2015年日本選手権

今年の日本選手権は、話題の豊富な大会だった。トラックでは、記録の期待された男女100mと200m、そして男女の5000mと10000mはゴールするまで手に汗を握る熱戦だった。

男女の長距離種目では、いずれも参加標準記録をクリアしている選手が優勝して世界陸上の内定を決めた。その意味では、順当な結果だったといえよう。一方で、参加標準記録を持っていない選手が、本大会でクリアするような早いラップを刻んで、すでに持っている選手たちを脅かすシーンが見られたら、もっとぞくぞくしたかもしれない。

世界陸上の代表の座を賭けるという点では、前者の選手と後者の選手とで戦い方が大きく異なる。そのせめぎあいも見たかったが、標準記録をクリアしている選手たちの術中にはまったレースだった。

例えば、男子5000mを走った大迫傑(Nike ORPJT)は、標準記録に近い記録を持っていて、今後の成長が期待される選手の一人であるが、少し消極的だったような気がする。最後の直線で競り合った村山紘太(旭化成)に比べてスプリント力が少し落ちるだけに、多少のリスクを覚悟してもっと早い時点から前を行ってもよかったのではなかったか。代表選考会なので、内定を決められない優勝よりも標準記録越えの上位入賞の方が価値が高いと思うからだ。

この種目では、標準記録を突破しているのは村山ただ一人。村山以外の選手には遅いペースで優勝争いをするメリットが少ないないのだから、もっと多くの選手が切磋琢磨してハイペースで臨んでもよかったのではないか。選手を強くするという意味では、日本一を決める大会でこそ選手全体で、競うように底上げを図る戦略があっていい。仮に上位に入れなかったとしても、次のレースにつながれば、おつりがくるくらいのメリットがあるはずだ。

他の3種目では、標準記録をクリアしている選手が上位に入賞しているので、後日何名かの追加内定があるかと思う。本番では、同一種目の決勝に複数の選手が残り、チームプレーで東アフリカの選手たちに食らいついていってほしい。
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by hasiru123 | 2015-06-29 20:33 | 話題

6月20日(土)に東松山市陸上競技場で行われた県の記録会で、坂戸市陸協の男子選手たちが今年度新調した上下のユニフォームを着用して競技に臨んだ。上は黄色をベースに黒色のチーム名が入り、下は黒字に黄色の外枠ラインが入るデザインだ。

これは、地元のあるスポーツ用品メーカーから、駅伝に取り組む小陸協の活動に理解をいただき、ユニフォームの提供を二つ返事で引き受けてくださったものである。たまたま、この会社の社長さんが箱根駅伝の大のフアンということもあって、無理なお願いにもかかわらず、快諾していただいたことに深謝する次第である。

このユニフォームは、選手たちの希望を取り入れて試行錯誤の上に作られたデザインである。黄色を基調とするチームが少ないこともあって、きらりと光って、応援する側もとても見やすい。また、左胸元とパンツの左上部に当該メーカーのロゴも入っている。世界に10着しかないこのユニフォームで、トラックをそしてロードを駆け抜けてほしい。トラックシーズンは始まったばかりだ。

写真の左は、一般・高校男子3000m障害に出場したY選手である。大学生や高校生が出場する中で、4位に食い込んだ。最後は、大東大の選手を一人抑えてのこの結果は見ごたえがあった。専門は中距離種目であるが、今年は幅広い種目に取り組んで長距離走の基礎的なスピードを磨いてもらいたいと期待しているところだ。

なお、本大会のこの種目は、大学時代に日本選手権で3000m障害と1500mで優勝している靑葉昌幸さん(埼玉陸協会長)をたたえて靑葉杯としている。

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by hasiru123 | 2015-06-24 20:18 | 話題

今年の日本陸上選手権大会は、6月26日(金)から3日間にわたって新潟市(デンカビッグスワンスタジアム)で開催される。見どころは、8月に北京で開かれる世界陸上選手権大会の代表選考会を兼ねていることだ。来年のリオデジャネイロ五輪につながるだけに、目が離せない。

ここで、世界選手権の代表選考方法について整理してみたい。というのは、今年3月に日本陸連が発表した「トラック&フィールド種目の代表選手選考要項」は複雑な作りになっていてすぐには理解しにくいと考えたからだ。日本選手権を観戦するときに、どういう条件をクリアすれば代表になれるのかがわかると、楽しみもより深まるのではないか。各種目の決勝が終了した時点で即内定するのは、以下のAからEの5つの要件を組み合わせた3つのケースである。

