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夢のマラソン

人は一人では生きられない

今年の9月に「オレンジカフェ郭二(くるに)」をオープンした。

みなさんは「オレンジカフェ」というのをご存じだろうか。やや硬い言い方になるが、「認知症の高齢者やその家族に対する生活支援などを充実させるための施策の一つとして地域住民などが参加でき、和やかに集うことができる場」(川越市地域包括ケア推進課)がオレンジカフェとされている。「認知症カフェ」(以下「オレンジカフェ」と表記)ともいう。

具体的に言うと、次のようになる。

「認知症について、家で気軽に立ち寄り話し合える場所。発症によらず、だれでも参加できる」
「参加費用は一人100円から300円程度。歓談中心だが、介護員や看護師などスタッフによるミニ体操、健康相談などのプログラムがあることも」
「市町村の介護担当者や地域包括支援センターへ問い合わせれば、最寄りにあるかどうかを知ることができる」     
   (2015年12月4日のに日本経済新聞の記事から)

私が住んでいる川越市には「川越まつり」という秋の大きな行事があるが、子どものころには各地に神社の祭や盆踊りなど人々が集う催し物がたくさんあった。今は、そのような機会が少なくなっている。そこで、自治会が中心になって関係機関の協力を仰ぎながら、自治会館で定期的に行える催し物ができないか、という声が上がっていた。

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「オレンジカフェ郭二」は、かつてはどこの横丁にもあったいわゆる井戸端会議よりは広く、個人的な話題には深入りしない雑談のようなものと考えればいいだろう。

オレンジカフェは、1990年代にオランダで始まったアルツハイマー協会の活動がその起源とされている。その後、英国をはじめヨーロッパ各地へ広まった。日本では厚生労働省の新レンジプランの中で認知症の介護者の負担軽減策として取り上げられ、現在は全国に広がって約600カ所で開催されている。川越市では29か所で実施され、埼玉県内では、最も活動が盛んである。

オレンジカフェの運営母体は、NPO法人や社会福祉法人、市町村、医療機関など様々だ。また、活動場所も病院施設をはじめとして店舗、行政や社会福祉協議会の会場、介護施設等が利用されている。小カフェは、地域包括支援センターの支援の下で地元自治会と老人会や女性団体との共催で開催にこぎつけた。

先にも書いたとおり、オレンジカフェの対象は一般的には「認知症の高齢者やその家族」とされている。私の住む地域ではその範囲を大きく広げて「認知症を予防するための出会いと新たなつながりの場」と考えている。したがって、必ずしも認知症の人である必要はなく、もちろん高齢者でなくてもかまわない。若いお母さんたちや子どもたちの参加も歓迎だ。

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オレンジカフェには特別なプログラムはなく、過ごし方や時間の使い方を自分で決めることができる。介護施設のようにコミュニケーションとしての様々なメニューを提供することはしないで、雑談を楽しむだけである。参加者からは100円(小会の場合)を負担してもらい、飲み物や菓子等を提供する。飛び入りで手品や演奏などが入ることもある。事前の申し込みは不要で、午前10時30分から12時までの間であれば出入りは自由である。大切なのは、認知症の人としてではなく、ひとりの人として過ごせる場を提供することである。

立ち上げた理由には次のような背景がある。私たちの平均寿命が延びる中で、2017年の日本人の平均寿命は男性80.75歳、女性は86.99歳で過去最高を更新した(厚生労働省の生命表による)。もうすぐ「人生100年時代」が訪れようとしている。歳を取ればだれしも身体的にも精神的にも様々な障がいを帯びてくる。そうした事態が訪れることは避けられないとしても、少しでも先延ばしすることはできるのではないか。

人は一人では生きられない。まして認知症という病気になったり、認知症の人を支えて生きる家族のことを考えたりすると、なおさらその思いは強くなる。そんなとき、同じ境遇の仲間との絆が生まれたり、周囲で理解してくれる人たちの支えがあったりするならば、いささかなりとも幸せを感じることができるかもしれない。

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微力ではあるが、オレンジカフェの開催がその手助けになればうれしい。開催日時は毎月第4金曜日10時30分で、会場は郭町2丁目自治会館(埼玉県川越市郭町2丁目19番地の6)。





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by hasiru123 | 2017-12-21 06:06 | その他