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山岳遭難事故に学ぶ

山岳遭難の多い長野県で2014、15年の遭難件数を見ると、北アルプスでは7、8、9月の遭難が多いことがわかります。そして遭難の状況を調べてみますと、猛暑だった15年8月は「疲労」が原因の遭難がとても多いのです。
(中略)
前述の長野県のデータを見ると、14年の「疲労」遭難は5月に多く、原因は低体温症、つまり「寒さの疲労」でした。15年は8月の晴れの日に「疲労」遭難が多く起きています。具体的な状況で見ると、夏の遭難は心臓発作、熱中症、高山病が原因の多くを占めています。
(中略)
これらの夏の「疲労」遭難の事例を見ると、「夏の晴れた日」という気象条件が影響していると気がつきます。それを踏まえると、夏は「脱水」の疲労が遭難に大きな影響を与えていることが、容易に想像できると思います。
(中略)
14年から15年にかけて、登山中の心臓死が増えました。昨年夏にこの連載「防ごう!山での心臓突然死」のシリーズでも紹介しましたが、脱水は心臓突然死のリスクも高めます。

以上は、心臓血管センター北海道大野病院医師で国際山岳医の大城和恵さんが「デジタル毎日」の「登山外来の現場から」と題して連載している記事からの引用である。猛暑の登山は疲労が招く遭難に注意を、と呼びかけている。

夏の「疲労」による遭難事例は、夏のランニング事故にもそのままあてはまることだ。気温が上昇した時間帯に走っているランナーを街で見かけることがある。ここ数日間は、朝とはいえ9時を過ぎると30度をゆうに超えていた。健康な大人でも上記の山岳遭難のような事故が、夏のランニングで起きてもおかしくない。

一昨年の同時期の小ブログに書いたことではあるが、脱水回復までに時間的な遅れが生じることから、「無自覚脱水」に陥りやすいことが知られている。運動中に過不足なく水分を補給し続けることは不可能だとしても、水をとらない限り脱水へ向かって進行していくことを念頭において、「早めの給水」が欠かせない。練習の前後はもちろんのこと、走っている途中でもこまめな給水に努めるべきである。

なお、暑さ対策としての水分には市販のスポーツドリンクを利用するとよい。また、自分の好みに合った「経口補水液」(注)を作って補給することもできる。夏の脱水対策は、小まめな給水にしかず、だ。


(注)私はこの時期になると、マイ「経口補水液」を毎晩のように作って、冷蔵庫に入れ、翌朝の練習の前後に飲んでいる。以下、私の作成例。水500mlに砂糖20g(ボトルキャップ3杯または1個3.3gの角砂糖6個)と塩1.5g(透明スプーン1杯)を加えてよくかき混ぜる。レモン汁を入れると飲みやすくなる。


by hasiru123 | 2016-08-10 21:25 | 基礎知識