人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ブログトップ

日本のマラソンで学ぶものはない

雑誌についてのコメントが続きます。

今年大阪で行われる世界陸上男子マラソンの日本代表5名は、すでに決定しています。しかし、選考レースの内定基準(日本人選手トップで、2時間29秒以内のタイムをマークした者)をクリアしたのは、福岡国際マラソンに出場した奥谷亘(SUBARU)ただ1人でした。1980年代から90年代にかけて、日本人選手が世界の男子マラソンをリードしている時期がありました。そのことを思うと、ちょっと寂しいですね。
日本のマラソンで学ぶものはない_c0051032_6402411.jpg
なぜ、このような事態になったのか。今後、日本人ランナーはどう戦うべきか。元マラソン五輪代表が一堂に会してディスカッションを行った内容が、「月間陸上競技」5月号で収録されていました。参加したのは、宇佐美彰朗氏、瀬古利彦氏、宗茂氏、中山竹通氏、谷口浩美氏、森下広一氏と司会の河野匡氏(陸連強化委員会男子マラソン部長)の7名です。

大変辛らつなな発言で気を引いたのは中山氏で、監督になってからの最近の印象として「選手は練習ができない、すぐ壊れる、治らない。さらに、見ない、聞かない、考えない」。また、「今の日本のマラソンで学ぶものはない。日本人選手は海外レースにどんどん出ていくべき」で、海外レースも代表選考にしてはどうかと問いかけています。

また、各氏が口々に語っていたのは、ペースメーカーがレースを誘導することによる弊害でした。森下氏は「30kmからのレースになってしまって、選手が考えなくなる」と指摘しています。30kmまではペースメーカーが引っ張っていってくれるわけですから、記録的には有利になるが、勝負所での強さが育たないというのです。同感です。

そのほかにも、ライバルの存在、選手と指導者の関係、「変えるのも」と「変わらないのも」など、多くの示唆に富んだトレーニング方法が語れれています。このディスカッションは日本陸連の男子長距離・マラソン研修会として行われたものだそうですか、ぜひ若いランナーに学んでほしいと思うことばかりでした。
by hasiru123 | 2007-05-07 06:41 |