夢のマラソン

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見えないはずの色、ないはずの物語

『かぐや姫の物語』を観た。登場人物が語るせりふや振る舞いは、観た人の心の中で生まれ、育まれて行く。物語の生成という点で、見所の多いアニメである。ストーリーは重層的で、解釈が幾通りにもとれる仕掛けになっている。

絵がすばらしい。水彩画を見ているようだ。また、いたるところに塗り残しがあるのもいい。洛中洛外図に描かれている豆粒くらいの人々を虫眼鏡で拡大して見たような荒っぽさ。輪郭の黒い線と色彩のずれなどもあって、それがまるで違和感を感じさせない。そして、ところどころモノトーンタッチで描かれたシーンも出てくるが、見えないはずの色彩を感じてしまう。

王朝時代の絵巻から少女が飛び出してきたかと思わせるしなやかさは、ディズニーのアニメのそれとはまた違った躍動感を伝えていた。かぐや姫の物語が、幼いころに遊ぶ鳥や動物、草花などの農村はいっぱいの自然に包まれて、いつまでもこの生活が続くのではないかと夢心地に誘われる。

登場人物の顔を見ただけで、声優キャストはだれかが雰囲気からわかる。キャストを決めてから、絵を描き始めたのではないかと、想像してしまうくらいだ。

「かぐや姫は罪をお作りになったので、このように賎しいお前のもとにしばらくいらっしゃったのだ。罪の期限は過ぎた。早くお出し申し上げよ」。このせりふは、物語の最終場面に出てくる。かぐや姫を連れて行かないでくれと頼む翁に、月の偉い人が翁を説得した言葉だ。ここで初めて、かぐや姫は月でなにやら罪を犯し、その罰として地球に連れて来られたらしいと気づかされる。

いったい、かぐや姫が月で犯した罪とは何か。また地球で受けたその罰とは・・・。

幾通りかのシナリオが思い浮かぶが、私のはやる気持ちとは裏腹に、映画では最後まで明かされることはなかった。観た人の数だけ、シナリオがあるということかもしれない。

<ばばさま/ばばさま/今までで/ばばさまが一番幸せだったのは/いつだった?>

詩人の茨木のり子さんの「答え」という詩の一節である。ばばさまの答えは<来しかたを振りかえり/ゆっくりと思いをめぐらすと思いきや/祖母の答えは間髪を入れずだった/「火鉢のまわりに子どもたちを坐らせて/かきもちを焼いてやったとき」>

「ばばさまが一番幸せだったのは」いちばん身近な、家族とのひと時だったのである。かぐや姫のミステリーを考えながら、ふとこの詩を思い出した。かぐや姫の物語には月の話はまったく出てこないが、ないはずの物語を想像してしまう。かぐや姫は地上に降りてきて輝き続けたが、姫にとっての幸せは地上にはなく、降りてくる前の月の世界にあったのではないか、と。

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     東明寺境内の川越夜戦跡石碑(川越市志多町)
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by hasiru123 | 2014-02-23 19:27 | 芸術

小林貞雄氏 秩父宮章受章祝賀会

日本の市民マラソンの草分けである青梅マラソンは、今年で48回を迎えた。ところが、開催日の昨日、この大雪である。大会は中止となった。長い歴史の中で、中止は2度目だそうである。

青梅マラソンが開始された当初は、一般市民が出場できるマラソン大会は他にはなかった。トップアスリートと一緒に参加できる大規模な大会として有名になり、全国から多くの参加者が集まる市民マラソン大会となった。地元の団体やボランティアの協力で支えられた48年だったといっていいだろう。この持続力に敬意を表したい。

ところで、坂戸市には1982年から20回にわたって、1万人近くのランナーが参加するロードレース大会があった。坂戸毎日チャリティマラソンという、ハーフと10キロの大会だった。その大会が、2001年の首長交代に伴い中止に追い込まれた。年々参加者数が増え、地域を代表する大会に成長してきただけに、突然の中止に驚き、失望したことを覚えている。

この大会が産声を上げた時に坂戸市陸上競技協会理事長として大会の開催に奔走されたのが、現在同顧問をされている小林貞雄さんだった。その小林さんが、昨年秋に日本陸連から秩父宮章を受章された。

青梅マラソンと同じ昨日、小林さんの受賞を記念する祝賀会が坂戸市内のホテルで催された。大雪で足元の悪い中ではあったが、多くの関係者が祝福に駆けつけた。

小林さんは、昭和35年の熊本国体に埼玉県代表として教員男子15OOMに出場するなどの競技歴を持ち、昭和40年からは日本選手権をはじめとする多数の審判員や審判長を務められた。現在は、埼玉県障害者陸上競技協会会長や埼玉陸上競技協会評議員として活躍されている。石川清坂戸市長をはじめ、坂戸毎日マラソンの20年間をリードされた宮崎雅好坂戸市名誉市民(元坂戸市長)も来賓として祝辞を述べられた。

