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広島カープはなぜ女性に受けるのか

梅雨が来ると思いだす ♫ -- 。

それはプロ野球の「セ・パ交流戦」だ。6月4日から始まった。

これまでのセ・リーグとパ・リーグの年度別の対戦成績は、13勝1敗とパ・リーグが圧勝している。今年もパに勢いがありそうな気配だが、セが意地を見せることができるだろうか。そしてパの各チームと対戦する中で、広島はセの首位をキープすることができるかどうかが気にかかる。

先ごろ、西武―広島戦を西武球場(正式にはメットライフドーム)で観戦した。第2戦だった。センターから左半分(レフトから3塁にかけて)はホームチームの西武ファンが占め、右半分はカープファンで埋まった。慣れないせいか、ホームチームの西武ファンがレフト側を陣取るのは不思議な感じがした。ホームチームが3塁側ベンチ、ビジターチームが1塁側ベンチと入れ替わったためらしいが、珍しい試みだ。よって、私は一塁側の内野席上段から観戦することにした。

西武球場でも多くのカープファンが詰めかけた。今や神宮球場や横浜スタジアムでも多くのカープファンが見られるが、埼玉県地方にもこんなにいるんだなあと、ちょっとびっくり、そして感激。

他の球団と大きく異なるのは、女性の姿が目立つことだ。子どもはもちろんのこと、若年世代から中高年まで、年代層は幅広い。家族やグループで応援に来る人もいれば、一人で観戦する人も結構いる。応援スタイルも手馴れている。

カープファンがビジターの地域で増えたのはなぜだろうか。広島球団が女性の顧客獲得のために特段のマーケティング活動を展開したとは思えないし、その形跡はない(と言っては失礼!)。私の勝手な想像かもしれないが、つぎの3つを要因に挙げたい。

一つは、経営的に弱小の球団であることだ。広島はマツダが筆頭株主ではあるが、経営権を積極的に強めようとはしていない。そういう意味で、他の球団と経営スタイルが異なっていて、一般に「市民球団」と言われるゆえんである。

広島は今季クリーンアップを担っていた丸佳浩をフリーエイジェント制で流出するなど多くのトップ選手が出ていった。広島がこれまでにこの制度で獲得した選手はいない。弱小球団の宿命と言えばそれまでだが、哀しい現実である。にもかかわらず、2013年にAクラス入りすると、徐々に力を発揮し、3年連続でリーグ優勝するまでに成長した。

二つ目は、自前で選手を育て、どの球団よりも厳しい練習を行っていると聞く。若い、力のある選手が熾烈な競争を重ねる中で、多くのスキルのある選手を生み出していることだ。こうした環境から自前の選手が育っていることも、カープ女子の親和性を後押ししているかもしれない。

そして、三つ目。カープを愛している選手が多いということだ。ヤンキースから戻ってきた黒田博樹を始め、阪神タイガースから復帰した新井貴浩など、こうした主力選手たちに愛されたチームを嫌とはいえない?

カープファンが増えたことと以上挙げた3つの要因はどちらが後先というものではなく、ちょうど車の両輪のような関係にあると思う。脆弱な経営力を選手の成長のチャンスに変えたともいえるだろう。

   * * *

ところで、観戦した日の試合の経過はどうだったかというと、広島の打線が爆発し、連敗を2で止めた。

広島は3回、西武の先発投手十亀剣から1点をもぎ取った。田中広輔がレフトへの二塁打で出塁すると、安部友裕の一塁ゴロで三塁へ進み、野間峻洋の二塁ゴロの間に田中が生還した。西武は4回に外崎修汰が同点の10号ソロホームランを放ち、試合は1-1のまま終盤へ。

ラッキーセブン。カープファンが一斉にジェット風船を飛ばした直後。田中のタイムリーヒットなどで3点を勝ち越した。さらに、8回バティスタのソロホームラン、田中の満塁ホームランが飛び出して、圧勝した。

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広島の先発投手大瀬良大地は今季6勝目、十亀が初黒星となった。この日の広島の殊勲選手はたくさんいると思うが、1人に絞るとすると私は西川龍馬を推したい。7回、連続ヒット記録がかかる西川のバントからチャンスが広がり、一気に3点をもぎ取ることになったからだ。

先頭打者の鈴木誠也がレフト前ヒットで出塁すると、26試合連続安打中の西川が打席に入った。初球を一塁線に転がすバントは見事だった。得点圏にランナーを進めると、連続四死球で満塁となり、田中のタイムリーヒットにつながった。個人記録よりもチームプレーに徹したバントで、勝ち越し点が生まれた。拍手を送りたいね。


by hasiru123 | 2019-06-11 20:06 | その他