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男子マラソン 16年ぶりの日本記録更新

日本選手が史上最も活躍したレースと言っていいだろう。一昨日開催された東京マラソンである。

設楽悠太(ホンダ)と井上大仁(MHPS)が高い次元で競り合った。設楽は日本記録を更新し、井上は日本歴代第4位。2人は同時に2時間6分台をたたき出した。さらに他の日本選手4人が2時間8分台、3人が2時間10分を切った。一つのレースで上限の6人がGC(グランドチャンピオン)出場権を得たのは、初めてのことだ。

このレースを見て思い出したのは、1983年2月に行われた東京国際マラソンである。78-80年の福岡国際で3連覇した瀬古利彦(ヱスビー食品)が、故障明けから久しぶりに出場した大会だった。

主な出場選手に、瀬古、宗茂、宗猛兄弟(旭化成)らがいた。そして、海外からゴメス(メキシコ)、ネディー(エチオピア)、イカンガー(タンザニア)らの強豪が出場した。終盤の赤坂見附からの上りで激しいデッドヒートが展開され、瀬古が当時の日本最高記録で優勝した。続いて宗猛も日本最高で2位に入った。日本のマラソンが一番輝いていた時代である。

今回のレースはそれに次ぐもので、日本のマラソン史に残る壮絶な戦いだったといえるだろう。しかし、先の東京国際の場合と大きく異なるのは、いま世界には今回誕生した日本記録をしのぐ外国人選手が何十名もいるということだ。時間にして、トップと3分以上の開きがある。

2時間6分54秒で3位に入った井上は、レース後のインタビューに「ただただ、あんまり思い出したくないくらいに悔しい」と、ライバルに負けた心境を語った(2月26日産経新聞)。「やられたらやり返す」とも。井上は設楽と同世代の25歳だ。ぜひ、この悔しさをバネに世界と戦える力を養ってほしい。そして、多くの選手が新しい日本記録を書き換えるべく挑んでもらいたいと願っている。


by hasiru123 | 2018-02-27 20:49 | マラソン