これからも、ますますお元気で後進の指導にあたられることを願う。
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                     挨拶する小林貞雄氏
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by hasiru123 | 2014-02-20 07:05

にこにこしながら走る

「体罰の影響/教育現場への重い警鐘」と題して、朝日新聞の2月7日付社説は書いている。「亡くなったのは県立刈谷工業高校2年の男子生徒。11年6月だった。報告書によると、野球部に所属する生徒は体罰を含む指導などから部活をやめたいと思う一方、監督の慰留や就職への影響などを考えるとやめられず、苦しんでいた。本人は体罰を受けていなかったが、死の20日ほど前にも体罰を目撃した」と。

「体罰を見聞きすることでも自殺の一因になり得る」とは、愛知県の高校生の自殺を調べていた第三者調査委員会がまとめた報告書だ。体罰を受けた者以外にも、心に大きな傷跡を残すことを指摘した点は重要だ。

最近、ある高校生の書いた詩を知った。タイトルは「短距離マラソン」。以下、一部を引用する。

みんなにこにこしている/みんな楽しそう/ぼくも、わりと楽しそう
気がつくと/みんな走っている/ぼくも走っている/短距離マラソンの始まりだ!
となりの人が/にこにこしながらぼくを抜いていった/ぼくは/にこにこしながら抜き返した
 (途中省略)
あっ/今だれかが足をひっかけられてころんだ/その上を/みんながにこにこしながらふみつぶしていく/グチャッ! グチャッ! グチャア!
こわい こわい ほんとうにこわい/「走れ走れ!」
みんなにこにこしている/ほんとうは泣きたくてしょうがないんだ/「走れ走れ走れ走れ走れ・・・・・」(吉野弘著『詩の楽しみ』から)

このランナーは、にこにこしながら、抜かれまいと本気で走っている。「だれかが足をひっかけられてころん」でもにこにこしながら踏みつぶしていくのだから、ゆめゆめ転倒したりすることのないように、と。走ることをやめられないのは、私たちの生きる姿を映しているようでもある。

リズミカルな詩文に乗せられ、思わずつんのめり、冷やりとした。サバイバルレースの社会に対する批判というよりは、笑いながら走り続けることへの哀しみが伝わってくるブラックユーモアだ。詩の最後は、<いつか廃止されるだろうか?>と結ばれている。

体罰をにこにこしながら見聞きしていたかどうか、知る由もない。生徒が直接暴力を受けなくても、恐怖を感じ、心が深く傷つくことに心を向けたい。
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by hasiru123 | 2014-02-09 15:25 | 話題

川越雪景色十本勝負

今日は、昨日降り続いた大雪で、川越市内は白銀の世界だった。立春から5日たつが、まだ名のみの春である。
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                     喜多院の本堂
          
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                     喜多院の山門
          
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                     三芳野神社 とおりゃんせの細道
          
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                     川越市立博物館前
          
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                     成田山川越別院
          
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                     東照宮の山門
          
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                     日枝神社
          
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                     本丸御殿
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by hasiru123 | 2014-02-09 15:21 | その他

2014年埼玉県駅伝で入賞

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11回目の出場となった坂戸市陸上競技協会は、2時間25分14秒で9位入賞を果たした。前回に続く入賞で、順位をひとつ上げることができた。9位は過去最高位である。
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今回の目標は「2時間29分台で、入賞!」だったが、二つともクリアすることができた。安定的に入賞ラインを確保する土台が作られつつあることを喜びたい。
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今大会の成果は、二つある。1点目は、幸いなことに補欠に厚い陣容で臨めたことである。最終区にエントリーしていた選手が風邪のため、急遽補欠の選手を充てることになったが、最終局面で後続をかわして期待に応えてくれた。調整とピーキングがしっかりできていた。また、補欠として力のある3名の選手が控えていたことに対するチームへの安心感は計り知れないものがあった。
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2点目は、今年度はスタッフの取り組みにより、これまで以上に練習会や記録会へ積極的にトライアルし、結果として走力の向上につながったことである。意欲的に記録へ挑戦する気風が生まれたことに、大変心強く感じた。
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また、岡田コーチが高校時代を含めて10回出場したことで、功労者表彰を受けた。おめでとうございます。そして、早朝からご集合いただき、選手に付いてくださった宮下会長をはじめとする16名の役員の皆様に対し、厚く御礼を申し上げます。

最後に、昨年までこの駅伝に多大なご尽力をいただいた故國分克己前会長へ、いい報告ができたと思っている。


(写真 1番目) さいたま新都心駅前をスタートする選手たち
(写真 2番目) 早朝の集合 坂戸市役所駐車場で
(写真 3番目) 表彰状を宮下会長から高橋主将へ
(写真 4番目) 表彰状
(写真 5番目) 報告する選手たち
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by hasiru123 | 2014-02-02 23:23 | 駅伝