6月17日(日)は、恒例の鳩山合同練習会が行われた。前夜から降り続いた雨が心配されたが、開始の9時前にはすっかり上がり、この時期としてはまずまずのコンディションで走ることができた。1周約5キロのコースを駅伝方式で周回するもので、40チームの約200名のランナーが汗を流した。
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今年は、参加した石川眼科チームの監督である石川克也さんの計らいで、昨年世界陸上女子マラソン代表の野尻あずささんといっしょに走ることができた。ただし、私もWGMの駅伝メンバーとして1区を走らせてもらったので、野尻さんの力走を直接応援することはできなかった。
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野尻さんは、マラソンランナーとしては異色のキャリアを持つ。ノルディックスキーの選手として2010年のバンクーバー冬季五輪を目指していたが、出場することなく、マラソンへ転向した。第一生命に所属し、初マラソンは10年1月の大阪国際女子マラソンだった。昨年4月のロンドンマラソンでは2時間25分29秒の日本人2位に入り、世界陸上の代表に選ばれた。陸上に本格的に取り組んで3年。まだまだこれからの伸長が期待できる。
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練習後の懇親会のときに伺ったところでは、高校と大学ではもっぱらクロスカントリースキーをやっていて、ランニングはスキー練習の一環として取り組んでいたとのことだ。短期間でこれだけの記録をマークできたことに驚いている。スキー競技とマラソンとの相関関係もさることながら、マラソンへの適性があることの証明だろう。今秋以降の大会に注目すると共に、マラソンをもっと面白くしてほしいと期待している。

一方、わがWGMの方は、今年久々に5チームを編成した。ベストオーダーで臨んだAチームが、全体の2番目の記録でゴールイン。WGM会員以外の選手も複数含まれていたが、ぜひとも同じタスキをつないだこの経験を忘れないで。そして、できればわがクラブの籏の下に、などと余計なことを考えてしまう。

この練習会は、第1回目が開催されてから来年で30周年の節目を迎える。主催者からは早くも、来年は記念になるイベントにしたいとの声が聞こえた。次ぎの10年につながるいい企画が生まれることを、これまた期待したい。


(写真上)練習開始前の開会式で
(写真中)野尻選手のあいさつ
(写真下)スタート地点周辺の池面に映った新緑風景
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by hasiru123 | 2012-06-24 23:22 | 練習

今回の日本選手権に先立って、6月2日と3日に女子七種競技と男子十種競技の日本選手権が、長野県で行われた。男子の右代啓祐(スズキ浜松AC)が五輪のB標準記録を突破し、なおかつ8000点を超えて、3連覇を達成した。右代は11日に代表に選ばれた。同種目では48年ぶりの代表だそうである。

十種競技は、1人が2日間で100m競走、走り幅跳び、砲丸投げ、走り高跳び、400m競走、110m障害、円盤投げ、棒高跳び、槍投げ、1500m競走の10種目を行い、総得点で順位を競うものだ。混成競技は、欧米などで若いアスリートに人気が高く、勝者は「キング・オブ・アスリート」の称号を得る。

その十種競技の大会で2位に入ったものの、惜しくも代表には選考されなかった選手で、十種競技外の400m障害で代表に選ばれた選手がいる。中村明彦(中京大)である。中村は同種目の決勝でA標準を上回る49秒38で2位に入った。準決勝に続くA標準の突破で、高いレベルの接戦を乗り切った。混成競技に取り組む選手はもともとオールラウンドな素質を持っていて、その中の種目がトップレベルに達しているというケースはよくあることだ。しかし、400m障害は十種競技には含まれていない。合わせて11の種目をこなすパワーに驚いている。

昨年の日本選手権では、十種競技、400m障害ともに5位だった。それが、今年は両種目ともにステップアップして、2位。十種競技も400m障害も、伸び盛りのタフな選手なのだ。十種競技には、100m、400m、110m障害といった400m障害に関連した種目がある。今後は、種目の壁をつくらないで、十種競技の可能性にも挑戦してもらいたい。相乗効果を発揮して、どちらも(十種競技も400m障害も)世界の強豪に立ち向かえる実力を磨いてほしいと期待している。

