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夢のマラソン

ごみゼロとランニング

フルマラソンよりも長い距離を走るウルトラマラソンやトレイルランが盛んである。自然や人との触れ合いを楽しめることに惹かれての急増と思われる。たしかに、「自然の中で行うランニングはエコである」というイメージが一般にはある。

しかし、東京マラソン2012のホームページに掲載されていたランナーのマナーについての注意書きにはこうあった。「自ら持参するサプリメント、食べ物などのゴミを道路や歩道に捨てないでください。給水の紙コップやペットボトルはそれぞれの給水所にあるゴミ箱を利用してください。その他の手持ちのゴミは、持ち帰ってください」

私が応援に行った時の東京マラソンでは、半数を超えるランナーが通過するころには、各エイドステーションの周辺は紙コップのゴミの山となっていた。ゼネラルドリンクや給食類がこぼれ落ちて、滑りやすくなっている。コース上でつばを吐くランナーも少なくない。

東京マラソンでかりに一人のランナーが5キロごとに8回給水したとすると、およそ25万個の紙コップが消費される計算になる。このマラソンには、ごみを減らし、循環型社会を構築していくためのキーワード(3R)で一番大切なはずの「リデュース(ごみの発生抑制)」が抜け落ちているのではないか。ゴミを出さないためにランナーにできることは何か、ごみゼロ運動に参加しながらそんなことを考えた。

川越市では、今日一斉に各地域でごみゼロ運動が行われた。私が住む町の自治会が行なったのは三芳野神社と初雁公園周辺の清掃だったが、その近くを新河岸川が流れている。私が最近気になっているのは、一時期に比べて新河岸川の水が浄化されたといわれるが、それでも生活ゴミが散見されるのである。ペットボトルをはじめとして食品の空き箱やレジ袋など。川を流れるゴミはいくつかの川に合流して、最終的には海へ流出される。この辺なら東京湾である。ゴミは、さらに暖流や寒流に乗って世界各地に流される。
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北西ハワイ諸島には数少ないコアホウドリが生息している。コアホウドリは雛に餌を与えるために海から餌を採っているが、その中には親が誤って漂流したプラスチック製のゴミ(たとえば百円ライターなどの破片)を採って雛に与えてしまうケースがある。ゴミで雛が内蔵を傷つけられて死んでしまうこともあるという。ゴミの中身を調べると、日本を含む東アジアで捨てられたと思われるものが多いのだそうだ。
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これは、昨日開かれたかわごえ環境ネットの総会で、ある部会長からの報告の聞きかじりである。捨てられたゴミが遠く離れた無人島の海鳥たちに影響を及ぼしていることは、不明ながら驚きだった。日本の近海に浮かぶゴミが北西ハワイ諸島に流れ着くということは、その逆もアリだろう。ゴミを、うかつに捨ててはなるまいぞ、そいう気持ちを強くした。


(写真上)三芳野神社の境内にある広場での清掃風景
(写真下)「とうりゃんせの細道」でゴミ拾いをする自治会員
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by hasiru123 | 2012-05-27 22:18 | マラソン

走友会とは(3)

先に、走友会を変えていくには「マニュフェスト」を作るなどして長期的にじっくり進めていくのがよい、という趣旨のことを書いた。そして、マニュフェストできちんと会の方向を指し示し、評価サイクルが動くことは、走友会に集う会員の意識が変わり、積極的に考え、行動することにつながる、とも書いた。理想論かもしれないが、そういう将来の絵を描くことは、必要である。

ところで、昨日毎年行っている近隣走友会の情報交換会に参加した。出席した走友会の代表者の報告からはマニュフェストを作って、長期的な戦略を持って変えていこうというところはなさそうだった。

結果として、会員が固定化し、平均年齢が毎年1歳ずつ高くなるのだという報告があった。「加齢による体力低下や故障から、ゆっくりランやウォーキングに切り換える人が増えている」という。多くの仲間で走ることが少なくなり、個人で好きなときに体力に見合った距離を歩いたりジョギングしたりするようになったとも語っていた。

走る距離や時間が短くなったりするばかりでは会の今後が心配だ。しかし、走ることに対する熱意や希望は衰えることがなく、次の世代に伝えようとする活動は積極的だ。ある走友会では、毎年自治体から補助金を拠出して「初心者向け健康ジョギング教室」に取り組んでいる。また、昨年から大学や自治体をの共催でスポーツ教室を開いたり、毎年元旦マラソンを主催して地元に恒例行事として定着しているところがある。グリーンキャンペーンと名付けてトレイルランのコースの清掃活動を定期的に実施しいるクラブもあった。

これらのキーワードは「協働」である。楽しくなければランニングではないのは当然のこととして、楽しみを共有することから贈与することへの変化が感じられる。大きな進化である。

