下のとおりです。
第2組 Oさん18分22秒(自己新!おめでとう)、Mさん19分19秒
第3組 Tさん16分52秒、SYさん17分52秒、Sさん17分58秒
第5組 Fさん15分45秒、Uさん15分55秒、SAさん16分30秒

ある関係者は、企画に先立って「100名参加で3~4組出来れば、万々歳かな」と語っていましたが、悠に100名を越える参加者。まずは大成功だったといえると思います。9月末には2回目を開催するとのことです。これからの継続的な取り組みに期待しています。
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by hasiru123 | 2007-07-15 12:19 | 話題

レース前のウォーミングアップ

いよいよレースに向けて最後の調整です。いいウォーミングアップで、最高のパフォーマンスを発揮しましょう。ウォーミングアップを開始するにあたって、チェックポイントを挙げます。

①ウォーミングアップ用のウエアを使用する
よくナンバーカードをつけたウエアを着てウォーミングアップをしている人を見かけます。これは、初心者であるなしにかかわらずお勧めできません。暑い場合には汗でぬれてしまい、気持ちよくスタート地点に立てないのではないでしょうか。また、寒いときに早くからレーススタイルでジョグをしていると、身体が冷えてしまいます。ウォーミングアップが終わったら、頭から足まで身につけているものはすべて取り替えましょう。

②ウォーミングアップ用のシューズを使用する
ジョグのときには普段練習しているシューズで行い、レースでは専用のシューズを使いましょう。①と同じ理由で、ジョグで蒸れてしまったシューズよりもきれいなソックスとシューズで気分を一新させましょう。気をつけていただきたいのは、ソックスもシューズも新品はダメです。まめを作る原因になりますので、必ずは履きならしたものを使用してください。

③ナンバーカードのついたウエアを準備してあるか
ナンバーカードを安全ピンでつけるのは、意外と時間をくうものです。前もってつけておきましょう。

④レース時と同じ時計を必ず身につける
時計はつけかえない方が間違いがなく安心です。

⑤ジョグに使うコースは決めてあるか
サブトラック、グラウンド、裏道などいろいろありますが、一番走りやすいと思うコースを決めておきましょう。あまり遠くまで行くと大会本部からのアナウンスが聞こえなくなりますので、気をつけてください。

⑥ウォーミングアップ前とスタート前に使用する飲料はあるか
必要なときにいつでも取り出せるように手元においておくと安心です。

⑦トイレは済ませたか、またスタート前に使用できるトイレは確認したか
ウォーミングアップ直前に済ませてあっても、スタート前にもう一度言っておくといいでしょう。というのは、ウォーミングアップ前補給した水分が、排尿となるには多少時間がかかるので、スタート前にたまっていることがあるのです。

ウォーミングアップの内容とそれにかける時間は個人差がありますが、一般的にはトラックレースや駅伝など距離が短い場合には、念入りに行います。反対に、フルマラソンのように距離が長い場合にはあまり時間をかけないで軽めに行います。前者の場合には、スタートの早い段階からエンジンが回転させる必要がありますし、後者の場合にはあまり長いジョグでスタミナを消耗させないように気をつける事が大事です。

これらのことを確実に行えるよう、予め行動予定表を作成しておくとよいでしょう。できれば、起床からスタートまでの大つかみのものと、ウォーミングアップ開始からスタートまでの詳細なものを準備しておくと便利です。1分たりとも無駄にしないために、また心のゆとりを持つためにも有効です。たとえば、ウォーミングアップ開始からスタートまでの場合は、こんな具合です。

8:50-9:00  ゆっくりウォーキング
9:00-9:10  ストレッチ
9:10-9:25  ビルドアップ的なジョグ
9:25-9:30  ウィンドスプリント150m×3本
9:30-9:35  ゆっくりウォーキング(着替えをする場所に戻る)
9:35-9:45  着替え、もう一度軽いストレッチ、最後のトイレと給水
9:45-9:50  スタート地点へ移動
9:50-10:00 シューズの紐、大会本部指定のICチップ装着、ウォッチの設定などの確認、祈祷 
10:00      スタート 
         (筆者が04年奥日光パークマラソン20Kに出場したとき)

行動予定表は、レースの距離や会場の状況、天候、身体コンディションなどによって微妙に変わります。これを前の晩に作成するのも、レース参加の楽しみの一つではないでしょうか。

レース経験を重ねるうちに、ベストコンディションの作り方が身についてきます。いいスタートを切って、ニコニコペースで走り、笑顔でゴールインできれば最高ですね。
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by hasiru123 | 2007-07-08 22:42 | 練習

夏季合宿の報告

寝苦しい夜が続くと思ったら、もう7月。私の所属している若葉グリーンメイト恒例の夏季合宿が行われました。回数は正確に把握していませんが、少なくとも私が所属するようになってからは毎年行ってますので、20数回目ということになるでしょうか。6月30日-7月1日の2日間にわたり、新潟県湯沢町にある浦子の湯高野屋を拠点に初夏の森林浴ランニングを楽しみました。

当地での合宿は3回目を迎えましたが、これまで私は参加する機会に恵まれず、初参加です。練習コースは、例によって起伏が多く、その嚆矢は飯土(「いいじ」と読む)山の往復ではないかと思います。富士登山競争を目指す人はもちろん、そうでない人も多数が挑戦しました。
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練習の内容は、上の表にある4つのコースを組み合わせて行いました。距離の長さや高低差などにバリエーションがあって、いろいろな組み方ができます。さらに番外コースとして、自主的に湯沢中央公園陸上競技場のトラックを使った人もいました。このトラックは土のコースで、よく手入れがされていました。次回ここで行う機会があったら、メニュに取り入れてもいいのではないかと思います。とても走りやすいトラックです。

湯沢町での合宿の初参加組みは、私を含めて9名。難しいコースだっただけに、筋肉痛に見舞われた人も見られました。合宿はまたとない集団練習の場ですから、質、量ともにふだんよりも強めのメニューとなるのはやむをえないところでしょう。ただし、トレーニングの結果が次のステップにうまくつなげなくては意味がありません。オーバートレーニングにならないよう、メニューを自己管理することが大事だと思います。

オーバートレーニングの目安の一つが「筋肉痛」が発祥したかどうかです。日ごろから走っている人には、レースを除いて筋肉痛が起こる経験はあまりないでしょう。オーバートレーニングは、超回復効果によってプラスに寄与することがあれば、反対に故障というマイナスに働くこともあります。ぜひ気をつけていただきたいと思います。

合計で4度走って4食して、4回温泉につかりました。まさにランニング漬けの生活でしたが、残念ながら1泊2日で終わり。この練習をきっかけに、夏のトレーニングに生かしていただければと思っています。ちなみに、今回の合宿テーマのサブタイトルは「ランナーは夏に身体を絞る」でした。参加者は23名でした。また、準備から運営まで、全体ととりまとめていただいた2名の幹事さんには、この場を借りて、お礼を申し上げます。

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by hasiru123 | 2007-07-02 23:15 | 練習