<要件>
 A 日本選手権で優勝
 B 日本選手で 8位入賞
 C 派遣設定記録(※)をクリア
 D 参加標準記録をクリア
 E 2014年仁川アジア大会で優勝
※派遣設定記録:参加標準記録よりも上位で、世界ランキグ12位に相当する記録。

<即内定となるケース>
 ケース1 A+D
 ケース2 B+C
 ケース3 B+D+E
該当者が3名以上の場合や上記の3つのケースに当てはまらないときは、日本選手権終了後に開かれる選考委員会において決定される。

その上で、トラックでは男子短距離と女子1万mに注目したい。

男子100mでは、桐生祥秀(東洋大)と髙瀬慧(富士通)、山縣亮太(SEIKO)の3名が参加標準記録(10秒16)を突破している。そして、10秒2台の選手が8名いてしのぎを削っている。残念なのは、桐生が故障で欠場が決まっていることだ。

200mでは、何と参加標準記録(20秒50)を突破している選手が7名いて、高瀬のみが20秒14という派遣設定記録を突破している。この記録を出したときの映像を見たが、第4コーナーを抜けたところからのしなやかな走りと推進力は群を抜いている。これらの選手を中心に編成されるであろう4×100mリレーも楽しみだ。第1人者の桐生が抜けても見劣りしないのが今年の男子短距離陣の強みだ。

女子10000mは、高島由美(デンソー)を筆頭に参加標準記録(32分00秒)を突破している選手が6名いる。いずれも自己ベストということで、伸び盛りの選手という点でも今後が楽しみな選手たちだ。この中には5000mの参加標準記録を突破している選手はいないが、ダブル出場もぜひ狙ってほしい。

ところで、注目の種目とは言えないかもしれないが、男子の長距離種目にも期待している。

特に、10000mでは5000mで唯一の参加標準記録を突破している村山紘太(旭化成)と10000mで国内2番目の記録を持つ村山謙太(同)の双子の兄弟、国内トップの記録を持つ鎧坂哲哉の旭化成トリオがどんな勝負を見せてくれるかが楽しみだ。それに昨年の覇者佐藤悠基(日清食品グループ)と2位だった大迫傑(Nike ORPJP)、設楽悠太(Honda)と設楽啓太(コニカミノルタ)の双子の兄弟も優勝争いに絡んでくるだろう。願わくば、昨年までのようなラスト1周に勝負をかけるスローペースの展開ではなく、派遣設定記録(27分31秒43)を見据えた27分台の攻防を見たいものだ。


追記:派遣設定記録と参加標準記録については、日本陸連のサイト(http://www.jaaf.or.jp/fan/)を参照した。
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by hasiru123 | 2015-06-18 06:44 | 話題

米国のケリー国務長官がスイスでサイクリング中に転倒し、大腿骨を折る大けがをした。5月31日のことである。

ケリー長官はイランの外交官と同国の核問題について話し合うため、スイスのジュネーブを訪れていたという。この日は同市から約40キロ離れたフランス東部シオンジエで自転車に乗っていた。周辺は、ツール・ド・フランスのコースにあたるそうだ。

長官は大のサイクリング愛好家で、今年の3月から4月にかけてスイスのローザンヌで開かれたイラン核協議にも自転車を持参した。1992年には自転車事故で肩を骨折している。

長官が乗っていた自転車は、おそらくサイクリング用のものと思われる。サドルの位置が高く、しかもスピードが出ていたとすると、そこで起きた転倒は大きな事故につながりやすい。

普通だったら、大事な外交交渉の途中での事故に批判が飛び交うところだが、新聞を読む限りそういう話題は目にしない。ケリー長官の人望のためか、それとも--。

私は、サイクリング中の事故だったことが幸いしたように思う。これが、もしゴルフ中の出来事だったとしたら、そうはいかなかったのではないか。サイクリングとゴルフの違いというよりも、単独で楽しむスポーツと集団(あるいはグループ)で楽しむスポーツの文化の違いと言ったらいいだろうか。この記事を伝える側にもそういう気分があったような気がする。

私も自転車に乗るが、旅行に愛車を持ち込むほどの自転車好きではない。しかし、国際会議のような大舞台ではないが、私も出張に行くときは必ずランニングシューズとウエアを鞄に忍ばせて、訪問地の早朝の街並みを走るくらいのジョギング好きである。

ジョギング中に事故に遭ったことはないが、道を間違えたりして予定していたチェックアウトの時間に間に合わなかったとしたらどうだったろうかと、ふと思った。理由のいかんにかかわらず、大目に見てもらえることはなかったでしょうね。
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by hasiru123 | 2015-06-07 18:01 | 練習