東京五輪招致

2016年夏の五輪開催地に立候補している東京の招致委員会が開催計画書を国際オリンピック委員会(IOC)に提出した。10月の最終選考に向けてシカゴ(米国)、マドリード(スペイン)、リオデジャネイロ(ブラジル)との競合が本格化する。

東京都は計画書提出に先駆けて、昨年12月に「オリンピック及びパラリンピックの2016年東京招致に関する世論調査」というのを行っている。「あなたは、2016年東京五輪招致に賛成ですか」という設問で、「賛成」「どちらでもない」「反対」の3択で聞いている。もし、私が回答するとしたら「どちらでもない」を採るだろう。

その根拠は二つある。まず一点は、東京で「二度目」の開催の前に、世界にはまだ開催されていない地域が多く残されていて、時期尚早ということである。たとえば、今回立候補しているリオデジャネイロのある南米だ。そして、アフリカ。単独開催が難しければ、共同開催という方法もある。

それから、戦渦の絶えない中東がある。東京が大会理念として掲げている「平和に貢献する/世界を結ぶ五輪」をこれらの地域にそっくり譲りたいところだ。また、冷戦の影響を強く受け、西側諸国の集団ボイコットで片肺飛行を余儀なくされたモスクワや旧東欧諸国などもグローバルな意味での五輪はまだである。わが国には、まだ五輪の開催されていない地域が早く実現できるよう後方支援するという国際貢献が残されているように思う。

もう一つの根拠は、再び東京で五輪をやるのであれば、国の内外に対して「なぜ二度目なのか」をしっかり説明する必要ということだ。IOCは、五輪の肥大化を抑える方針を打ち出している。東京都は、二酸化炭素の排出を抑え、メーンスタジアムや選手村ができる晴海、有明地区を中心に緑化を進めて、約七割の競技を既存施設で行い、都心の半径八キロ圏内に集約させるという。

「コンパクト」を前面に出した方向性は間違っていない。これをさらに押し進めて、100パーセント既存の施設を使用して、スリム化を図ってはどうだろうか。メインスタジアムには、92年世界陸上で使用した国立競技場や、サッカーワールドカップの決勝に使用した横浜スタジアム、そして埼玉スタジアムなどもある。また、16年に復活が期待されている野球の施設には事欠かない。宿泊施設などのインフラや交通網が充実していることも強みだ。五輪の度に開発で都市がひっ繰り返される事態は避けたいものだ。

これまでの五輪史を塗り替える快挙となることは間違いない。そういった環境下での開催であれば、諸手をあげて賛成したい。私の回答は「どちらでもない」というよりも、条件によって「どちらでもある」といった方が正確かもしれない。
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by hasiru123 | 2009-02-22 23:00 | その他

企業スポーツを考える

スポーツ社会学を専門に研究している森川貞夫さん(日体大教授)が、毎日新聞のインタビューに答えている。「企業が運動部を利用した挙げ句、突如活動を中止させるのは、<派遣切り>と一緒である」。企業チームの休廃部が続出する現状を、そう表現する。「何千人もの従業員を解雇するための<いけにえ>としてスポーツを利用しているからではないか」。

2月9日に、日産自動車が野球部と卓球部、陸上部を休部すると発表した。日産自動車は、長距離種目とも関係が深く、過去にマラソンの工藤一良や森田修一、3000mSCの山田和人などの名ランナーを輩出している。特に、工藤は87年の福岡国際マラソンで、日本人3位に入り、同大会を欠場した瀬古利彦とソウル五輪の3人目の代表をめぐって話題となった。

昨年秋の金融危機以降の企業スポーツ団体の動きとしては、昨年10月にファイテンが12月末で陸上部を廃部を発表し、12月にホンダがF1活動から撤退、プリンスホテルがアイスホッケーチームを廃部を決めた。今年に入って、ホンダの男子ハンドボール部の日本リーグからの撤退を発表。90年代の経営危機で、2チームを存続させて乗り切った日産だが、今回の休部は、今後の他社への影響が心配である。