一方、女子の400m障害にもドラマがあった。

決勝は、すでにA標準をクリアしている久保倉里美(新潟アルビレックスRC)にB標準を超えている田子雅(J・VIC)と青木沙弥佳(東邦銀行)がどこまで迫れるかに衆目の関心が集まっていた。結果は、久保倉が55秒98で優勝し、代表となった。田子はこのレースでA標準を突破して最低でも久保倉に次ぐ順位で入らない限り代表の座を確保することができない。

3レーンの田子は、スタートから積極的に飛ばした。第4コーナーを回る9台目の障害までは、久保倉を抑えてトップをキープしていた。ところが、最後の障害を超えたところでバランスを崩して転倒。久保倉が2位以下を大きく話してゴールした。

最下位となった田子は転倒しなかったとしても、おそらく9台目まででエネルギーを使い果たしていたように思えた。確かに、久保倉を意識した逃げ切り作戦は大きな賭けで、明らかにオーバーペースだった。もう半歩余裕をもってペース配分していたら、と惜しまれるところだ。しかし、これでよかったのではないか。代表の座に2番目に近いところにいる選手が上位者に記録と順位の両面で対抗するためには、これ以外にないと思うからだ。8位の1分26秒02という結果は、五輪出場を賭して戦った証しとして、見た人の記憶に残るだろう。
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by hasiru123 | 2012-06-17 20:52 | 話題

1日目は、降りしきる雨の中での競技となった。この日の長距離種目の決勝は男子5000メートルと女子1万メートル。両方とも手に汗を握る見ごたえのあるレースだったが、その内容は対照的だった。

まず、男子5000メートル。参加標準記録のA突破者はなく、B突破者はいるもののこのレースには出場していない。こういう場合の上位を目指す選手たちの目標は、この大会でB標準をクリアして優勝することだろう。優勝だけを狙うという目標もありだが、4年に1回ある五輪年の日本選手権に巡り合わせたからには、何としてでも五輪の切符を手にしたいというのが本音だと思う。

ところが、このレースはあまりに消極的すぎた。高井和治(九電工)が最初の1000メートルを2分45秒で飛び出したほかは大きく遅れ、もはやこの時点でB標準超えは望み薄となった。5000メートルのB標準は13分27秒だから、トラック1周を64~65秒ペース、1000メートルを2分41~42秒ペースでカバーしなければならないはずだ。高井のぺースにしてもB標準には遠く及ばない。後続の選手たちは、明らかに記録よりも勝負に徹した戦術を採ったのである。

この日エントリーした選手には、あと数秒縮めればB標準に到達できるという選手が何名かいた。第一線の選手が集結するこの大会を利用しない手はない。何ともったいないことだろう。

それはさておき、レースの展開は面白かった。最後の1周の鐘が鳴ったときには、まだ7、8名の選手が列をなしてめまぐるしく順位が変動する展開になっていた。残り200メートルあたりから、竹澤健介(エスビー食品)が上位へ上がり、この時点で先頭グループは4名に絞られた。ラストスパートに自信をもっている竹澤は最後の直線に入る手前でトップへ出た。勝負決したかと思われた。

ところが、グループの後方についていた出口和也(旭化成)がラスト50メートルで竹澤をかわし、そのままゴール。テレビ中継の解説をしていた金哲彦氏は「切れ味というよりパワー」だと評した。最後にこんな素晴らしいしのぎ合いを見せてくれるのなら、もっと早くエンジンを始動してほしかった。

男子5000メートルのエントリーリストを見ると、20名近くの13分45秒以内の選手がしのぎを削っている様子がわかる。これらの将来性ある選手たちが失敗を恐れずに記録に向かっていけるよう、所属する大学や企業の関係者は後押しする必要がある。日本選手権の優勝にこだわりすぎる背景には、チームの成果主義が影響していると私は見る。