ところで、若い世代のランナーの加入を促進させて、大学の選手たちと一緒になってトレーニングを行うなどの変身を遂げつつある会もある。練習の厳しさもさることながら、これらのチームに冠したいキーワードは「女性」「子供」「ネット」だ。わがクラブも他の走友会から学ぶところ大である。
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by hasiru123 | 2012-05-20 23:21 | 練習

走友会とは(2)

走友会でも「成長」は必要である。

この場合財源などの規模の拡大は問題ではなく、走る仲間の輪の広がりこそが走友会の将来を左右する大切な課題だと思う。右肩下がりのこの時代に「成長」という言葉はふさわしくないかもしれない。しかし、走る仲間の輪を広げるという意味で走友会にも「成長戦略のシナリオ」は欠かせない。これがないと、マラソン大会などに参加する市民ランナーの増加の流れに乗り遅れる懸念がある。

歴史のある走友会ほど世代が固定化する傾向があるようだ。というのは、走友会を立ち上げた世代が多く残っていて、発言権や影響力が強いのが普通だからである。世代間の垣根があって、若い世代との交流が活発でないと、一定の世代で固定化されやすい。グラフにたとえると、「かつては極端なたこつぼ型だったのが現在は逆ピラミッド型」というケースが、その一例である。

雑誌「ランナーズ」が毎年公表している「フルマラソン1歳刻みランキング」から集計してみたところ、フルマラソンを完走した人の年代構成比は次のようになっていた。20代17%、30代29%、40代29%、50代17%、60代以上8%(2010年度)。フルマラソンという長い距離のレースであることを割り引いても、グラフにしたら現在のランナーの集団の形は概ねたこつぼ型といえるだろう。

当然のことながら、走友会の性格や特徴によって年代構成比は自ずと異なるが、上記の比率は意識しておいていいだろう。もし極端な逆ピラミッドだったりしたら、なぜかと考えてみる必要がある。もしかして、これからの成長を阻む要因が潜んではいないかと。

しかし、だからといって「若い世代を早急に取り込まなければ」などと、焦ることはない。私の提案はこうである。政党では今はやりの(「かつてはやりの」というべきかもしれないが)、「マニュフェスト」を作ってみてはどうか。走友会が長期的に改善していく必要のある課題を整理し、計画を立てて実行し、そして評価するのである。

たいていの走友会は各種団体と同じように1年サイクルで回していて、総会などで活動結果を報告したり、活動計画を立てたりしている。短期的には1年サイクルで問題ないが、会をどう変えていくかという取り組みは、長期的にじっくり進めていくのがよいと思う。そのためには、実行性のある「マニュフェスト」があると後に評価がしやすく、人が変わっても引き継がれることが可能だ。

いわゆる「見える化」である。そして、なによりも「マニュフェスト」で評価サイクルが動くことによって、走友会に集う会員の意識が変わり、積極的に考え、行動するようになることが期待できる。
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by hasiru123 | 2012-05-13 20:05 | 練習

走友会とは(1)

「かつての市民ランナーはよく学んだが、最近のランナーは・・・」という声を市民ンランナーの指導者から聞くことがある。これにはいろいろな側面があって、一概に言い切ることはできない。市民ンランナーのランニングについての学習状況について、ランニング学会理事の山中鹿次さんは、ランニングブームの初期のランナーと比べて走ることについて学ぶ意欲が薄れている理由として以下の2点をあげている。

1 初期のランナーは自分たちで走友会を立ち上げ、試行錯誤してきたパイオニア精神があったが、ベテランとなった時点で惰性から学ぶ必要性を感じなくなったこと

2 ホノルルマラソンの娯楽化や国内の大会増加で、ビギナーがすぐに大会に出てしまうこと(ランニング学会「今日からはじめる実践ランニング読本」)

山中さんが同書の「ランニングの社会学」という章で書いたのは2001年のことだが、10年以上経過した現在でも、その指摘は当てはまる。ただし、その後のランニング環境の変化により、私はもう2点を加えたいと思う。それは、

3 雑誌媒体やネットを利用することによりより簡単に情報や知識を得られるようになったことで、セミナーに参加したり走友会にコーチを招聘したりしなくても済むようになったこと

4 ランニング人口の急増により、総体的にビギナーの占める割合が高まったことから、結果として熱心な学習者比率が落ちた(ように感じられる)こと

4については、笹川スポーツ財団が行なった「成人のジョギング・ランニング実施率の推移(1998年~2010年)」の調査結果から知ることができる。「週2回以上走る」という人の割合が2002年には2.1%だったのが8年後には4.2%と2倍以上に増えていることからもうかがえる。ランニング愛好者の増加を一過性のものにしないためには、各ランナーが積極的に学ぶように働きかけるにはどうしたらよいか、という視点で考えたい。以降、走友会についてのあり方について書いてみる。
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by hasiru123 | 2012-05-07 23:19 | 練習