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走友会とは(2)

走友会でも「成長」は必要である。

この場合財源などの規模の拡大は問題ではなく、走る仲間の輪の広がりこそが走友会の将来を左右する大切な課題だと思う。右肩下がりのこの時代に「成長」という言葉はふさわしくないかもしれない。しかし、走る仲間の輪を広げるという意味で走友会にも「成長戦略のシナリオ」は欠かせない。これがないと、マラソン大会などに参加する市民ランナーの増加の流れに乗り遅れる懸念がある。

歴史のある走友会ほど世代が固定化する傾向があるようだ。というのは、走友会を立ち上げた世代が多く残っていて、発言権や影響力が強いのが普通だからである。世代間の垣根があって、若い世代との交流が活発でないと、一定の世代で固定化されやすい。グラフにたとえると、「かつては極端なたこつぼ型だったのが現在は逆ピラミッド型」というケースが、その一例である。

雑誌「ランナーズ」が毎年公表している「フルマラソン1歳刻みランキング」から集計してみたところ、フルマラソンを完走した人の年代構成比は次のようになっていた。20代17%、30代29%、40代29%、50代17%、60代以上8%(2010年度)。フルマラソンという長い距離のレースであることを割り引いても、グラフにしたら現在のランナーの集団の形は概ねたこつぼ型といえるだろう。

当然のことながら、走友会の性格や特徴によって年代構成比は自ずと異なるが、上記の比率は意識しておいていいだろう。もし極端な逆ピラミッドだったりしたら、なぜかと考えてみる必要がある。もしかして、これからの成長を阻む要因が潜んではいないかと。

しかし、だからといって「若い世代を早急に取り込まなければ」などと、焦ることはない。私の提案はこうである。政党では今はやりの(「かつてはやりの」というべきかもしれないが)、「マニュフェスト」を作ってみてはどうか。走友会が長期的に改善していく必要のある課題を整理し、計画を立てて実行し、そして評価するのである。

たいていの走友会は各種団体と同じように1年サイクルで回していて、総会などで活動結果を報告したり、活動計画を立てたりしている。短期的には1年サイクルで問題ないが、会をどう変えていくかという取り組みは、長期的にじっくり進めていくのがよいと思う。そのためには、実行性のある「マニュフェスト」があると後に評価がしやすく、人が変わっても引き継がれることが可能だ。

いわゆる「見える化」である。そして、なによりも「マニュフェスト」で評価サイクルが動くことによって、走友会に集う会員の意識が変わり、積極的に考え、行動するようになることが期待できる。
by hasiru123 | 2012-05-13 20:05 | 練習