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男子マラソンで世界記録

9月16日のベルリンマラソンで、リオ五輪チャンピオンのキプチョゲ(ケニア)が2時1分39秒というとてつもない世界記録が誕生した。これまでの記録を1分18秒も短縮し、史上初の2時間1分台に突入する快挙であった。今回の世界記録更新は4年ぶりのことである。

世界記録の更新は長いスパンで見ると、21世紀になって8回更新され、記録ラッシュと言える。過去の記録の推移を見ると、新記録が立て続けに出る時期(伸張期)と何年間も新記録が生まれない時期(停滞期)とがあることが分かる。

たとえば、ダコスタ(ブラジル)の2時間6分5秒(98年)からキプチョゲの2時間1分39秒 (2018年)までの20年間に世界記録が9回更新され、合わせて4分26秒短縮されている。この期間は、伸張期と呼んでいいだろう。

さかのぼると、60年代の記録ラッシュはさらに目覚ましく、アベベ(エチオピア)の2時間15分16秒(60年)からクレイトン(豪州)の2時間8分33秒(69年)までの10年間で、7人のランナーが8回更新し、合わせて6分43秒短縮している。

一方で、クレイトンの2時間8分33秒からドキャステラ(豪州)の2時間8分18秒(81年)までの15秒を短縮するのに12年かかっている。この期間は、停滞期と呼んでいいだろう。この時期の日本も同様の傾向で、日本記録の更新は宇佐美彰朗(70年)と宗茂(78年)の2回のみである。

いずれマラソンの世界記録が2時間を切るのは夢ではないとしても、短縮のペースがこのまま直線的に刻まれるかは分からない。むしろ、何年後かに記録の更新が足踏みすることだってあるだろう。その可能性の方がは高いのではないか。

ちなみに、世界の女子マラソンは、2003年に出したラドクリフ(英国)の2時間15分25秒を最後に15年間破られていない。

これも台風の勢力と同じように、息をしているからかもしれない。


by hasiru123 | 2018-10-06 20:33 | マラソン