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翌朝の毎日新聞は、来年の大会から高校駅伝は「男女とも外国人留学生の起用を最短距離の3キロ区間のみに制限する」と報じていた。やむを得ない措置だとは思うが、手放しで首肯できないところが悩ましい。


高校駅伝で外国人留学生の起用が広がったのは、1992年に仙台育英高校が全国高校駅伝に出場させたことがきっかけだった。


その後、留学生の力に頼って全国優勝することの是非が問われるようになり、2年後に全国高校体育連盟は「外国人留学生の参加はエントリー人数の20%以内」という規定を作った。


1区で外国人留学生集団をつくる。異次元のスピードには日本人選手は誰もついていくことができない。外国人留学生がいない高校は1区で大きなハンディを抱えることになる(その後、男女とも最長の1区を除いて起用する規定に変更された)。


実は外国人留学生のあり方が問題となっているのは高校駅伝だけではない。高校バスケットでも同種の課題を抱えている。多くの留学生を送り出しているのはアフリカのセネガルだ。セネガル人は長身の人が多く、バスケットが盛んである。


さらに、卓球には中国人が多いし、ラグビーにはトンガ人やニュージーランド人が日本の高校へ留学している。また、大相撲でも高校時代から日本で力をつけてきた朝青龍(明徳義塾)や照ノ富士(鳥取城北)らがいる。このように幅広い競技スポーツで外国人留学生が活躍している。


高校駅伝は「20%以内」という規制の中で、必ずしも外国人留学生がいないと全国優勝できないという状況には至っていない。今回は佐久長聖が留学生がいない中で圧倒的な強さで優勝し、しかも大会新記録まで打ち立てた。


同日の毎日新聞では「区間制限は国際化を重視する時代の流れに逆行するのでは」という女子・神村学園の有川哲蔵監督のメントを紹介していた。留学生を受け入れる学校側はよく「国際交流」という言い方をする。たしかに、私立高校には国際人を育てるという教育方針を掲げているところが多く見られる。しかし、スポーツの強豪校に仕立て上げ、知名度を高めたいというところが本音だったとしても、同時に留学生を起用することの功罪を見ていく必要があるだろう。


すなわち、競技スポーツへの教育的配慮と競技のベルアップのという視点である。外国人留学生の影を踏みながら世界を目指すという志向を持たないと、いつまでたっても日本の「周回遅れ」の状況は変わらない。


日本人高校生のやる気を引き出しながら、留学生との共存共栄を図る。外国人留学生の参加に網をかけるのではなく、共にレベルアップを図っていかなければならない。双方に実のある妙案を考えたい。目標は”世界”である。


# by hasiru123 | 2023-12-26 21:20 | 駅伝

人工と自然が織りなす街

12月初めに都内の光が丘公園へ行ってみた。


これが今年最初で最後の紅葉見物となった。というのは、10月から11月にかけていくつかの予定が入っていてまとまった時間をとることができなかったからだ。”地球沸騰の時代”と言われるほどに暑く、長い夏。そのことを象徴するように12月に入ってもなお紅葉を見ることができたのかもしれないが、素直に喜ぶ気持ちにはなれない。


中には紅葉する前に枯れ、落葉しないまま枝に付いている木々が見られた。不思議な初冬の光景である。


光が丘公園を見ようと思ったのは、なぜか。


大きな公園で紅葉がとってもきれい、と何度か妻に勧められていたからか。


それもある。


公園内にはジョギングコースや一般の市民が利用できる陸上競技場がある。そこで走ってみたいと思ったからか。


それもある。


公園に隣接して光が丘団地がある。約12,000世帯が住んでいるというマンモス団地である。そこに、今から40年以上前に会社の先輩が住んでいた家を訪問したことがあった。


部屋の窓から外を眺めると、眼下に広い公園と建設中の建物や道路が見えた。その時はまだ開発途上だった公園と団地がどのように変貌したのだろうか。


公園を南北に貫く歩行者道路には、1キロ近く続く銀杏並木がある。イタリア式庭園やバラ園なども見ることができる。地下鉄光が丘駅から時計回りに迂回して戻ると高層アパートが立ち並ぶ一群がある。小さな都市を形作っているようにも見える。その街を抜けて、立体交差する歩道橋を超えると公園に戻る。


人工的な空間と自然が織りなした街といったらいいだろうか。とても1日では回り切れなかったので、花の季節に再訪してみたい。


人工と自然が織りなす街_c0051032_10091291.jpg

(写真)団地を抜けると――


# by hasiru123 | 2023-12-24 10:14 | その他

先のブログに書いたことだが、わたしにとっての関心は電子ペーサー(ウェーブライト)導入の試みが記録への挑戦に生かせるかという点だった。記録というのは、パリ五輪参加標準記録を突破することあるいは日本記録の更新である。