一方、トヨタ自動車は運動部の継続を明らかにしている。同社の宮崎直樹常務役員によると、経費の見直しが運動部に及ぶことに対して、「逆に選手は燃えている」という。「厳しい状況の中で、自分たちが頑張ってみんなに勇気と活力を与えるんだと。それを見て、従業員も前向きな気持ちになって難局を乗り切っていこうとする」(2月12日毎日新聞)。

このような企業スポーツの動向は、各種スポーツ大会の開催にも少なからず影響を及ぼすのではないだろうか。競技の大会開催についても企業のかかわりが深い。大会を実行するには、入場料や参加料に加えて企業による協賛金や広告料によるところが大きい。もし、企業からの支援がうち切られたならば、たちまち大会の運営が立ち往かなることは目に見えている。これからのスポーツイベントのあり方について、競技団体だけでなく、企業そして一般の参加者がともに考えていく必要がある。

ちょうどタイミング良く、毎日新聞が「逆風の中で/企業とスポーツ」というテーマで、企業とスポーツの関係について識者に聞く9回にわたる連載記事が始まった。社会人野球や実業団陸上などと積極的に関わってきた同紙らしい企画である。この逆風は、企業スポーツのあり方、スポーツ団体の財政的自立、企業に寄りかからないパートナーシップなどを考える上で、むしろ好機といえまいか。
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by hasiru123 | 2009-02-15 19:27 | その他

第21回ランニング学会大会についてお知らせします。今回は、2009年3月28日(土)から29日(日)にかけ、大阪学院大学(大阪府吹田市)で開催されることになりました。
 
一般向けプログラムとして、トレイルランニングの第一人者、鏑木毅氏を迎えての特別講座が予定されています。同氏は、雑誌等でトレイルランニングの普及に努めておられ、テクニカルな面でのアドバイスが楽しみです。

また、学会員と指導者を対象にしたプログラムでは、伊藤章氏(大阪体育大学)、河野匡氏(大塚製薬陸上部監督・日本陸連マラソン強化部長)、榎本靖士氏(京都教育大学)とのシンポジウム「ランニングフォームの最新型」、キーノートレクチャー「ランニング動作とストレッチ・ショートニング・サイクル-プライオメトリックスの可能性-」図子浩二氏(鹿屋体育大学)、「ランニングにおける貧血の実態と改善策」土屋和之氏(土屋医院院長)、「疲労物質ではない乳酸から見たランニング」八田秀雄氏(東京大学大学院総合文化研究科)でランニング科学に関する最新の知見を提供してもらえるものと思います。

さらに、パネルディスカッション「ランニングイベントの将来像」やランチョンセミナー「心拍トレーニングの実際」佐藤光子氏(ポラールランニングアカデミー)において、ランニング科学の理論を現場に生かすための工夫について、提言が予定されています。また、マイケル・サンドロック氏(ランニングライター)を迎え、海外招待講演「世界のトップランナーのトレーニング」があります。

非会員についても、両日の参加が可能とのことですので、旅行や出張の予定のある方は、一度足を運んでみることをお勧めします。

<スケジュール>
第1日目  平成21年3月28日(土) 受付 8:00~
9:00 第21回大会長挨拶 山内 武(大阪学院大学)
9:10-10:00
ヤングリサーチャーレポート
  「筋量測定から見えてくるもの(仮)」 
             山田 陽介(京都大学大学院)
10:00-11:00 一般研究発表 1日目
11:00-11:15 特別展示 「女性ランニングの歴史(仮)」
             岡尾 恵一(立命館大学)
12:10-13:10
キーノートレクチャー I
  「ランニング動作とストレッチ・ショートニング・サイクル
        ープライオメトリックスの可能性ー」
            図子 浩二(鹿屋体育大学)
13:20-14:50
シンポジウム 「ランニングフォームの最新型」
 シンポジスト
   「短距離の立場から」伊藤 章(大阪体育大学)
   「指導者の立場から」河野 匡(大塚製薬陸上競技部・日本陸連マラソン強化部長)
   「ケニア人と日本人ランナーのランニングフォームの比較」榎本靖士(京都教育大学)
15:00-16:30
海外招待講演
  「世界のトップランナーのトレーニング」
   マイケル・サンドロック(ランニングライター)
16:40-17:40 総会
18:00-20:00
懇親会

