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「4継」の活躍が明日の陸上選手を育てる

リオ五輪は8月5日(土)朝のサッカーから始まった。この日から、五輪を始めとするスポーツ情報のシャワーの量に圧倒され、なかなかついていくことができなかった。この時期は、夏の甲子園が始まろうとしていたし、プロ野球はセパともペナントレースが白熱を帯びてきた。そして10日、イチローがメジャー通算で3000安打を達成した。

自分の走る方の練習も少しずつ量を増やそうとしていたし、お盆の準備もしなくてはいけない、という私ごとも頭にあった。そこに、五輪である。出場する選手には失礼かもしれないが、開会式前後は、テレビの五輪ダイジェストをながら視聴するのと、新聞を拾い読みするので手一杯という気持ちがあった。

さて、後半から始まった陸上競技。なかなか新聞の一面を飾る記事が見られなかった。トラックもフィールドも、日本人選手にとっては厳しい大会だなア、と思いつつダビングしたビデオを見る日が続いた。ところが、である--。

目の覚めるような快事があった。男子400Mリレー(4継)の決勝である。37秒60のアジア新記録で、この種目初の2位に入ったのだ。2日前の予選でも、37秒68のアジア新記録で2位で通過していたので、北京五輪の再来かと期待していた。そして、第4コーナーを通過した時点で、1位のジャマイカと並ぶような展開。私は、夢を見ているような心地ですらあった。北京の3位を超える活躍は驚きである。

男子の短距離陣は、100Mと200Mを見る限りでは徐々に世界との距離を縮めつつあることは実感していた。シーズン当初からいい流れがあり、日本選手権でそれが開花した感があった。リオ五輪では、100Mで初めて2名の準決勝進出者を出し、200Mでは3名とも予選敗退となったものの、持ちタイムでは全員が準決勝へ進出してもおかしくないところまで力をつけてきたと思っている。一方で、彼らには9秒台とか決勝進出とか、何かとプレッシャーがかかり、べストの状態で臨むのに苦労したのではないだろうか。

特に、周りの期待の高かった100Mの桐生選手や200Mの飯塚選手は、予選敗退からリレーまでにもう一度気持ちと体調を引き上げるのは並大抵のことではなかったはずだ。そこを上手にクリアし、バトンを確実にしかも効果的つない彼らの調整能力の高さに敬服する。

考えるに、日本人選手が身体的能力の壁を破るには、心理面の克服と技術力の向上、そして基本の徹底という3点に行き着く。男子4継の活躍が、陸上競技に取り組んでいる若い選手たちの支えになればうれしい。


by hasiru123 | 2016-08-21 20:33