男子、女子ともに終盤まで4名の選手による激しい競り合いが見られ、男子は上位3名が日本記録を更新し、女子は3名が31分を切るというハイレベルの戦いだった。男女とも標準記録には届かなかったが、ワールドランキング順位におけるポイント獲得という点では大きく前進した。日本記録や自己記録を大きく更新した選手が複数現れたことは、来年に向けて大きな期待を抱かせるものだった。


好記録に恵まれたことは電子ペーサーによる部分があるが、それに頼るのは本末転倒である。標準記録に近い結果を出さない限りは五輪に近づくことはできないが、複数選手で切磋琢磨していかないと世界の強豪に立ち向かうことはできないからだ。その意味で、トップグループの選手たちは電子ペンサーを追いかけるのではなくてその前を走るという積極性が見られたことも導入は成功だったと思う。


来年の5月には今回同様に男女10000mが他種目の日本選手権に先駆けて開催される。この時期の気候を考えると、ここでは記録よりも順位が問われることになるだろう。そして、5000mと兼ねて出場を目指す選手も多いと思われるので、6月までにどのようなステップで五輪代表を狙うか、5000mを視野に入れた選手たちの戦略にも目を向けたい。


電子ペーサーが多くの選手の記録更新に貢献するとは言い難いところもある。というのは、ペーサーから遅れた選手にとっては果たしてプラス働くかといことも考慮する必要があるからだ。もちろん五輪本番ではペーサーが使われることはない。記録に加えて勝負できる力が求められている。


# by hasiru123 | 2023-12-12 19:28 | トラック

男女陸上・10000mの五輪代表選考会が20年から12月に行われるようになり、今年は12月10日に国立競技場で実施される。その他のトラック&フィールド競技は6月の日本選手権で行われているが、五輪代表選考会では標準記録の突破が問われることから、温度が低いこの12月というのは長距離種目としてはグッドタイミングだと思う。何しろ、今年行われた世界陸上から参加標準記録のレベルが格段に上がったから。


特に日本の男子選手にとって「27分00秒00」という標準記録はとてつもなく高い。それが世界のトップクラスの水準なので、それに追いつくしかない。そのためだろうか、今大会で初めて電子ペーサー(ウェーブライト)が導入されることになった。400個のLEDを400mトラッに1mおきに配置し、決められたペースで発光していく仕組みだ。


この機器は予め設定されたペースを確実に刻んでくれるため、ペースメーカーの有無にかかわらず、また細かなペース変動もすることなく、選手たちは最後まで目標へのガイドとして活用できる、と日本陸連のウエブサイトで説明されていた。すでに、ダイヤモンドリーグをはじめさまざまな国際大会で使用されていて、日本でも昨年11月20日の1万メートル記録挑戦競技会(国立競技場)で試験的に導入された。


12月6日現在で、男子は以下のような設定になっている。

緑色 27分15秒(65.6秒/周) 

 ラスト1000m (63.6秒/周)

赤色 27分40秒(66.4秒/周)

白色 28分00秒(67.2秒/周)


最も速い設定の27分15秒を狙うペースは緑色のライトで表示され、27分40秒を赤色、28分00秒を白色で点す。女子は30分50秒を赤色で設定される。


当日はNHKのBSで放映されるので、設定記録との差が見られるのが楽しみだ。これでも標準記録には届かないが、その効果が記録更新に発揮されることを期待したい。


# by hasiru123 | 2023-12-06 20:55 | トラック

昨年に続いて、小江戸川越ハーフマラソンを走ってきた。特別な感染症対策がとられることなく、19年までの”普通”の大会が戻ってきた。


今大会の準備の肝は寒さ対策だった。数日前から強い冬型の気圧配置になるのではないかと報じられていたためで、果たしてその予報は当たった。スタート時(8時40分)の気温が5度で、その後温度が上がることはなかった。


厚手のウインドブレーカー(ジャージ上下)を身につけてウォーミングアップしていてもなかなか温まってこない。手がかじかんでシューズの紐をうまく結べない。そんなことから、本番ではノースリーブのユニフォームの中に長袖Tシャツを重ねることにした。一部のシリアスランナーを除いて、アームウォーマーやタイツなどの保温対策を講じる参加者が多い晩秋の大会だった。


レースに際しては、いつものようにイーブンペースをキープし、あまり苦しまないでフィニッシュすることに努めた。というのは、前回は終盤にマメを作る苦い経験があったからである。15キロ過ぎても脚に異変がないようであれば、終盤でできる限り粘るつもりだった。


結果として昨年のタイムを約2分半短縮することができたので、大満足である。これはめったにない出来事だったといっていい。だからといって、ぬか喜びは禁物である。肌寒いコンディションと微風で、あまり汗をかかずに走れたことが良かったかもしれない。それと、一昨年秋に鼠径ヘルニアの手術を行ったため前回は体力が戻っていなかったことも割り引いて考える必要があるだろう。


次に走るレースもこの大会になると思う。その時は、何とか現状維持位でフィニッシュできたらうれしいのだが・・・。


# by hasiru123 | 2023-11-26 20:26 | マラソン