夢のマラソン

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高校駅伝を考える

全国高校駅伝の男子は、倉敷(岡山)が歴代4位の2時間2分9秒で、2年ぶり2回目の優勝を果たした。2位は世羅(広島)、3位は学法石川(福島)。3位までが2時間2分台というハイレベルの大会だった。

倉敷は3区で、世羅は4区で留学生の快走があって、終盤のトップ争いが俄然熱を帯びた。3区と4区ではそれぞれ留学生が区間賞を獲得したが、同区間の日本人高校生のトップ(いずれも学法石川)とは40秒から50秒の開きがあった。3位の学法石川は、1位とは39秒差、2位とは29秒差だった。この2つの区間の差が勝負を決めたといえるだろう。別の見方をすれば、学法石川は1位との差をこれらの区間の差よりも小さく収めたということになるから、大健闘だ。

いつものことだが、留学生は日本人高校生とは次元の違う走りで、その差は歴然としている。倉敷の3区を走ったキプラガットは、3000m障害の記録がリオ五輪の6位に相当するものだとのことである。そんなすごい選手と競争する日本の高校生たちは、どんな思いでレースに臨んだのだろうか。

碓井哲雄著『箱根駅伝強豪校の勝ち方』(文春新書)によると、日本には常時、70人から80人の助っ人ケニア人ランナーが滞在しているそうだ。本大会では7名の留学生が走り、箱根駅伝の2区でも多くの留学生が出場している。ニューイヤー駅伝ではほとんどのチームに助っ人選手がいる。

助っ人選手に頼る理由の一つに「勝つため」ということがあるだろう。高校や大学のスポーツが、このような勝利至上主義でいいのかという批判がある。世界を目指すまでの目標は持っていないが、高校駅伝や箱根駅伝には出てみたいという選手たちにとっては、酷なスポーツかもしれない。

しかし、駅伝で世界の実力に接することによって、長距離種目のレベルを底上げしてきたことは間違いない。さらに、派手さがなくきつい練習を長期にわたって続けていかないと結果が出ないマラソン・駅伝をここまで面白くし、日本の伝統スポーツをいう枠を超えて、冬を彩る文化になりつつあるという側面も考える必要があると思う。そこには、ケニア人ランナーの功績を認めないわけにはいかない。

「結果と過程のどちらが大事か」という問いと同じように、留学生選手の問題を簡単に結論を導くことはできない。ここは、駅伝を走るか否かにかかわらず、日本の高校生たちに聞いてみてはどうだろうか。


by hasiru123 | 2018-12-28 20:04 | 駅伝