一方、女子1万メートルは男子とは違った面白さがあった。A標準(31分45秒)の突破者が4名いる中でレースは、勝負争いに加えて記録への期待があった。すでにA標準をクリアしている長距離第一人者の福士加代子(ワコール)とまだクリアしていない吉川美香(パナソニック)とのマッチレースとなった。結果は、9000メートルからスパートした吉川が制した。前半はA標準を大きく上回るペースで進んだが、6000メートル辺りからペースが落ち、徐々に貯金がなくなってきた。しかし、ラストの1000メートルを2分57秒、最後の1周を67秒にペースを上げたことで、31分28秒71という好タイムで初優勝を飾ることができた。

吉川の優勝の最大の貢献者は、言うまでもなく福士の積極果敢な記録への挑戦だろう。優勝さえすれば、確実に五輪出場が決まるところを、あえて記録に挑んだ福士の意気込みには敬服する。「記録はライバルがいてこそ作られるもの」だということを示したお手本のようなものだった。次は、日本からは複数の代表が参加するであろう本番での切磋琢磨に期待したい。
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by hasiru123 | 2012-06-10 23:29 | 基礎知識

前回の小ブログについて若干の追記をさせていただきたい。ひとつは、東京マラソンの「エイドステーションの周辺は紙コップのゴミの山」だったというくだり。二つ目は、「一時期に比べて新河岸川の水が浄化されたといわれるが・・・」というくだり。さらに、3つ目はパキスタンの「汚れた川」についてである。

マラソン大会の給水ポイントには、一般ランナー用だけでなくシリアスランナー用にもゼネラルドリンクの用器として紙コップが使われている。ランナーが給水ポイントを通過すると一時的には使用済み紙コップの山と、そして溢れた水で道路は散乱する。しかし、献身的なボランティア役員の尽力によって、素早く後片付けが行われる。この場合の問題は、ゴミの山ではなくて、紙コップが大量に消費され、有燃ゴミとなって焼却されることにある。

たとえば、紙コップの代わりに牛乳やビールなどで使われているリターナブルびん(注)の仕組みを利用したコップにしてみるとか、小容量のペットボトルにしてみてはどうだろうか。リターナブルのコップはその利用システムをいかに作るかが、そしてペットボトルは再利用の仕組みに乗せることが課題だ。いずれにしても大衆マラソンとごみの発生抑制は切っても切り離せない。ゴミのないきれいは街並みを走り抜けるとなれば多くの応援者の理解も得られやすい。ランナーが喜んでリサイクルや再利用に協力したくなる仕組みづくりに知恵を出し合いたい。

新河岸川の水の浄化についてはこんな数字がある。川の水質を測る指標として、PHやBOD、SS、透視度などがある。これらの指標が平成元年度から平成23年度の23年間でどう変化したかについて、「新河岸川を守る会」が今年度の総会で公表した資料によると以下のようになっている。PHが7.3から8.2へ、BODが5.6mg/lから2.8mg/lへ、SSが1mg/lから7mg/lへ、透視度が29度から47度へと大きな改善がみられた。

浄化運動の甲斐があって、市民の排水への関心も高まった。このような動きが、周辺の河川が一体となって進んでいけば、ごみゼロは決して大風呂敷ではない。

パキスタンの「汚れた川」というのは、5月29日付毎日新聞の「終わらぬ旅」と題した連載記事にあったものだ。記者のリポートによると、パキスタン・ラワルピンディのスラム地区では、下水道がないため雨で川の水量が上がるとどす黒い川が異臭を放つようになるという。水面にはペットボトルなどのごみが覆う。それらのごみなどを売って現金を得ている子どもがいるが、溺れる子どもがあとを立たない。ごみ集めも命がけだと報じている。ごみゼロから遠く離れて、川のごみを拾わなくては普通の生活ができない子どもたちがいる世界があることを知らされた。

(注)リターナブルびん :R-720mlびん、一升瓶など洗って繰り返し使うもの(http://r-bin.jp/?page_id=20
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by hasiru123 | 2012-06-04 21:40 | その他