第2日目  平成21年3月29日(日) 受付8:30~
7:00-8:00 モーニングラン 佐藤光子(ポラールランニングアカデミー)
9:00-10:00 一般研究発表 2日目
10:00-11:00 キーノートレクチャー II
  「ランニングにおける貧血の実態と改善策」
     土屋 和之(土屋医院 院長)
11:10-12:10
キーノートレクチャー III
  「疲労物質ではない乳酸からみたランニング」
     八田 秀雄(東京大学大学院総合文化研究科)
12:20-13:20 ランチョンセミナー(共催:キャノントレーディング株式会社) 
  「心拍トレーニングの実際」 佐藤 光子(ポラールランニングアカデミー)
13:30-14:30 市民公開シンポジウム(参加無料)
a.特別講座 
   「トレイルランニングの現状とその将来性について」
     鏑木 毅(トレイルランナー)
14:40-15:40
b.パネルディスカッション
   「ランニングイベントの将来像」
15:50-16:50
c.ラウンドテーブル
    アミノバリューランニングクラブ
17:00 閉会
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by hasiru123 | 2009-02-08 22:41 | 話題

09年奥むさし駅伝

新春恒例の第7回奥むさし駅伝は、1月25日(日)に東飯能駅西口前をスタートし、西吾野駅前で折り返す6区間(38.8キロ)のコースで行われました。選手および応援にあたったみなさん、早朝から寒中をお疲れさまでした。

今回は一般の部に、WGM関連団体から2チーム(昨年より1チーム減)が参加。若葉グリーンメイトは、2時間19分48秒の52位でゴールしまた。また、青葉クラブは、途中で繰り上げスタートとなりましたが、114位と健闘しました。
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一般の部は、HARUO URATA(中央大学)をはじめとする大学・実業団チームを含む157チームが参加し、レベルの高いレースを展開しました。1区では、箱根駅伝の5区(山登り)で区間新記録の活躍を見せた柏原竜二(東洋大B)が2位以下を大きく離す区間新記録でタスキをつなぎました(写真上)。大学チームが5位までを独占し、今年は大学の強さが光りました。

若葉グリーンメイトは、直前に2名が入れ替わるなどのアクシデントが影響して、順位を13下げました。記録は2時間19分48秒(前年差+2分37秒)でした。しかし、出場した選手はそれぞれの持てる力を確実に発揮したと思います。5年連続で1区を走ったTtさんは34分台でまとめました。2区のShさんは、昨年の記録を35秒短縮して、存在感をアピールしました。

急きょ3区を担当したTsさんは、練習不足が心配されましたが、予想タイムを大きく超える区間73位の大健闘でした。4区のSさんは、区間39位で順位を3つ上げました。この区間での出場は初めてです。

5区はOさんです。区間タイムは昨年を下回ったものの、順位はさらに3つ上げました。アンカーのSyさん。33分台でカバーしました。この区間は、1区に次ぐ長丁場で、並みいる強豪がひしめく区間での経験は今後に生きると思います。
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青葉クラブの2区を担当したSさんは、前回を1分16秒も上回る好タイムで、女性ながら7人抜きを演じました。この1年間の伸長はめざましいものがあり、今後の個人レースの活躍が楽しみです。

レースの詳しい結果は「飯能市のホームページ」(http://www.city.hanno.saitama.jp/taiikuka/ekiden/documents/7-ippann.pdf)に掲載されていますので、合わせてごらんください。

(写真下) 続々と第1中継所に飛び込んでくる選手たち
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by hasiru123 | 2009-02-02 23:47 | 駅伝